第9話
修正 2017/02/01
「さて、もうそろそろ着きそうだぞ。」
昼も過ぎて3時位であろうか。森を抜けドワーフの里が近づいてきた。
「さて森も抜けたし見えるだ.....」
アドルフが森を抜け見えてきたのは、
「なんだあれ。大きな城壁だなぁ。」
鉱山沿いにあるドワーフの里。まるで山が張り出てきたかのように城壁が作られていた。また、その城壁の中からは鉱石を加工する時に出たのであろう煙が沢山のぼっている。
「さて、着きそうなのは良いんだがどうやって面会しようか」
彼はカチューシャの事ばかり考えていて肝心な面会方法の事をすっかり忘れていたのである。
「とりあえず街の中に入るか」
街をぐるりと半周ほどまわって行くと門があり、そこには人間の門番が立っていた。
「入市には銀貨5枚が必要です。身分証があれば銅貨3枚で結構です」
日焼けした若い
身分証なんてあったとしてもエルフのなので使えないから銀貨5枚なんだが、銀貨も騒ぎになるかもしれないからダメ。どうしようか...
「もしかして手持ちもないんですか?」
怪訝そうに聞いてくる。
(これはチャンスだ!)
「ええ。お金を落としてしまいまして」
「そうですか。たまにいるんですよ。お金を落としたり、盗賊に盗られたりする人が。何か売れる物持っていますか?」
「売れる物ですか。この毛皮とかどうですか?」
この毛皮は昼食に干し肉以外が食べたいと思い、兎を狩ったのだがその時剥いだ毛皮である。
「へぇ〜なかなか綺麗な毛皮ですね。良い値段になりそうです。ただこれじゃあ足りないですね」
「後は、こんなのとかどうですか?」
そうやって出したのはバックに入れっぱなしになっていた里の小さな工芸品。なんで持っていたかは分からないが。
「これもよく出来てますね。これくらいで大丈夫でしょう。換金してきますのでちょっと待ってて下さい」
「わざわざすみません。お願いします」
門番は代わりの人を呼ぶと街中へと走っていった。
待たされる事10分ほど。さっきの門番が戻ってきた。
「お待たせしました。一応銀貨5枚位になるように売ったので、お釣りの銅貨3枚と残りをお返ししますね」
「ありがとうございます」
「いえ、これも仕事ですから。
では、ようこそ鉱山都市国家ミナントへ」
そう言って彼は通してくれた。
街の中に入ると様々な人がいた。ドワーフや人間の主婦にどこかの犬系獣人の青年。はたまたネズミ系獣人の商人に猫系獣人の子供。様々な人が行き交っている。
「すごいなぁ。まるで東京みたいだ。(にしてもどうやってここの長に会おうか?)」
悩んでいても名案は浮かばなかった。
(悩んでいてもしょうがない。とりあえず宿を取るために小物を売るか)
そうやって手に入れた内の銀貨1枚と銅貨5枚で宿を1部屋借りた。
(ただ、今日の分だけなので明日中に会えれば会いたいのだが。情報収集の為にファンタジー定番の呑み屋に行くか)
そうしてアドルフは呑み屋へと向かった。そうしてやって来たのは鉱山口近くにある呑み屋。仕事が終わった鉱夫達が賑やかに酒を飲み交わしている。カウンター席に向かおうとすると、
「おい兄ちゃん。旅人かい?酒の肴になんか面白い話聞かしてくれよ」
といかついドワーフ7人組グループが声をかけてきた。
「いえ違いますが、面白い話ならなんとか」
「そうかい、じゃあ頼んでも良いか?奢るから」
「ええその代わりこちらも聞きたい事があるんで良いですか?」
「構わんぞ。俺ならこの街について何でも答えられるだろうしな」
ガハハと豪快な笑い声が響く。
「そうなんですか。ですが、何でまた?」
「何て言ったって俺が一応この街の執政官の1人だからな」
(はぁ!?どんな偶然だよ)
「何でここにいるんですか?」
「そりゃ、簡単さ。ドワーフだからだよ」
(答えになってねーよ)
お金について、
今回出て来た貨幣はこの大陸で一般的に流通しているスリシア公国(通称:大陸貨幣)です。
価値は大体
(鉄貨 五十)
銅貨 百
(大銅貨 五百
銀貨 一千
金貨 一万
(白金貨 一千万)
()内は国によって存在
位の設定です。
あくまで草案のものですが、
購入金額
パン一斤=銅貨1枚
宿泊
下 一泊 銀貨1枚&大銅貨1枚
中 一泊 金貨1枚&銀貨2枚
高 一泊 金貨20枚
住宅(都市)
集合 金貨10枚
住宅(小) 金貨100枚
住宅(中) 金貨250枚
邸宅(中) 金貨750枚
邸宅(大) 白金貨2枚
ほどの価値だと思って下さい




