運命
カポ‥カポ‥カポ‥
馬に乗って一人の男がサガータに入る。
時刻は昼過ぎだ。
テンガロンハットに灰色の洒落た服を着ている。
一際目立つのが鋭い眼光とギラギラ光るガンベルトだ。年齢は50ぐらいだろう。
仕事を終えたアランは馬小屋から出てぶらつくところだった。
「おじさん、こんにちは〜」
「やぁ‥良い天気だな‥」
渋さと威圧感がありながら言葉遣いは普通だ。
「青年、頼みがある。私はこの町にはじめて来た」
「何でも言って下さい」
稼ぐチャンスがやって来た!
「馬を小屋に繋いで上等な宿屋を紹介してくれたら小遣いをやろう」
「喜んで!」
アランははやる気持ちを抑えて小屋に向かった。
「おじさん!次は宿屋だよ」
「クリーフだ」
「えぇ‥クリーフさん」
「君の名は?」
「アランです」
「そうか‥苗字は無いのか?」
「あー‥親父を知らないですし、母さんは死んでしまいましたからね‥」
「君のお母さんの苗字は?」
「確かグラフです‥」
「今日から君はアラン・グラフだ」
何となくクリーフという男と馬が合う気がして来た。
それから二人は酒場へ向かった。
クリーフだけが先行して店内へ入った。
アランは玄関前で躊躇っている。
「どうしたアラン?入れ」
「いやその〜‥」
「何しに来たアラン!!」
酒場の店主が出て来てアランを追い出そうとする。
「やめないか、彼は私の客だ」
「お客さん!アイツはどこの馬の骨かも分からないガキですよ!」
「関係ない」
「そうは行きませんよ!!」
店主とクリーフが争っているのを他の客が良く思わなかった。
「なぁ旅人‥まとめて追い出されたいか?」
酒に酔ったガタイの良い男は鼻を赤くしながらガンベルトに手をかけた。
「おい‥引き返すなら今だぞ?」
クリーフは静かに警告した。
「やってみなジジィ!!」
瞬間、クリーフの右手にはピストルが握られていた!
ズギューン!!
「ウオッ!!」
たった一撃で男は倒れた。
手にはピストルが握られていた。
「貴様!なんて事を!!」
「奴の手を見ろ、正当防衛だ‥」
「くっ‥!!」
怒りの矛先がアランに向けられた。
「お前は疫病神だ!」
「なっ!」
色々な事が起こりすぎてパニックになる。
「アラン、場所を変えよう。この店は空気が悪い」
クリーフはアランを連れて店を出た。




