焔に包まれし少女
「ふぁ〜あ、よしっ、起きた〜!!」
「白翔さんうるさいですよ!!全くっ、早く出発の準備をしてください‼」
「もう起きてたのか、早いマリアは〜」
〜side???〜
白翔達がそんなほのぼのしている中外で二人の人物が佇んでいた。
「おい、お前。まだか?」
「ケケケッ、グリードの旦那が生け捕りしろって言ってただろ?だから律儀にまってんのさっ。おっとそうこう言っているうちに起きたな?じゃあ準備しますか」
「早くしろ」
「へいへい、じゃあいきまっせ!!『小さき大夜襲!!』」
「相変わらず気持ち悪いなお前は」
「まぁまぁそう言わずに。合図はあっしが出しますぜ旦那」
「早くしんか!!」
「へいへいっとオッケーですぜ旦那っ‼」
「ふんっ、行けっ『號為飛將‼』」
『小さき大夜襲』
ある人物が使ったとされる戦略。四つの組にわかれて夜襲を行う。この宝具で呼ばれた者たちは一切の攻撃が出来ないが罠、陽動など様々な行動をとれる。
『號為飛將』
ある人物の相手の将軍を一時退却させるために行ったとされる、戟を地面に刺しそれを弓で当てるという芸当。その一撃は戟を破壊し、『必中』の概念をもつ。
ドガァァァァン!!‼!!‼!!
〜side out〜
ドガァァァァン!!‼!!!!‼
「キャッ⁉」
「なっ⁉なんだ⁉」
そう言って二人は外へ駆けて行く。
「なん……だ…これ………」
空いた口が塞がらない正にその言葉が正しかった。そこには直径10mものクレーターがあったのだ。
「土遁『土壁‼』」
「ッ⁉白翔さん左に!!」
「ッ⁉クソッ!!」
二人で違う方向に逃げたのがミスだったのだ。二人は大きな壁で分断れてしまった。
「ヒャッホウ!!引っかかったぜ!!そんじゃあ旦那っ‼そっちはたのんましたぜ!!」
「ふんっ、さてどれだけたのしませてくれるかな?」
〜sideマリア〜
「白翔さん‼白翔さん!!」
どれだけ壁を叩いても白翔からの反応は無かった。
「おい、女」
「貴方は……悪魔サイドの人間……ですね?」
「ふんっそんなのどうでもいい、それより女、お前は強いか?」
男の後ろから急に現れた赤い馬に男は何事も無かったかの様に跨がった。
そしてその手に大きな戟を持ちこちらへ掛けてくる。
「なっ⁉早い!!」
マリアは咄嗟に鎧を装備し旗をもつ。
「ふんっ!!」ガツンッ‼
「キャッ⁉」
マリアは男の強烈な一撃を喰らいぶっ飛ぶがなんとか堪える。
「ほう、今のを防ぐ力はあるのかならばこれは、どうだっ‼」
「クッ!!ふっ‼」ガンッ‼ガキンッ!!
(やばいっ‼このままじゃジリ貧です‼あの宝具を使いたいけどこの距離じゃあ!!)
「おい‼女っ手抜いておるのかっ⁉怯えておるなら次で殺してやる‼」
そうして男は勢いをつけるために後ろにさがる。
(今だっ‼)
マリアは旗を開いた。
「来てっ‼『オルレアンの軍隊‼』」
『オルレアンの軍隊』
この宝具はジャンヌダルクが指揮そして鼓舞し続けた風の軍隊である。ジャンヌダルクが生前戦いがあれば旗を持ち敵に特攻し、旗を振り仲間を鼓舞していた際に、心をうたれた軍隊だ。『オルレアンの軍隊』はジャンヌダルクへの想いにより使用者の傷が多いほど力を増す。
その瞬間、50人もの馬に跨がった風の軍隊が現れる。
「っ‼面白い!!面白いぞ‼女っ‼」
「…………全軍突撃ぃ!!‼」
風の軍隊が駆ける。
この宝具の恐ろしいところは突進力だ。
それは距離があればあるほど増す。だが、
「女っ‼特別に俺の宝具を見せてやる!!『膂力過人‼』」
男の身体から赤いオーラが溢れ出す。
「行けっ‼赤兎馬っ‼正面突破だぁ!!」
距離が短いと……
「はぁぁぁぁ!!ぶっ飛べぇぇぇ‼」ボウッ!!
真価を発揮出来ない。
「なっ⁉」
『膂力過人』
ある人物の生前の肉体は、人の限界を越えていたと言う。この宝具は、使用者の肉体の限界を越えた力を得る。
「女、もうお前よく俺を楽しませてくれた。だからここで死ね」
「私はまだ死にません‼生きて!!白翔さんと一緒に愛香さんをさg」パァァァァン‼!!‼
空に黄色の煙がまう。
「むっ、あいつもう捕らえたのか」
「とら…えた?どう言うことですか⁉」
「ふんっ、あの男が俺の仲間に負けたってことだ」
「えっ⁉そ、そんなぁ……白翔…さんが?」
そう言ってマリアは俯いた。
「なんだ?おいっ女!!……なんだ、戦意喪失か……つまらんっ、一思いに殺してやる」
男がマリアに近寄る。
だがその瞬間。ゴゥッ‼!!
「なぁっ⁉」
マリアを紅蓮の焔が包み込む。
「白翔さん……すぐにそちらに行きます」
「はっ…ハハハッ‼女ぁぁぁ!!最高だよお前‼特別に俺の因子と最強の宝具を教えてやる!!」
「…どいてください……」
「俺の因子は呂布‼三国志の豪傑呂布だっ!!」
「……どけっ………!!『魔女狩りの焔に……
「そしてぇ‼宝具はこれっ‼『方天画げk」
包まれし少女!!』」
焔の一撃により男は灰も残さず消えた。
「ハァハァハァ……魔力が…もう……だけど白翔さんを助けなきゃ‼」
マリアは壁を迂回して白翔を捜しに行く。
『魔女狩りの焔に包まれし少女』
ジャンヌダルクの生前の最後の殺され方だ。
その焔は魔力を燃料とする。その焔から放たれる一撃は炎を溶かし、全てを消し、そして神の加護をも燃やす。だが自らの命すらもやす……。
『方天画戟』
呂布がある将軍から贈られた戟。
これを使い呂布は数多の裏切りをした。それによりこの戟は人間に対して、絶大な威力を誇る。