第4話 ギルド名当てクイズ
あけましておめでとうございます
ちょうどこの話を投稿するときはお正月です
この小説で新年を迎えられた人がいればうれしいです
「じゃあ最初のヒントですっ」
そうカノンが元気よく始める。
「ヒント1、季節の名前が入ります。では1回目の回答をしてください」
当然それだけで分かるはずもなく
「えーっと……じゃあ、夏色」
と適当に言ってみる。
「残念!違いますっ。夏ではないのですが雰囲気はそんな感じですっ。ではヒント2、天候に関する文字も入ります。」
夏じゃない、天気に関する文字、夏色と似ている……
「春風」
「なななななんでわかったですか!?まだ2つ目ですよ?」
正解だったようで、わかりやすく動揺してやがる。よっぽど友達がほしかったか。
頭の中に始まった時のように文字が浮かんでくる
『決闘終了 勝者佐野祐樹』
どうやらこの世界は地球のゲームの世界と似通っている部分があり、情報ウィンドウが頭の中に浮かび上がる仕組みのようだ。
「仕方ありません、お昼ご飯はここで食べていってください。」
最初の元気はほとんど残っておらず、明らかに落胆している。さすがに幼女が落ち込んでいるのを見逃せるはずもなく尋ねる。
「おい、どうしてそんなに落ち込んでるんだ?」
「どうしても友達がほしくて……。このゲームなら私に有利だし勝てるかなーと」
「はぁ……。お前は決闘に頼らないと友達すら作れないのか」
実は俺も元の世界で友達などいなかったのでこんなこと言えたたちではないのだが。
「決闘で決まったことは絶対なのです。だから決闘で作った友達は絶対に裏切らないし離れたりしないのです。」
そういってさらに落ち込カノンは何か抱えるものがあるのだろうと今更ながらに気づく。友達になることをチップにした時点でわかってもよかったものを。幼女かわいいとか言っている場合ではなかった。そういわれると、ギルドホームにカノン以外の姿が見えない。何となく想像はつくが、尋ねた。
「ギルドメンバーはいないのか?」
「いないのです。ある日突然消えてしまったのです。ギルドマスターの権限はいつの間にか私に移ってました。」
カノンの話を要約すると、以前はそこそこの規模を持っていたギルド『春風』の前マスターを含めたメンバーはある日突然姿を消し、カノンはギルドマスターの権限と一人が数年は十分暮らしていけるだけの財産を手にしたのだという。しかし、財産も底を尽きかけ、なけなしの財産を決闘に賭けたのだが、ことごとく負け続けているらしい。そんな時、偶然俺がカノンを助け、藁にもすがる思いで俺にゲームを持ちかけてきたのだろう。最初のは空元気だったわけだ。そりゃ一人だと心細くて強がったり友達を求めたりするわな。
「重い話をしちゃってすいません。すぐにご飯の準備をしますね」
そういって去って行くカノンに元の元気は全く感じられなかった。代わりに目に涙を浮かべ、「もう生きていけないな……。」等とつぶやいていた。そんな背中を見て俺はある決断をするのだった。
ほとんど決闘の話じゃなくなっちゃいました(汗
次の展開丸わかりだと思いますが、感想等書いて今後ともお付き合いいただけたらと思います