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最低なケモノと共に。  作者: 水浦奈介
【Prologue】
1/15

どうすれば、ココロのケモノと共生できたのか──

はじめまして!

拙作をご覧いただきありがとうございます!


水浦奈介みずうらだいすけと申します。

これは、実際に起きた出来事を小説化しています。

あなたは、この嘘と後悔に耐えられますか──?


それでは、楽しんでください!

 ──従妹(いとこ)日間(にちま)奈波(ななみ)が来月、結婚する。


 俺がそのことを知ったのは、友好な関係を(きず)いていれば、本来は二ヶ月前に届くはずの結婚式の招待状──ではなく、一人暮らしを初めてからもなにかと俺のことを気にかけてくれていた兄からの一本の電話だった。


『──ナナちゃんが七月に結婚式あげるってよ。その前祝いを今度、ばあちゃんちでやるからよ。お前も顔だせや』


 そう言われ、俺は今日、前祝いの日に朝早くしぶしぶ布団から抜け出した。これは結婚式の二週間前のことである。


 普段なら、この時間は寝ている──普通の二十六歳ならもうとっくに出勤している時間──が、今日はそうはいかない。


 ぱんぱんに入っていて内容物不明の微かな汚臭が漂うごみ袋たち。数ヵ月間、一度も開けていないカーテン。見てみぬふり、聞いてきかないふりをしているかさこそと壁やほこりまみれの床を〝なにか〟が()う音。


 今の俺の現状、それは社会不適合者(ニート)


 やっていた仕事はそれを聞いてからやる気がでず、働いていた会社をほぼ無断同然で辞め、貯めていた貯金で毎月の家賃と格安のスマホの通信費用を払う日々。


 毎日毎日、夕方に起きてひと昔前のゲームやソシャゲを飽きるまでやり尽くして、日が昇れば眠る。


 そんな生きているか死んでいるか分からない生活を送っていた。


 しかし、兄からのこの電話があってから、良いことも悪いことも起きた。


 停滞し続けていた俺の人生が変わった。


 年相応に見えるであろう服に着替えた俺は、なけなしの金を持って、買い物以外で数ヶ月ぶりにマンションの外にでた。


 くらくらしそうな夏の暑さにいつしかの日のことを思い出す。


 誰もが寝静まった寝室。寝苦しい熱気は俺を暴走させた。


 十一年前の異性の気づき。そして、九年前の出来事。俺と奈波だけが知っているであろう欲望の物語。


 痛みに耐える表情と流れ落ちる涙。荒い息遣いは俺か彼女か。


 ──もし、欲望がなければ俺は幸せで生きてられたのか。


 そんなことを考えながら、俺は幼い頃から十八歳になるまで誕生日が来ると行っていた町に向かう。


 新幹線での三時間、その小さな旅の途中に、俺は従妹との日常を取り戻していた。

いかがでしたか?

毎日投稿ですので、明日もご覧いただけると嬉しいです。

それでは、また!

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