別れ
ヤゴーテの最果てに来た。
“ヤゴーテ保安官事務所”
馬は三頭連れてきた。アラン、クリーフそしてヨジューキ‥
「ほほう‥町の荒くれ者を片付けるとはね!‥ほれ、約束の金だ‥」
感心しつつも自分の年収より高い金を他人に渡すのを快く思わない保安官。
「頂戴します‥」
「やったなアラン‥」
「えぇ‥あなたのおかげです」
二人のやり取りに苛立ちを見せる保安官。
「私にも分けてもらいたいね〜‥」
クリーフが帰り際に放った。
「保安官に必要なのは法律を守る事、正義、そして勇気を出す事じゃないかね?」
尤もな事を言われて閉口する保安官。
バリッ!
左胸に光る保安官バッチをクリーフはもぎ取った。
「おい君!!」
無視して二人は事務所を出た。
通りすがりのおっさんに話しかける。
「この町はバッチの付け替えからやらなきゃいけないな‥そう思わないか?」
クリーフは一方的にバッチを押し付けてその場を去る。アランも後からついて行く。
「探せば見つかるさ、おじさん!」
久々に和かな顔をして去る。
途中野宿をしてから目覚める。
冷えた朝に熱々のコーヒーを胃にぶち込む。
苦い、もう一杯!
「髭を剃ったら出発だ」
「はい!」
技術と自信をつけた“狼”は“主人”についてまわる。
暫く馬を走らせた。
不意にクリーフが止まった‥
「最後の教訓、殺したら元には戻れない‥君は一人で行きなさい‥」
「な、何言ってるんですか?支払いはまだだし、右腕になるのが条件でしょう?」
動揺するアラン‥
「老人の気まぐれさ‥次に会う時はきっと敵だろうね‥」
はじめに会った時の威圧感が復活した。
「‥じゃあ‥」
「そういう事だ‥健闘を祈る!」
ヤァー!!ヤァー!!と声をあげてクリーフが去る。
馬上の男は振り返る事も無く消えて行った‥
アランは黙って見ていた‥
ガンマン五ヶ条
一、信じられるのは己のみ
ニ、必ず仕留めろ
三、銃と的の間に立つな
四、危険な時ほどよく狙え
五、殺したら元には戻れない




