四話
だが問題はまだあった
キャッチャーがいないのだ
吉岡がキャッチャーになるとピッチャーゴロ 三振 ピッチャーフライ キャッチャーフライなどピッチャーキャッチャー以外に打球が行くとその時点でサヨナラだ
吉岡は熟考した結果 あるアイデアを思いついた
ライトの中野裕二ならできる
中野は 元相撲部だったが吉岡の何回もの説得で野球部に入った
身長185 体重130の巨漢だ
中野は水島新司の野球漫画を愛読していて野球は全然駄目だが能書きだけは一級品だった
吉岡の考えはこうだ
児玉の球はまず中野はとれないからプロテクターに当てて前に落とすのだ それを中野に伝えた
「吉岡ぁ~ なんで俺がドカベンの谷津吾朗みたいなことしなきゃなんねえんだよ 野球部だって嫌だったけどハンバーガー5個奢ってくれるって言うから入ってやったんだ だけどそんなのは絶対嫌だね」
吉岡は悩んだが ここは中野に頼むしかない
「中野頼む これで勝ったらハンバーガー10個奢るからさ」
中野は がんばれベアーズのエンゲルバーグ以上に ハンバーガーが大好物だ
「吉岡~っ マジかよ 約束だぞ 勝ったらハンバーガー10個マジで奢れよ」
「中野 俺が嘘をついたことあるか? 頼むぞ」
交渉は成立した