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十二の月

作者: rooky

去年よりも 一昨年よりも、これからも

もっと想い出 増やしていこうね。




ピンク色に彩られ始める4月。

太陽が隠れる時間、

君と 夜に咲く春の雪を見に行く。


5月、子供達と一緒に鬼ごっこして、

おもいっきりの笑顔の君を、ブランコから眺めてた。

なおさら愛しくて

頬を赤らめる、少しだけ。


通りを歩いたら、花嫁さんを見かけた。

純白の6月。

心に小さな痛みを感じながら、

私もなりたい って、手をつなぎながら、また歩く。


7月。

やけに外が雨の音にまみれた。

ケンカしちゃったからかな… 悲しい。

1人きりの部屋で、目を閉じて、胸に響くの。

悲しすぎて、私の心の中にも、雨の音、感じた。


夜空に大きな花が開く、8月。

海辺での小さな花火大会は、楽しすぎて、ヘトヘト‥。

終わったあとのドライブでは夢の中、 だけど、

右手から伝わってきたの。

大切に、思ってくれていること。


少し曇り空の9月は、それに負けずと、キレイな満月。

ベランダに方足のっけて、君は優しく見つめた。

私は、落ちないか、と少しだけ月をにらむ。

その優しい目線、ずるいから。


10月。

少し肌寒くて、体をおこす。

とっくに目覚める時間だけど、

薄暗い空のせいで、君は起きない。

いつも私より後に寝て、私より先に起きる君。

起こさなきゃ…

でも、もうちょっとだけ。キス。


雪がはらはらと、11月だね。

最近の君は忙しくて、

今日も1人、薄く氷のはった道を歩く。

帰り道に買うコーヒー。

今日は1つの缶で両手を暖めた。


街灯が眩しすぎる、12月。

1人きりなのは知っていたんだ。

白い冬空が、余計に体を寒くさせるけど

大丈夫、

君の体温がまだ残ってる。


1月、X'masも過ぎて、また1つ歳を重ねた世界。

何回もやっていること。

でも、気分が高まる。

今年の抱負は『料理上手になること』。

少しコゲたおもちを頬張って、心の中で誓った。


女の子の一大イベント、2月。

生きてきた数よりも1つ多く、落花生を口にしながら

今年はチョコケーキとトリュフ。

バレない様にして… 明日は、忙しくなる。


涙も笑顔もあふれる3月は、無性にこんぺいとうがほしくなる。

もう、風が少し暖かい。

体に、甘いカケラが入ってって、

代わりに涙が押し出される。

昨日、君に涙も笑顔もつまったネックレスをもらった。

White Dayのプレゼント。 最後の。


周りはおだやかな色に包まれる。

4月になった。

私の中は真っ白。わかっていたけど。

みんな新しい気持ちで、次の世界へと進むのに、

私の心は動かないまま。わかって、いるのに。

たった30日前に、君を卒業した。

その時から、私は変わることなく、

季節は私にしらんぷりで、変わってく。






あなたとの別れが、次の幸せへの一歩なんて

そんなにモノわかりよくはない。

そんな運命蹴散らして、もう一度、そばに。

わがままなんて言わないから、あなたの左側に。

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― 新着の感想 ―
[一言] 普段、こういうのを見ても泣きたくならないのに、泣きそうになってしまいました。俺の気持ちとシンクロしたから・・・?
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