第3話 初めての決闘
カノンに連れてこられたのは歩いて10分くらいの小さめの一軒家だった。赤い屋根と白い壁の石造りの家で、何ともこの街に似合った西洋風だった。
「私たちのギルドはちっさいですからホームも小さいのです。」
とカノンが説明する。何でも、この辺りは小規模ギルドが集まっているらしい。大型ギルドはそれこそ町一つ全てがギルドホームのようなものもあるのだとか。
「そうだ!いまから決闘をしませんかっ?初めてですよねっ?」
「確かに初めてだが、女の子と殴り合いをするのも……」
「違いますよー。確かにそういう決闘もありますけど、今回は私たちのギルド名当てクイズですっ」
決闘と書くくらいだから殴る蹴るの物騒なものかと思っていたがそうでもないらしい。
「それならいいんだが。チップはどうする?」
「今回はお試しですから大したものは賭けませんよっ。あなたが勝ったらお昼ご飯おごってあげます。負けたらお友達になってくださいっ。」
なんともかわいらしいチップだった。小学生っぽい見た目そのままの中身で安心する。俺はロリコンでは無いがな。
「それでいいぞ。ルールは?」
「ヒントを出しますので5回答以内に正解を出してくださいっ」
「わかった」
その言葉を承諾と見なしたのか頭の中に文字が浮かんでくる。
『決闘;ギルド名当てクイズを開始します』