第15話
兵隊のお話。少しお話しが堅くなってるかも?
翌朝。いつも通り起きた俺は準備をしてからハインツさんの家に向かう。
家の前に着くとそこにはハインツさんと志願者達20名が既に待っていた。
「お待ちしておりました」
「遅れましたか?」
「いえそんな事はございません。では今から銃を持って来ますので説明をお願いできますか?」
ハインツさんがそう聞いてくる。もちろん構わない。
「いいですよ」
と言う事で、志願者達の方を向き説明を始める。
「えーとりあえず、諸君がこの組織に志願してくれた事を感謝する。この組織を創立した訳だが、今後起こるであろう戦争から我が里を護る為である。戦争だけでなく獣や魔獣を撃退する事も含まれているので諸君には頑張って貰いたい。で、これから渡すものだが新兵器の"銃"だ。これは外界にはないものである」
ハインツさんがちょうどのタイミングで戻って来た。
「それがこれだ」
1つ借りて志願者達に見せる。
「これは"イ式狙撃銃"と言って属性魔法の3倍近い距離から攻撃が出来るものである」
志願者達にざわめきが起こる。
「しかし、欠点もあるが諸君達の訓練次第でそれが限りなくゼロに近くなる。では注意点について説明する。1つ目だが予備は殆ど無いので大切に扱ってほしい。2つ目に銃身を良く掃除する事。思わぬ事故につながるから1日1回掃除をしてほしい。3つ目だがこれが1番重要で、仕事が終わったら必ずハインツ殿の家に戻しにくる事。以上だ」
「では各員1丁持って移動開始」
ハインツさんがそう言うと、テキパキと行動をし始める。
「ミンスター様こちらです」
ハインツさんに案内されて向かったのは森で、里から少し南にあるポッカリと木の無い場所だった。
「ここが一応訓練場としている場所です」
「よくこんな場所を見つけましたね」
「ええ狩りをしている時に偶然見つけまして。この話をいただいた時に訓練するならここだと思った次第です。それで申し訳ないのですが、銃の実射の様子を見せていただけますか?」
ハインツさんがそう聞いてくる。
「そうですね。見せた方が理解も早いでしょうから」
と言う事で説明しながら弾薬を装填して構える。
「で、魔力を込めながらここを引くと撃てる。試しにあそこに見える木に撃ってみるから見ている事」
そう言ってから偏差をいれ撃つ。
ダーンッ
命中した部分が吹き飛ぶ。
「凄いですね!」
ハインツさんがこうふんした口調で言う。
「これ程威力があれば魔獣も余裕ですね」
えらくご機嫌だ。
「ですね。では早速諸君も射撃訓練をしてみてくれ」
それぞれが目標を定め撃つ。黙々と感覚を掴むまで。
「すいませんミンスター様」
志願者の1人が呼んでくる。
「どうした?」
「掃除ってどうすれば良いんですか?」
「掃除か。掃除は枝に布を巻いて筒の中をやればいい」
「分かりました。ありがとうございます」
少し見回っていると何人かから質問を受け、その都度答えていく。
「ミンスター様。ここから筋力トレーニングを行うのですがいかがしますか?」
「そうですね。少しだけ見たら戻ります」
「分かりました。総員集まれ!これより筋力トレーニングにうつる。まずは、腕立て伏せ300回!」
この掛け声を合図に復唱しながら腕立て伏せをしていく。
「1」
『1』
「2」
『2』
「3」
『3』
「4」
『4』
「5」
『5』
「100」
『100』
辛そうだが何とか続けている。だが、俺がいれるのはここまでだ。これ以外にもすべき事があるからここで退散させてもらおう。軽くお辞儀をしてから、掛け声の響く森を抜け里へと帰る。
文章評価していただけると幸いです




