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全てが集まる異世界で  作者: トーマス
第1章 異世界体験入界
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第7話 対黒雷戦線:結成

「「サ、サラマンダー!?」」

ザークとリクが繰り返す。

「なんでそを早く言わねぇ?」

「俺たちとんでもないガキにケンカ売っちまったんじゃ……」

明らかに動揺していた。二人によると黒雷(ブラックサンダー)と同格かそれ以上のギルドで、ボスの脅しにも屈しない唯一のギルドらしい。基本的に対外的な出来事には無干渉を貫くギルドだが、ギルドメンバーが襲われた時は容赦のない報復をすることで有名なのだそうだ。加入には制限がなく、一時期は黒雷(ブラックサンダー)に壊滅させられたギルドのメンバーが避難所的に加入していたらしい。現在はそれを阻止するために黒雷(ブラックサンダー)側が手を回している。サラマンダ―にだけは手を出さないことが黒雷(ブラックサンダー)内でも暗黙の了解となっている。


「それなら俺いらないんじゃないか?」

「あいつらも言っておったであろう。我らは基本的に外で何が起きようと無干渉を貫いておる。今回は我が襲われてはいるが、何事もなかったわけじゃし限定的な支援しかできぬ。まぁサラマンダ―のメンバーは多い故協力者も探せるであろうが、戦力はお主とそこの不良共と我だけじゃろうな」

謎の古風な口調を崩さないレイだったが、そのおかげで勝てたしこちらにも無干渉で行こう。


「というか、お前戦えるのか?」

「その気になればあんな不良共倒せるわ」

「俺いらなかったの!?」

「そうなるの。溜めは長いが、強力なアビリティもあるしの。やられておったのは演技じゃ。ボコボコにやられて逃げ帰る滑稽な不良というのもおもしろいじゃろう?そんなことより今からサラマンダ―のホームに来てはくれぬか?バス代は出そう。そこの不良共もじゃ」

「お、俺らもかよ」

「なにもされないよな?」

「わからぬ。やりすぎないようには言っておくがな」

軽く悲鳴を上げる不良たちが少しかわいそうだった。


★ 所変わってサラマンダーのギルドホーム


俺達4人はそこそこ広い部屋に通されていた。春風とは違いビルをそのままホームにしたような感じだ。流石に町1つがホームというわけではないらしいが、それでもそれなりの広さの土地も所有しているらしい。

 さらに驚いたことに、レイはサラマンダーの幹部で《咆哮》の二つ名で通っているらしい。見た目は幼女で、本人も堂々と名乗りたがらないので顔も一般に知られていない。が、サラマンダーの《咆哮》といえばとんでもない破壊力のアビリティを持つことで有名だとか。逃げ帰ることもできずに消し炭になりそう。

 不良2人はレイの副官的立場にあるトミーという見た目優男に絞られていた。ニコニコしながら出していたあのオーラはコワイ、まじで。


「さて、ここに来てもらった目的じゃが、いい加減黒雷をどうにかしなければと前々から考えていての。ちょうど襲われたこの機会に本格的に動こうと思った次第じゃ。対黒雷戦線結成に協力してほしい」

「なんで俺達なんだ?そこの不良達は内部の工作員的役割で使えるが、俺はこの世界に来たばかりの素人だぞ?もっと使えるやつくらい山ほど居るはずだろ」

「たまたま居合わせたからじゃ。他意はない」

「はあ……」

誰でも良かったらしい。こうなっては断るに断れない。仕方なく参加することになってしまった。カノンにどう説明しよう?


とりあえず作戦の詳細は後日ということで一旦解散となった。作戦参加にあたっていくらか手当てをもらえたのでお金を稼ぐという目的とりあえず達成した。

「レイさんはああ言ってましたけど、たぶんあなたを選んだ理由、ありますよ」

「そうなのか?」

「もちろんそこに居たこともそうでしょうが、彼女はあなたと同じ世界出身らしいですよ。この世界暮らしが長いとなんとなくそんな空気は感じ取れるのです。地球でしたか、そこ出身は少ないですからね」

妙な親近感というやつか。あの少年が言うようにこの世界には全てが集まるらしいな。出身地とか含めて。俺からしたらトミーは宇宙人か、もっと言えば異世界人の可能性もあるわけだ。もっとも、このテロル自体異世界なわけだが。そんなこと今更気にしなくなったのは俺が意外にも高い適応力の持ち主だったということだろう。


ともかく、カノンへの言い訳を考えなければ。

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