第24話
「さてそろそろひと月経ったかな?」
ミナントでドナルド執政官と約束したひと月が過ぎようとしていた。
「また1人で行くの?」
「流石にそうはいかないだろ。今回はエルフの自衛団員を何人か連れて行くよ。人数的にはかなり増えたからな」
「そうだね狼の人達の大半が入ってくれたからね」
そう。あれからアイシャに話をして狼の獣人達に希望をとったところほとんどの人が入団してくれた。入団していないのは子供とお年寄りくらいだ。
「あれからハインツさん活き活きとしてるよね」
「そうだな。きっと教えがいのある新兵なんだよ」
一気に人数が増えた事により色々な所で様々なものが不足しているがこれは嬉しい悲鳴だ。これから発展していく予兆であるだろうから。
「という事で今回は多分10人位連れて行こうかなって思ってるんだ」
「頑張ってねアドルフ」
「まぁ相手の出方次第だけどね」
自衛団員10名を連れて行きたいという事をハインツさんに伝えるため以前見学した時に行った訓練場へ向かう。
「声が出ていないゾ!やりなおーし!」
『サーイエッサー』
(凄いな〜。色々と)
「ハインツさーん」
「これはミンスター様。いかがなされましたか?」
「実は近々ミナントへ交渉に行くんだけど護衛として10人位連れて行きたいんだ」
「かしこまりました。10名ほどこちらで選ばせていただきます。いつ頃ご出発の予定ですか?」
「大体5日後かな?で、1つ注文なんだけどエルフだけで頼む。狼の獣人達はまだ隠しておきたいからな」
「仰せの通りに」
(いつにも増して堅苦しいな。なんか嫌な予感がする)
そんな風に思った事を忘れた5日後。その予感は的中した。
朝目が覚め支度を整えた俺はカチューシャに後は頼んで家を出る。
「ミンスター様おはようございます」
家の前にはハインツさんが待っており馬を連れていた。
「おはよう。で、その馬は何かな?」
「ミンスター様がお乗りになられる馬でございます」
「俺、馬なんて乗った事ないよ」
「大丈夫です。座ってるだけで手綱は我々が持ちますので」
「我々?もしかしてハインツさんもついて来るのか?」
「その通りでございます。我が身に代えてもミンスター様をお守り申し上げる思いでございます」
「そ、そうか頼んだ」
(ハインツさん。あなたの思いスッゲー重い。勘弁して欲しいよ)
「ん?じゃあ誰か変わりのものを里に残すのか?」
「はい。私の右腕と言うべきものを残しますのでご心配なさらず」
「わかった。じゃあ出発しよう」
「はっ!」
馬に乗らされ里の中心に行くと護衛の自衛団員達が待っていた。その全員が同じ服装で緑色を主とし、赤が時々入っている大変動きやすそうでリュックとイ式狙撃銃を携行していた。
「いつの間にこれを作ったのか?」
「はい。今回の為に揃えました」
「そうかご苦労であった。あとで請求しておくのと俺にも1着作っておいてくれ」
「ミンスター様のは作っております。今お召しになられますか?」
「そうなのか?でも今はいい。取っておいてくれ」
「かしこまりました」
「では行こうか」
出発すると軍靴の音が森に響いていた。
さて24話となりました。そろそろ新章を始める事が出来そうです。そう、戦争の時間です。
「諸君私は戦争が好きだ」
と、某少将が出てきそうです。
まぁ結局の所、今後ともこんな自己満小説を読んでいただけたら幸いです。




