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十話
吉岡のまわりには山工ナイン ゼットハイスクールのベンチにいた全ての人間がいた
吉岡はフェンスに頭をぶつけて脳震盪をおこしていた
吉岡は担架に乗せられ 山工ナインはみんな心配そうに吉岡を見ている ゼットハイスクールナインも同じだ もはやもう敵も味方もない
児玉が心配そうに吉岡に顔を近づけると 吉岡は目を開けた
「吉岡~っ」
児玉は号泣して叫んだ 山工ナインもゼットハイスクールナインも全ての人間が涙を流していた
「こ、児玉…俺は…」
「吉岡~っ優勝したんだっ ゼットに勝ったぜ」
「そうか… みんな…ありがとう」
山工ナインのみんなは吉岡にみんな抱きついて泣いている
「みんなの…おかげだ…」
近くにいた中野が泣きながら吉岡に言った
「みんなじゃねぇ お前一人で勝ったようなもんだ」
「中野… 野球は9人で…やるんだぜ…」
吉岡は笑って中野に言った
そして あの時友と交わした固い約束を思い出した
ハンバーガー10個か…小遣い足りるかなぁ




