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エルフの指導者  作者: 月光皐月
第1章 準備
20/38

第17話

通算20話になりました。これも読者の皆様がいてくださるからです。今後ともお願いします。

この里の学力の現状が分かった俺は急ぎ教師候補向けの学習指導計画を作り直す。

「うぅ〜ん、思った以上に後進的だったな。せめて値段とお釣りの計算が出来るぐらいにはしたいし、道徳についてもしっかり授業もしなくてはならないからな。どうしよう」

悩む事数時間。画期的方法を思いつく。

「そうだ、算数の文章題に道徳的要素を取り込もう。そうすれば時間短縮になるだろう」

そう考えた俺は早速問題を作り出す。


〜以降その問題文〜



1、ジョン君が家でゆっくりとしているとキッチンからお母さんの困った声が聞こえます。キッチンへ向かって見ると夕食を作っていたお母さんから次のことを頼まれました。


・銀貨1枚と大銅貨1枚を持ってミルクとデザートのリンゴを買ってきて欲しい。残金の半分なら好きなものを買ってきても良い。


ということでジョン君はお母さんに頼まれた"おつかい"に出かけました。

ジョン君が家を出てまず向かったのは北町商店です。そこには気の優しいおじさんが店番をしており

「よぉ坊主、おつかいか。偉いな」

「そおなの。おじさんミルクちょうだい。」

「分かったよ。でも持っていけないだろ俺が持って行ってやるよ」

そこでジョン君はミルクを銅貨7枚を払って届けてもらうことにしました。次に向かったのは南町青果店。そこには優しいおばさんがいて

「あら、ジョン君おつかい?」

「そおなの。おばさんリンゴ3つちょうだい」

「分かったわ。おつかい出来て偉いね。本当はリンゴ1個あたり銅貨2枚なんだけど3個買ってくれたから銅貨1枚分安くしておくね」

と言ってくれました。

(1)ジョン君は最初銅貨何枚分のお金を持っていたでしょうか?

(2)ミルクとリンゴ合わせていくらでしょうか?

(3)ジョン君は好きなものをいくら買って良いでしょうか?


2、家に帰ってきたジョン君はお母さんの作ったホワイトシチューを食べています。明後日は待ちに待った学校が始まる日です。学校は9時から始まります。そこでジョン君は学校に行くのにかかる時間を調べて家を出る時刻を決めることにしました。ジョン君は7時50分に家を出ると8時32分に学校へ着きました。

(1)家から学校まで何分かかったでしょうか?

(2)8時32分から9時までは何分、間があるでしょうか?

(3)8時50分に着くようにする場合家を何時何分に出れば良いでしょうか?


答え1、(1)15枚 (2)12枚 (3)1.5枚

2、(1)42分 (2)28分 (3)8時2分


「さてこんなところでいいかな?イマイチ道徳の要素が少ないけれどこんなものだよね」

まぁまぁ満足のいく物が出来た。

「これをカチューシャに解かせてみるか」

書いていた執務室を出てカチューシャを探す。すると彼女は食堂でテーブルを拭いていた。

(そうだビックリさせてやろう。真面目にやっているカチューシャには悪いがどんな反応をするのか楽しみだ)

こっそりと忍び寄り彼女の耳元で大声を出す。

「ワッ!」

ビクッと反応し彼女は腰が砕けてしまった。

「ビックリしたー。もう急に何するのよ」

「いやーすまんそこまで驚くとは思ってなくて」

「もうしょうがないわね。はい」

そう言って彼女は手を伸ばす。

「え?」

「いや、アドルフがやったんだから立たせなさいよ」

「あぁそういう事ね。分かった」

彼女の手を握り引き起こす。

が、勢い余って身体がぶつかってしまった。お互いの顔がサッと赤くなりものが言えなくなる。

「って違う!そうじゃなくてこの問題解いてみてくれる?」

「この問題?いいわよ」

少し不機嫌になった彼女が答える。そして解こうと問題を読んでいくがだんだん眉間にシワがよっていった。少し用があり部屋を出ていた俺は戻ってくるとテーブルに突っ伏している彼女を見てこれでもダメかな。と不安になった。

今回文中にありました教科書に道徳的要素を取り込む手法は戦後間も無くの頃に実際に行われていたものです。

後、内容をわかりやすくするため今後名称はこちらの世界と統一させていただいます

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