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9話 銀鶏のコケッコッコ―ザ

ワープポイントに辿り着いた3人は、まず初めにメルンビルクのワープポイントを登録を行った。


「ん?これどうやって登録するの?」


小盛は不思議そうに質問した。


「あー。それはただ踏むだけで大丈夫よ。勝手に登録されるから。もし、ワープを利用したい時は、行きたい場所のワープポイントを念じれば飛んでるわ。」

「便利だなぁ~…。」


 小盛は、体感したことない世界観に恐れ入った。

 まぁ、異世界だの武器だの魔法だのワープだの『常識ではないことが、常識である』この世界に順応しないとやっていけない訳だし。細かいこと気にしてたら生きていけないよな。うん。異世界って何処なんじゃいって話。


「さて、ワープポイントも済ました訳ですので、お外へ出ます!」


 銀鶏は何やら張り切りながら、小盛と唯をヤムオカ平原(1)へ連れ出した。城門を出て、少し北へ歩き、ピヨピヨスライムがヨチヨチと歩いてる所で、銀鶏は止まった。


「ここから、少し冒険に行くんだけども、あなた達はレベルが低い。戦闘方法もわからず、システムについてもわかっていません。ですので、私の講義を少しだけ始めます。パチパチ」


 何やらいきなり銀鶏チュートリアルが始まったようだ。


「はいっ。拍手!」

「パチパチ~」


 唯は眼を輝かせながら拍手をした。


「ゴホン。ご存知のように、どうやら、この世界はオンラインゲーム<ワールドオブエンド>の模範された異世界っぽいような所の様です」


 異世界っぽいような所って何処だよ!異世界でしょ!


「ですので、この異世界ではレベルって言うものが存在し、魔法や技を駆使してモンスターを退治することも可能なのです。ですが、最初は使い方もわからず、何を覚えてるのかも一切わかりません。では、どうするのか? それは、『システムコールスキル』と唱えるのです。一度やって御覧なさい」

「は、はぁ…」


 小盛は「この人何語喋ってるのか?」と思いながら小言で唱えた。


「システムコール…スキル…」


 すると、まるで超高性能コンタクトレンズのVRゴーグルをつけたかのように、裸眼で目の丁度いい距離で電子的モニターが目の前に現れた。そこには、スキル一覧がずらりと並んでいた。


「うわぁっ。これは凄い!!」

「ひぇぇぇぇぇ。気持ち悪いです~~~」


「まぁ、AR技術みたいなものね。なんでこういうことが出来るのかわからないけども、宇宙の法則なんじゃない。そこは置いといて、さっさと順応しなさい。操作方法は、その浮き上がってるモニターを指でフリックして動かしたり、タップして取得することも可能だけども、脳内で意識的にイメージしたら動くわよ」


 「動くわよ」じゃないわよ。こんなの…イメージして動かすことがイメージ出来ない。慣れが必要かな。今はそれより、どんなスキルがあるのか確認だ。ふむふむ…ゲーム当初と変わらない感じだな。知識豊富がやっと役に立つ時が来る。


「ふっふっふっふっふ」


 小盛は、一人巧笑いをしながらニヤついていた。


「何よ。変なとこ見てニヤついて気持ち悪いわね……」

「は~~い。全然わかりませ~~~~~~ん。」


 唯は訳も分からず、人差し指をブンブン振り回していた。


「そんなことしたら、誤動作して無駄スキル取っちゃうわよ。スキルポイント確認しなさい」

「0ptになってます……」

「ほらっ御覧なさい。言わんこっちゃない」


 銀鶏は飽れた顔でため息を吐いた。


「こもりんは大丈夫よね。経験者……ゴホン……廃人だしね」

「なんで、わざわざ言いかえたの?」


っと銀鶏にツッコミを入れながらも、ちゃっかりレベル5分のスキル振りは完了した。何をとったかはお楽しみ~♪ 決して、5つのスキル内容を考えてないとかではない。断じてだ!!!


「適当でいいわよ~どうせレベル5だし。次に戦闘スタイルだけども、こもりんはゲーム内のトップランカーの時は、何をしていたの?」

「色々かな…強いて言えば全部」


「何それ…キモ…っというか、それだと器用貧乏になってトップランカーとか廃人とか呼ばれないよ。システム的にもジリ貧になってきついんじゃないの?もしかして、自称を促してた詐欺師とか?」


 言いたい放題言うな…。師匠とは、最初の頃、お世話になったのだが、自分でギルドを立ち上げる時に、価値観の違いで離れ離れになり、こうやって話す機会すらなくなったから、その後のことは知らないんだなぁ。


「確かに普通のプレイヤーだと色を好む、器用貧乏マンになってしまって、PTを組んでも火力不足だったり、知力を振り絞って小技や回復もするけども、効果が少なく『いらん子ちゃん』になってしまうんだけども、私は『ワールドアイテム全30個所持』してたから、それが底上げになってオールラウンダーになった感じなのかな」


「うわっ。キモ……もしかして、自慢?はい~出ましたよ~。元廃人の武勇伝~あ~~~聞きたくな~い。」

「さっきからキモ…キモ…言うな~!!武勇伝なんか言ってないでしょ~~!」


 小盛は感情的になり、手を振り回したり、地面を踏みつけて暴れまわる。


「ワールドアイテム?」


唯ちゃんは、チンプンカンプンな顔で小盛を見た。


「まぁ…世界に1つしかないアイテム30個持ってたってことだね。1つなのに30個持ってるっておかしい言い方だよね。30種類持ってたってことかな。まさにフルコンプ!」

「ほへぇ~。凄いのかよくわからないんですけども、国宝を30個も持ってた欲張りさんだったんですね!」


 唯ちゃんまで、心のダイレクトアタックを使用してくる。私が一体何をしたというの!やはりアレか!贅沢する者は妬まれる心理があるのか。くぅー!黙っておけばよかったかな。

 故に私は、世界に1つしかないワールドアイテムを使い、尋常じゃない力を手に入れたのだ。だが今、私の手には1つも所持いていない。ワールドアイテムの1つ<<封じられた禁断な禁固>>の権能で、全てのワールドアイテムの所有者は、私で残っているはず。

 そのアイテム達を探すのが、私の第一目標なのである。

 何回も言うが、その禁固の権能で所有者は、私のままで残っている…はず。フラグとかいりませんよ…。

 

 補足だが、ワールドアイテムは全30個で『全所持』だった。

 世界最強アイテムって感じるかも知れないが、ワールドオブエンドのランク付けで言うと、上から3番目だ。1番と2番のシリーズもある。だが、そのシリーズは強力な能力と代償に、デメリット効果があったので、私はあまり好まなかった。


「はいはい~。過去の賞賛はそこまで~~~。今は今。次に所持武器を見ていきましょう。構えてみて」


銀鶏は何かをぶった斬るかのように、手を叩き、現状の戦闘スタイルを洗い出した。

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