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エルフの指導者  作者: 月光皐月
第1章 準備
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第27話

あらすじ。

鉱山都市ミナントについたアドルフ達。門ではドナルド執政官の質問攻めにあうが何とかかわしなんだかんだで部屋を貸してもらうこととちょうど開かれる感謝祭をめぐる約束を取り付け部屋に入った。


コンコンコン


扉を叩く音がする。

「ミンスター様お呼びでしょうか?」

呼んでいたハインツさんが来た。

「来たか。入ってくれ」

「はっ」

部屋に入り扉を閉めたら彼は敬礼をしたから、

「いかがなさいました?」

と聞く。

「提案があるんだ」

「はて?何についてでございましょうか?」

「護衛についてなんだが。2名づつ3日間程休みにしてくれ」

そう伝えると眉をよせ、

「護衛を減らすことについては満足できる説明をしていただけないと賛成いたしかねます」

と言う。

「もちろん説明するさ。俺の狙いは護衛の者たちに町を自由に見てもらって里とどれだけ違うかを知ってほしいんだ」

そういうとハインツさんは少し考え込み、

「そのお考えについてはわかりました。ですがその場合ミンスター様の身をお護りする事が難しくなってしまいます」

と返してくる。

「心配するな。護衛なんか5人もいれば十分だ」

「そういう訳にはいきませんよ。何度も言うようですがあなた様は里に必ず必要な御方なのです」

と言う。

(これはダメだな。俺に頼り切ってしまっている。少し話すか)

「1ついいか?」

「 なんでございましょうか?」

「俺は絶対ではない。完璧ではないんだよ。俺ばかりを頼るようではもし栄えたとしてもその繁栄は一時的で見せかけに過ぎない。真の繁栄とは、自然と意見が出て来て間違っていれば修正される。指導者なんていらない。そう俺は考えているんだ。で俺が1つ考えているのは旅に出てみようか。という事だ」

そう言うとハインツさんが驚きを露わにする。

「旅に出るというお考えは本当でございますか?」

「もちろん今すぐではないぞ。ただゆくゆくは色んなものを見てまわって見たいと思ってる」

「そうでございましたか。その件を他の方には?」

「いや、ハインツさんが初めてだが」

「では里にお戻りになられましたらカチューシャ様にお伝えしておいた方がよろしいかと」

「なんでカチューシャに?」

「1つお聞きしてもよろしいですか?」

と興味深そうにいう。

「いいぞ」

「ミンスター様はカチューシャ様の事をどのようにお考えで?」

そう聞いてきた。

「どう考えているとは?」

「そのままでございます。少しお考えいただき、まとまりましたらお聞かせください」

そう言うとハインツさんは部屋を出ていった。

(そのままって何だよ。カチューシャか。カチューシャなぁ。幼馴染でちょっとドジだけど一緒にいると楽しい奴としか言いようがないなぁ。だがハインツさんが言っていた意味とはおそらく違うんだろうな)

「カチューシャ。俺にとって何なのだろうか」

その夜俺の想いはまとまらなかった。


翌朝、空は澄み渡り春を感じさせる素晴らしい天気だった。

「今日はゆっくりすごそう」

(どっちにしろ今日はドナルド執政官がいないし、仕事もないからそうならざるを得ないだろうが)

しばらくするとハインツさんがやってきて

「お考えになりましたか?」

と聞いてくる。

「何となくな。今日は2人休ませていいぞ。出かける予定はないからな」

そう言いはぐらかす。

「わかりましたお任せください。ミンスター様これだけはお聞きしたいのですがカチューシャ様についてなのですが」

どうやら失敗したらしい。

「考えては見たんだ。だがお前の言っていた意味をイマイチ理解できなかった。どういう事だったんだ?」

そういうとハインツさんは呆れた表情をして言った。

「カチューシャ様を娶るかどうかですよ」

ハインツさんのかなり踏み込んだ質問。皆さん答えはわかってますよね?次回を楽しみに。


以下作者の日記的なもの

最近北の方がきな臭くなってきましたね。私は日本の中で攻撃目標トップ3に間違いなく入っているだろう場所の近くに住んでいるので他人事ではありません。最悪の自体を想定し行動する。これが生死を分ける言葉になりそうです。

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