第23話
お待たせしました(待ってる人がいるか分からないけど)今週はどうもイメージが湧かず遅くなりました。
「ここが俺たちの里だ」
「あなた!」
ちょうどお昼時だった為か里に男達が帰ってきており、再開を果たした夫婦がいるらしい。
「他の男の人達もどこかにいると思うから里の中を歩いてみて。で、これから昼食だからゆっくりしてくれ」
そこまで言って離れようとするが、先程の年配の女性が話しかけてくる。
「すいませんがアドルフ様。この里の長殿を教えていただけますか?」
「あぁこの里の長は一応俺ですね」
そう言うと少し驚いたらしく目を見開く。がそんな表情はすぐ消えて
「少しよろしいですか?」
「ええ」
少し離れた所にいる女性を連れて戻ってくる。
「アイシャ様こちらのお方がこの里の長だそうです」
「え、本当?」
見るからに顔が青ざめていく。
「どうなさいましたかアイシャ様?」
年配の女性が聞く。
「いや、なんでもないわ。今回は助けて頂きありがとうございます」
「いえお気になさらず。今日はお疲れでしょうからゆっくりしてください」
「ええ。エルフ様の御導きに感謝しつつ休ませていただきます」
そう言って彼女達は狼の獣人の中へと戻っていった。
「じゃあ俺も家に帰るか」
そう思い家へ帰る
「さて彼らの今後について考えて行かないと」
帰り道考えをまとめる。
(恐らく彼らに帰る場所はないだろう。という事はこの里に定住かな?とするとせっかくの労働力をニートさせるのは勿体無い。何か仕事を割り当てないとな)
ガチャ
「ただいま」
「おかえりー」
当たり前の様にカチューシャが家にいる光景ももう見慣れたものだ。
「今日見つかったよ」
「本当?それは良かった。でお昼作ってあるんだけど食べる?」
「そうだね。食べようかな。ちなみに何作ったの?」
「簡単にだけどパスタをね」
「そうか。じゃあ食べようか」
「ねぇちょっと聞いて良い?」
「どうした急に」
「この後狼の人達はどうするの?」
「それは今考え中なんだ。里で暮らしてもらう事はいいんだけど、住んでも仕事がないんだよね。仕事が無いと生きにくいじゃん?」
「そうだね。ずっと助けたままだとダメだもんね。うーん、どうするのが良いんだろう」
カチューシャは腕を組みつつ指を口に当てて考える。
「こういうのはどう?狼の人達だから匂いを嗅いでもらう仕事とか」
「何言ってんだ匂いを嗅ぐ仕事は...ちょうど良いのがあるじゃん。カチューシャありがと」
「え?なんだか良く分からないけどどういたしまして?」
「じゃあ明日の朝早速伝えてくるわ」
「ねぇちなみにどんな仕事なの?」
「それはね、自衛団として里周辺で活躍してもらう事さ。何か変わった事が起これば匂いで感じ取ってくれそうじゃないか?」
「これでまたアドルフの計画がまた1歩前にすすんだね」
「おもわぬ1歩だったがな」
コンコンコン
玄関の方から戸を叩く音が聞こえてくる。
「はーい誰ですかー?」
カチューシャが小走りで向かう。
「すいません」
「何かご用ですか?」
「あの、里長様はいらっしゃいますでしょうか?」
「はい。こちらにどうぞ」
そうして彼女が連れてきたのはアイシャだった。
「どうしたん
すると彼女は俺を見ると同時に謝罪を始めた。
「先程はすいませんでした。知らなかったとはいえ脅してしまい、はたまたエルフ様かどうか里長様とは知らず疑ってしまい」
「まぁあの状況じゃ仕方がないよ。怪我が無かったから問題なし」
「ありがとうございます」
「何か食べてく?」
「いえ、結構です」
そう答えたと同時に鳴り響くお腹の音。そしてアイシャの顔が恥ずかしさで紅く染まる。
「カチューシャ昼食ってまだ残ってる?」
「もちろん。ちょっと待っててね」
そう言って彼女はキッチンへ向かった。
「本当にすみません」
「良いよ。まだ育ち盛りなんでしょ?一杯食べないと」
「あ、ありがとうございます」
「はい。お口に合うか分からないけど」
カチューシャが戻ってきてアイシャの前に置く。
「いただきます」
そうしてパスタを口にした彼女の顔は幸せそうだった。
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