表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セイギとギセイと勇者パーティ  作者: おにく
勇者パーティ結成編
16/30

森を抜けてスタートラインへ

おにくと申します(*>∀<)ノ♪

新章開幕!

 師匠たちと別れて約二日。森を抜け王都への道を歩いていた。

 森を抜けてから景色が変わらない。平和だ。

 何も無ければもう二日で王都に着けるだろう。

『それフラグにしか聞こえないんですけど』

 その時、大きな音と衝撃が平原全体を揺らした。

「おいおい、まじでフラグかよ……」

『ほらぁ君がそんなこと言うからぁ!』

 ここまで大規模な爆発を見て見ぬふりなんてできない。俺は煙が上がっている場所まで全力ダッシュをした。

 そこにはボロボロの馬車と人、それを取り囲むように陣を組むオオカミ型の魔物がいた。

 武器を持っている冒険者のような人もいるが、明らかに劣勢だ。

「あーくそ!お決まりの展開じゃねぇか!」

 俺は剣を構えた。そして身体強化を使い、勢いよく地を蹴った。

 魔物は俺に気付かないままだ。回避なんてできるわけもなく魔物の陣は崩れた。

 魔物のリーダーのような大きいオオカミがそれに気付き、群れは撤退していった。

「た、助けていただいてありがとうっす!」

 盗賊のような格好の少女が俺をいち早く見つけて感謝を伝えた。

 はやく片付けて去ろうと思っていたが、これは逃げれなさそうだ。

「俺からも礼を言わせてくれ。俺たちだけでは危なかった、ありがとう」

「僕からも。ありがとう、旅人」

 やたら図体がでかい戦士、ボクっ娘魔法使い。次々と冒険者たちが出てくる。これは長くなりそうだ。

「どうも。じゃあ俺はこれで」

「待ってくださいっす!あなたにはお礼がしたいっす」

 やっぱりこうなると思っていた。

「いやでも俺、はやく王都に行きたいから」

「私たちも王都に向かってるっす。馬車があるからあなたも乗せていけるっす」

「でもさっき馬車は壊れてたが?」

 馬はまだ動けるようだが、荷台が壊れてしまっている。これでは乗れない。

「大丈夫大丈夫。僕が簡単な荷台を作るよ」

 そう言うとボクっ娘魔法使いは壊れた荷台に向かって杖を向けて。

「"カミノテ"――クラフト」

 すると散らばっていた木の破片が集まっていき、少し大きめの荷台を形成した。

 これが魔法、初めて見た。

『一般的な魔法は魔力があれば、後はトリガーとなる文字列を組むだけで発動するから、君も使えるはずだよ。後で試してみたら?』

 それは試す価値ありだ。択が増えれば戦闘を有利に進めることができる。何より俺も使ってみたい。

『欲望に忠実だねぇ』

「ということで、これでどうっすか!」

「わかったわかった。ありがたく乗せてもらうよ」

 ここまでやられては断る理由が見つからない。しかたなく俺はこのパーティに同行することにした。


「私はシェルン。ちびですばしっこい短刀使いっす」

「俺はギャラだ。このパーティのタンクをやっている」

「僕はウィンディ。魔法が得意だよ〜」

 丁寧に自己紹介されてしまった。これはしなきゃいけない流れか。

「俺はマサヨシ。えっと、旅人だ」

 こういう挨拶を用意していなかった。失敗した。

『大スベリしてるじゃん、あはは!入学式の日に自己紹介する陰キャかよ!www』

 うるせぇな……こういうのには慣れてないんだ。前世もそうだった。

「よろしくっす。マサヨシさん強かったっすね。ランクはどれくらいっすか?」

「実はまだ冒険者登録をしてなくてな。冒険者になるために王都に向かってるんだ」

「そうだったんすね〜だから知らなかったのか……」

「知らなかった?」

「ああいや、えっと……」

「ランクが高い冒険者は有名になるんだ。なんてったって最高ランクの10に行ってる冒険者はまだ二人、9だって十人くらいだからな」

 ギャラが補足説明をしてくれた。なるほど、ランクはそう簡単に上がらないらしい。

「フレイ師匠はやっぱり凄い人だったのか」

「フレイ様をご存知なのですか!?」

 シェルンが師匠の名前を聞いた瞬間前のめりになって尋ねてきた。

「フレイ師匠は俺の師匠だけど……」

「なるほど、ですからそんなにお強いのですね!納得です!フレイ様は今どこに居られるかご存知ですか?あの方はお元気なのでしょうか?」

 シェルンはものすごく興奮してる様子だった。いや、焦っているのか?

「師匠はあそこの森の奥にある木の家で元気に過ごしてるよ」

「ほっ、よかった……」

 シェルンは胸を撫で下ろし、落ち着きを取り戻した。

「それにしてもシェルン、喋り方が……」

「えっ?あっ……な、なんのことっすか?」

 これ以上踏み込んだらダメなやつか。明らかに誤魔化そうとしている。それなら黙っておこう。

 そっとギャラとウィンディを見ると、ギャラは呆れたような顔を、ウィンディは必死に笑いを堪えていた。

 シェルンは顔を真っ赤にしてうずくまってしまった。

『マサヨシが女の子泣かした~いけないんだ〜』

 これ俺が悪いのか……?

 俺は不安になった。そんな俺の気持ちとは裏腹に心地よい風が俺の肌を撫でた。

「マサヨシ、見えたぞ。あれが王都だ」

 ギャラが指さした方向へ目を向けた。そこには巨大な壁に囲まれた大きな街があった。壁の内側と外側では雰囲気が全く異なり、別の世界だと思えるほどだ。

「あれが、王都……」

 胸の高鳴りが抑えられない。フィクションみたいだ。そのフィクションが今は手を伸ばせば届く距離にある。

 ここが新たな旅のスタートラインだ。

どうでしたか?

新しい旅のスタートはやっぱり心躍るものがいいですよね!

次回は王都の中へ!お楽しみに!(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ