恐怖と勇気と初戦闘
おにくと申します(。ᵕᴗᵕ。)
自分で課した〆切に追われるという馬鹿です( ᐛ )
まぁ間に合ったしセーフ!
俺の修行が始まった。
弟子の朝は、思ったより遅かった。
というより師匠が遅い。遅すぎる。
俺は太陽が真上にいる頃に起きたのに対し、師匠は空が山吹色に染まった頃に目を覚ました。
「師匠、朝弱すぎないか?」
「……だって、眠いんだもん」
「そんな子供みたいな……」
俺は呆れた声を出し、朝ごはんか昼ごはんか、ましてや夜ごはんかもわからない食事を食卓に並べた。
「君、料理ができるの!」
「少しだけど、料理自体は好きなので」
と言っても、この世界の食料は見たことないものばかりで何回か失敗したけど。
俺はキラー・ブルという牛のような見た目らしい魔物の肉を頬張り、なかなかの出来だと心の中で自画自賛をした。
「美味しい、美味しいよ!私の好みの味付けだ!」
「それはよかった」
師匠は口の中に次々と食べ物を流し込んだ。
その豪快な食べっぷりは見ていて清々しい。
作った身としてはとても嬉しかった。
「ふぅ、お腹も膨れたし修行を始めるとしましょうか!」
「はい、よろしくお願いします!」
師匠と俺は森に出ていた。
辺りは少し暗く、視界が悪い。
「まずは君の戦い方が見たい。好きに戦ってみて」
「え、戦い方なんてわかりませんよ?」
俺は戦いなんて無縁の生活を送ってきた。
というか、大体の人がそうだろう。
「大丈夫。本能のままに動ければ十分だから」
よくわからないが、師匠が言うのであればそうするしかない。
「とりあえずここで一番雑魚の……あいつ。ビッグ・ベアだ」
"ビッグ・ベア"
大きなクマのような魔物。
とても雑魚には見えないほどの威圧感だ。
一目見た瞬間、異世界の厳しさを俺は悟った。
俺の足はもう自分のモノではないかのように動かない。
怖い。怖い。怖い。
「あいつは図体がデカいだけでスピードは遅い。しっかり動きを見れば、まず攻撃は当たらない」
「は、はいわかりました」
頭では理解をしても、身体が言うことを聞かない。
どんどん周りの音が薄くなっていき、極限まではやくなった心臓の鼓動だけが頭に響く。
血が駆け巡り、身体中が痛い。
(俺はまだ、弱いままだってのか……)
「君、しっかり!」
力強い声が聞こえ、意識は徐々に落ち着きを取り戻す。
「師、匠……」
「そんなに怖がらなくていい。過度な恐怖を覚えたまま剣を握ればその剣も恐怖し、動かなくなってしまう」
師匠の声を聞いていると、なぜか落ち着く。
「この世界は恐怖を恐怖のままにして生きていけるほど甘くはない。その恐怖を、勇気に変えるの」
「恐怖を、勇気に……」
そうだ。俺に足りなかったものはそれだ。
"恐怖を勇気に"
もう、昔の俺じゃない。
「ありがとう師匠。俺、もう大丈夫。」
「……っ!うん、行ってらっしゃい!」
「俺はお前に、立ち向かう!」
どうでしたか?
やっぱり異世界系は最初のバトルが見どころの一つですよね!
どんなバトルになるかなぁ(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク
次回もお楽しみに!