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エルフの指導者  作者: 月光皐月
第1章 準備
17/38

番外編 -バレンタイン-

今回はカチューシャ視点でお届け。

書き終わってみたら今までで最長の長さになってしまった。

これは今から少し先のお話....


(どうしよう。やっぱりビターチョコの方が良かったかしら)

私は今、アドルフに渡す"もの"を持ち彼の家の食堂で待っており、肝心の彼はそろそろ執務室での仕事を終え夕食を食べにやってくる。

(はぁ〜緊張するなぁ(xдx)どう言って渡そうかな?)

これらは昨日の夜から悩んでいる。



-昨夜-


「明日になっちゃった〜。ビターかな?ミルクかな?それともホワイトかな?決められなーい!」

「カチューシャ、どうしたの?」

お母さんが話かけてくる。

「いやねお母さん、明日バレンタインじゃん。でね、アドルフに手作りで渡そうと思うんだけど材料に何のチョコを使おうか決まんなくて」

「へぇ、アドルフねぇ」

お母さんがニヤニヤとする。

「そこじゃなくて!何使おうか本当に決まらないの」

「じゃあ何作るか決めてあるの?」

「えーっとね、一応チョコを綺麗に成形し直したものを渡そうかなって」

「でもチョコの成形って意外と難しいけど運動バカのあなたに出来るの?」

「うぐっ。それはやってみないとわからない」

酷い言われようだが図星なので言い返せない。

「それならクッキーの方が良いと思うわ。それなら成形もそんなに難しくないし」

「そうなの?じゃあクッキーにするわ。お母さん教えてくれない?」

「しょうがないわね。でも渡す分はあなたが作りなさいよ?」

「分かってるって」

という事でお母さんが今回先生として教えてくれる。

「じゃあ始めるわよ。まず始めにチョコレートを使ってクッキーを作るのかそうじゃないのかを決めなさい。チョコレートを使うならどのチョコレートを使うのかもよ?」

「う〜ん。チョコは使おうかな?でもどのチョコが良いのかわかんない」

「そうだなぁ。大人っぽい味にしたいならビターでそうじゃないならミルクかな?ホワイトは人によって好みが分かれるからやめた方が良いわよ」

「へぇ〜。じゃあミルクチョコにしようかな」

「それじゃ始めるわよ。まず始めにチョコをお湯で溶かしておいて、ボウルに溶かしたバターと砂糖、塩を加えてよくかき混ぜなさい」

「分かった」

「よくかき混ぜたら卵黄と溶かしたチョコを加えてよく混ぜて」


カシャカシャカシャ


良くかき混ぜる。

「次はね小麦粉を入れてサラサラになるまで混ぜなさい。混ぜたら涼しい部屋に寝かせておくのよ。その間飾り物とか考えましょ」

「出来たわ。置いてくるね」


涼しい部屋から戻ってラッピングなどについてお母さんと話す。

「どんな感じのラッピングにしたら良い?」

「それはあなたが決めなさいよ。あなたが渡すんだから」

「えー。そうだなぁ赤い袋に黄色の紐とかどう?」

「確かあなたセンスは良買ったわね。良いんじゃないの?探してみるわ」


そんな話をしてると数刻がたった。


「もうそろそろ良いかしら?寝かせたのを取ってきて」

「分かったわ」




「取って来たわよ」

「それじゃあこれを今度はこの棒を使って伸ばして。あと、なるべくクッキーの生地には触らないでね。美味しくなくなっちゃうから」

「そうなの?気をつけるわ」

生地を薄く棒で伸ばす。均一になるように。

「出来たかしら?」

お母さんが聞く。

「多分これで大丈夫」

「それじゃあナイフで切りましょう。好きな形に切って良いわよ」

「分かったわ」

好きな形で良いと言われたので、星形やクロバー形、花形など様々な形に切った。

「あら、ハート形のは作らないの?」

「作る訳ないじゃない!」

「そういうところは奥手なのね」

「う、良いでしょ別に!で次は何するの!」

「はいはい。次はねこれをかまどで焼くわよ」

「分かったわ。どれ位焼くの?」

「この砂時計が落ちきる位よ」

とお母さんが砂時計を渡す。

「分かったじゃあ行ってくるわね」

かまどは外にあるので家を出る。

「アドルフどんな反応するかな?」

今から楽しみでしょうがない。

「焼けるまで何してようかな?」


出来上がりまで"カット"


「砂時計が全部落ちたからそろそろ良いかな?

かまどの中から取り出してみると、甘くこおばしい匂いがする。

「上出来だわ。焦げてなくて良かった」


「お母さん焼けたわよ」

「本当?...あら、よく焼けてるじゃない。じゃあラッピングね」

「袋とかあった?」

「あったわよ。こんなのでどうかしら?」

「うん、大丈夫だと思う。それじゃやっちゃお」

「ちゃんと冷ましてからやりなさいよ?」

「分かってるって」


-少し後-


「ラッピングしちゃって良い?」

「良いわよしても」

明日アドルフに渡した時の反応を考えるとニヤニヤが抑えられない。

「あなた気持ち悪いわよ」

そうお母さんに言われても辞められない程に。


「出来たぁ」

「そう、じゃあ明日忘れないようにね」

「大丈夫。ここまでだやったんだからちゃんと渡すよ」

「本当かしら?」

そうして夜は過ぎていった。




「じゃあ行ってくるわね」

「ちゃんと持った?」

「大丈夫持ったって。ほら?」

「じゃあ行ってらっしゃい」

「行ってきま〜す」

(これは夕食の時のサプライズ。バレないように気をつけないと)


「おっはよ〜アドルフ。今日は良い天気だね」

「やけに今日はテンション高いな」

「そぉ?」

(ヤバイ早速バレちゃった?)

「まあ良いか」

(良かったぁ)

その後1日を無事過ごした。


そして冒頭部分へ。


(はぁ〜緊張するなぁ(xдx)どう言って渡そうかな?)


コツコツコツ


アドルフの歩く音が近づいてくる。

(いやぁ〜来ちゃった。もうこうなったらヤケだ)


ガチャ


「飯「アドルフ!」」

被ってしまいアドルフが驚いた顔をする。

「ど、どうした急に」

「いや、あのね。今日バレンタインじゃん。でね、あんたにクッキーを作ったの」

「そうなの!?ちゃんと出来てるんだろうな?」

アドルフが笑っていう。

「大丈夫あんたもバカにしないでよ!」

「悪かったって」

「もう、じゃあこれあげる」

クッキーの入った袋を渡す。

「ありがと」

早速開けて食べようとする。

「待って私が帰ってからにして」

「なんで?」

「恥ずかしいから」

「大丈夫だって」

そう言ってパクッと食べてしまった。

「大丈夫?」

「大丈夫美味しいぞ」

そう言われて自分の顔が赤くなるのが分かった。

「恥ずかしいって言ったのになんで言うの!」

「良いじゃないか美味しいんだから。ありがとな」

「バカっ」

恥ずかしくてつい言ってしまった。

(こんな筈じゃなかったのに...。まぁ良いか)

こうしてサプライズは無事(?)終了したのであった。

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