第28話
【あらすじ】
場所は里を国として認めてもらう為やって来たミナント。
そこで主人公アドルフが部下のハインツさんとアドルフの幼馴染であるカチューシャについて話している時日食が起きた。
アドルフが説明していた時、事はもう動き始めていた。
「そうなのですか」
イマイチ理解できて無さそうだがまぁ良い。
「うーむマズそうだな。隣の部屋にいる者たちに出発の用意をさせろ」
「何故ですか?」
怪訝そうに言う。
「すぐ分かる。なるべく急がせろ」
「分かりました」
(すごい嫌な予感がする。当たらなければ良いが...)
しばらくして外を見てまわっていた者たちも戻ってきた。
「失礼します。ミンスター様、ただいま異常事態と判断した為戻ってまいりました」
「よく戻ってきたな。その判断は素晴らしい。所で悪いんだが今すぐ出発の用意をしてくれ」
「かしこまりました!」
数分後。ハインツさんが戻ってきて
「ミンスター様。準備が整いました」
と報告した。
「しばらく待機していてくれ」
「かしこまりました」
部屋を出て自衛団員達に指示しに行ってから戻ってくる。
「何故準備をさせたのですか?」
ハインツさんが聞く。
「まぁ疑問に思うだろうな。そもそも日食っていうのは地域にもよるが厄災の前兆に起こるものだと考えられている。ここもその可能性があり、その原因とされる可能性で1番高いのは、言わずと分かるだろう」
「そういうことでしたか」
「おっと客人が来たようだ。出発の用意を。あぁ、彼は大丈夫だ」
「彼?」
コンコンコン。
扉を叩く音がする。
「失礼します。今すぐお逃げ...あれ?」
ドワーフの若者がこちらを見て不思議そうな顔をする。
「君はドナルド執政官のものだね?」
「はい」
「君がそう思うことも仕方が無い。だがこうなることはとうに予想していて準備していた。俺の予想だと人間の方の執政官が言ったのだろう《これはエルフが来たから起こったのだ。今すぐ討て》と。どうかな?」
「え、ええ。その通りです」
「恐らくこれは王国側から仕組まれたものだろう。じゃあハインツさん行こうか」
聞き入っていたハインツさんがハッとし、
「かしこまりました」
と言って部屋を出ていく。
「では、馬の準備を頼めるかな?」
ドワーフの若者に話かける。
「か、かしこまりました」
そういうと厩の方へと駆け出す。
部屋を出るとハインツさんが自衛団員を並べて待機していた。
「ミンスター様。自衛団員10名の準備が整いました」
「そうか。あまり時間がない。急ぐぞ」
『はっ』
館の外に出ると先ほどの若者が馬の手綱を持って立っていた。
「ありがとう」
「いえ。ご健闘をお祈りします」
「では行こう」
駆け足の速さでで門へと走っていく。
門へと行くとドワーフの衛兵が手を振って叫ぶ。
「急げー!」
「すまん!この事感謝する」
そう言って門をくぐり抜ける。
そのままの勢いで森へと入って行く。
「もう良いだろう」
馬の脚をゆるめる。
「ドワーフの方々のおかげで抜けられましたな」
ハインツさんがいう。
「そうだな。戦闘にならずに済んだのは良い事だ。だが、気は抜けないだろう。里までは要警戒だ」
「かしこまりました」
団員達に指示を出す。
(さて、これからどうしたものか。恐らく今回の事は計画的なものだろう。でなければ、外交交渉にバカンスだからとふざけた理由で延期するわけないだろう。王国側は日食の周期を知っておりそれを利用して我々を貶めるつもりだったのだろう)
「ミンスター様」
ハインツさんが話かける。
「なんだ?」
「どうやら我々の後をつけているものがいるようです」
「距離はどれ位ある?」
「数キロはありますが足跡を追っているようです」
「どうするか。何か案はあるか?」
「待ち伏せて攻撃するのが良いかと」
「そうか少し先に行ってから藪の中に入って戻り待ち伏せしよう」
「はっ」
「あまりにも舐めてくれたものだな。よろしい我々の戦い方を見せて少々痛い目にあわせてやろうではないか」
遅くなって申し訳ないです(>_<)
今後もこんなペースになってしまうかもしれませんが今後もお願いします(._.)