第2話 出会い
あの少年は困っている女の子がいる方向を指さして消えた。アビリティカードもいつの間にか消えていた。ただ、何となく使い方がわかる気がする。さっそく使ってみたいという気持ちもあったが、むやみに使って他人に知られるのも避けたかったので早歩きで向かうことにした。
到着すると、犬のような生物に追いかけられている女の子がいた。見た目小学校高学年の女の子は悲鳴を上げている。犬が苦手なのだろうか。だが、追っているのはどう見てもチワワくらいの小型犬だ。見ていても面白かったのだが、恩を売っておくのも悪くないだろうということで助けることにする。
『電光石火』、そうつぶやくと体が軽くなる。同時に周囲が少しだけ遅くなる。そのまま女の子を抱え、犬を撒く。体感では陸上世界記録を軽く抜けそうな速度が出ていた。そして、そのスピードに女の子は目を回していた。
「ありがとうございますっ!」
そう元気よく話すのは俺が助けた女の子、改めカノンだ。
「突然犬に追いかけられてしまって……。犬は苦手なのに」
と思い出したのか涙目になっている。
「いいって。それよりこの世界について詳しく教えてくれないか?」
「こっちに来たばっかりの人ですか?いいですよー。立ち話もなんですし、私のホームに来ません?」
どうやらギルドホームに連れて行ってくれるようだ。