第10話
頑張れば2、3日に一回?
修正 ドナルド執政官の名前を知った箇所を強調 2017/02/03
「まぁ本当はこうやって街中に紛れて酒を呑みつつ、不満とかを聞いてるんだ」
「へぇ〜そうなんですか(意外とちゃんとした理由だ)」
「で本当は?」
隣に座って呑んでいたドワーフがそう言う。
「騒いで呑みてぇだけだ」
「だろうな」と相槌をうちながら他のドワーフが笑う。
「で、旅のもんや」
「はい何ですか?」
「なんか面白い話してもらえるか?」
「そういえばそうでしたね。う〜ん、怪談話で良いですか?」
「かいだん話?"かいだん"ってなんだ?」
「あ〜っと、怖い話ですね」
「ほぅ、それは面白そうだな。早速話してくれ」
そう言われたので俺は怪談話を話し始めた。最初の頃は酒やつまみを食べ、話ながら聞いていた。しかしクライマックスに近づくにつれ動きが無くなっていった。
「以上です」
話が終わった。執政官達の様子を見ると、
「ぜ、全然怖く無かったよな?」
「そうだよな」
強がっていた。
「それならもう1つ...」
「いや、それよりも何か聞きたい事があったんじゃないのか?」
と食い込み気味で言ってきた。それなら聞いてみよう。
「そうですね。実はこの街に来た目的は執政官殿に会うためなんですよ」
執政官は驚いた顔をする。
「なんでまた?」
「ここでは言いづらい話なので明日面会出来ますか?」
そう言うと執政官は考え込み、
「そんなに重要な話なのか?わかった。明日の昼頃俺の家に来てもらえるか?場所はこの近くにある割と大きな建物だ」
「では明日の昼頃伺います」
「よし、じゃあ呑むぞ」
「え、自分もですか?」
「当たり前だ」
そうやって一緒に酒を呑んだ。これで俺は学んだ。ドワーフの酒量は異常だと。
翌朝。鐘の音で目が覚めた俺は激しい二日酔いに悩まされながら身支度を整える。
「頭が痛い。魔術では軽減しか出来ないからこればかりはしょうがないんだが」
魔術といえど万能では無いと言うことか。
宿の食堂で遅めの朝食を食べた俺は昨日の呑み屋へと向かう。
「この辺で大きな家か。恐らくあれなんだろうな」
アドルフの目線の先には技巧を凝らした白い大理石で出来てそうな建物、例えるならホワイトハウスを少し小さくした様な家があった。
「門番もいる事だし聞いてみるか」
歩いて2人いる門番に近づいて行くと、
「ここはドナルド執政官殿の屋敷である。御用を」
と人間の方の門番が聞いてくる。
(そうかあの執政官はドナルド執政官というのか覚えておこう)
「昨日その執政官殿と約束した者ですが約束の時間になりましたので参った次第です」
「確認して参りますのでしばらくお待ちを」
もう一方のドワーフの門番がそう答え、館へと向かって行く。特に会話が無い時間が過ぎ、僅かな時間が数刻にも感じられた。
館の方から先程の門番と昨日見た執政官が歩いてくる。
「やあすまんな。待たせたか?」
「いえ、全く」
「とりあえず昨日言ってた話聞かせて貰えるか?」
「ええ、では中で」
「わかった」
そう言うとドナルド執政官が館へ向かって歩き出したのでついて行く。
館の玄関が開けられ、中が見えるとアドルフはその豪華さに言葉を失った。
外と同じ大理石らしき柱に中央に階段があり、通路には赤い絨毯が敷かれていた。更に進むと廊下に美術品が置かれていた。
「どうだ。凄いだろう」
ドナルド執政官が自慢気に言う。
「本当にすごいですね。今まで見た事もありませんよ」
「そうだろうそうだろう。じゃあ部屋まで案内しながら見て行ってくれ」
廊下には美術品として絵画や彫刻時々壺と数多く飾られていた。
「ここが俺の執務室だ」
そう言ってドナルド執政官はドアを開けた。
描き終わったら順次投稿というカタチなんですけれどもこれで良いですかね?




