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裏の顔

“イストユーリ”

危険地帯ユザーワを抜けた町だ。

国境が近い為、隣国ワーテルの文化が色濃い。

ホンジョルノに比べて色黒で陽気な人種が多い。

更に乾燥しているので白い家や白い服が目立つ。

酒より水が高い。


「この辺りの酒は強いから気をつけろ」


「実は酒自体、貧乏であまり飲んでいないんです」


「そうか‥まぁ慣れるさ」


輩を返り討ちにして戦利品を頂いた。

馬二頭の他、古い酒や装飾品などだ。

札も数枚残っていたがアランは取らなかった。


「やぁ店主、買取してるかい?」


町中で雑貨屋らしき店を見つけた。


「えぇ勿論だよ旦那、見せてみな?」


奪った品々を渡す。

「ヒヒッ!これくらいでどうですか旦那?」


「あぁ結構だ」


「毎度あり!!」


黙って着いていくがあまり良い気分では無かった。


酒場についてカウンターに腰掛ける。

「初の実戦祝いだ」


「いただきます‥」


小さいグラスに濁りの強い酒が注がれる。

強いと警告されたが構わず飲む。


「グホッ‥クッ‥」

頭と鼻先にツーンとくるが堪える。


「フッ‥なかなかいけるな‥」


クリーフがカウンターにボロボロの札を数枚置いた。よく見ると血がついている‥


分かってはいるが、善人が頭から抜け切れないアランは黙ってもう一杯あおる。


「おい気をつけろよ‥」


「ヒグッ‥えぇ分かってますよ」


そんな時、店にヤバそうな男が入ってきた。


「おやおや‥誰かと思えばクリーフじゃね〜か?」


「なんだワイルド‥」


「若い仲間も連れて殺しでもやろってのかい?」


アランは初耳だった‥

賞金稼ぎか何かだと思っていたが、犯罪者‥?

まだ分からない‥


「オメェも十年前は悪さしたもんだよな〜」


「もういいだろう‥」


初めてクリーフの顔に余裕が無くなった‥


「ま、臭い飯くらって少しは丸くなったみたいな」


ワイルドという男は酒瓶をあおってから退店した。



「‥‥‥」


「‥‥‥」


グラスのぶつかる音や客の笑い声が響く。

カウンターは静かだ。


「クリーフさん‥」


「‥なんだ?‥」


「あの話、本当に‥」


「あぁ‥私は悪党だ‥殺して犯して捕まった‥」


「‥‥」


「‥」


「俺はあなたに世話して貰っています‥だから」


「‥」


「これからもよろしくお願いします‥」


「フッ‥後悔するなよ、アラン‥」


それからは静かに強い酒をあおった。


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