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エルフの指導者  作者: 月光皐月
第1章 準備
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第11話

前話少し調整

大した事では無いですが気になる方前書き参照

「ここなら問題ないだろう」

そう言うとドナルドさんはふざけた様子が一切なくなり、執政官の顔になった。

「で、まずは君が何者なのか教えてくれ。あぁ盗聴とかの心配もここなら大丈夫だ」

「つまり他の部屋だと危ないと?」

「そういうことだ。一応俺は執政官だが、ここはもともとドワーフ達が住んでいた街だから執政官の一翼を任されているに過ぎない。実際の所この近くにあるケルツァニア王国から送られている人間の執政官が実権の全てを握っている。つまりこの街は王国の一部と考えても間違っちゃいないな。だから独立出来ない様に支給されたこの家には色んな所に盗聴の魔道具とかが隠されているんだが、この部屋のは除去させた。だが、君が来た事は門番によって知らされるだろうな。帰り道は気をつけたまえ」

ドナルド執政官がそう言って注意を促す。

「ええそうさせていただきます。では早速色々とお話ししたい事がありますので」

「そうだな余計な邪魔が入る前に済ませてしまおう」

「実は私はこの街の後ろにある森に住んでいるエルフでして」

そう言って身につけていたブレスレットを外し付与されていた魔術を解除する。すると、耳や身長など変えられていた箇所が元に戻る。

「ほうあの森にエルフが住んでいるというのは真実であったか」

ドナルドさんはしみじみと頷く。

「改めて、どうもドナルド執政官。私エリングの里の長、アドルフ=フォン=ミンスターと申します。以後お見知り置きを」

「ええこちらこそ。でミンスター殿わざわざ森から出て来てまで面会したいと思われた要件は」

「そうでした。実は里で閉鎖主義から変わることになり、国を興す事を決めましたのでご報告と国境画定に参った次第です」

(これで森全体を確保出来ればエレーナさんが言っていた箇所を調べる事が出来るな)

「そうでしたか。国を興す事は了解しましたが国境画定については何とも言えませんな。恐らく間にケルツァニア王国が口出ししてくるでしょうな」

「やはりそうですか。ですが決めないと戦いの種になりそうなので早急に決めたいというのがこちらの立場ですね」

「では人間の方の執政官も呼ばなくてはなりませんな。それについてはこちらで調整しますので1カ月ほどしたらまた来てもらえると幸いです」

「分かりました。1カ月後にまた参りますのでまた」

「しばしお待ちを。ミンスター殿この後の予定は?」

「里の者に土産を買ったら帰る予定ですが」

「では、晩餐を一緒に取っていただけますかな?この街自慢の料理を用意しますので」

「そういう事でしたら喜んで」

「それじゃあ晩餐の時間まで少し飲むか。俺秘蔵の酒も開けるんで」

スイッチが切れたかのように呑み屋でのドナルドさんに戻る。

「ほ、本当ですか?それはありがたい」

(ドワーフのペースで飲んじゃ晩餐まで持ちそうも無いな。気をつけないと)


最初の方は何十年物のお酒を味わいつつ、様々な事をドナルドさんと話したりしていたが、だんだんとお酒の量が増えていき気付いたら数時間が経過して晩餐の準備が整えられていた。案内されて食堂に向かうとそこには里で見かけなかった色々な種類の食材が使われた料理が並んでいた。例えば豚の丸焼きであったり、大きな海魚の塩焼き、極め付けは鳥の唐揚げらしき者だった。どれも美味しくいただき満腹になると、ドナルドさんに部屋へと連れてかれ晩酌へと突入した。という所までで記憶は終了し、この後頭痛で起きるまで執政官の館で寝てしまった。

起きるとドナルドさんは、

「昨日はすまんな。一応これはお土産だから持って帰ってくれ」

と数点の品が渡された。それは剣であったり素晴らしい装飾が施された銀細工であったりした。おかしな魔法がかかっていない事をかくにんしてしまう。

(この銀細工をカチューシャに渡したら機嫌を直してくれるといいな)

そう期待を持って里への帰路についた。


明日間に合わないかも


塩焼きは海の近くでない限り塩が安く無いので、唐揚げは貴重な油を多く使うのでチョイスしました

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