第5話
言い忘れていた私の推しの名前は〖リアム・アレティア〗という。
悪役令嬢のエミリアの幼少期の頃からの従者で、十六歳。
見た目は完全に悪魔的な美しさの美青年。人外のような美しさと色気を持ち、ゲーム中一番の妖艶さを持っている。
もう見た目がチートって言っても過言じゃない。他の部分もとことんチートなんだけどね…。
見た目は、濡れたような艶やかな漆黒の髪と老若問わず彼の瞳を見た女性全ての心を奪って離さないような漆黒の瞳。見てわかる通り闇属性。
本格的に彼のヤンデレルートに入ると、血に染まりどろりと蕩けるような紅い瞳になったスチルを見た時は一日中悶絶した。
そして何よりイチオシポイントは、攻略対象の中で随一のヤンデレ属性だということ!
何を隠そう、ミスプリは数多ある乙女ゲームいちのヤンデレの宝庫なゲームである。
攻略対象全員がヤンデレ属性。だけどリアムはヤンデレ度も執着度も末期中の末期の生粋のヤンデレ。彼のルートにだけ流血表現が出てくるので、ゲームはR15に設定されていた。
そのルートを選ぶ人は、リアムのためなら何でも許せる奇人しかいない、なんてネットで言われていたけど、実際そうだと思う。
大抵の人はとことんなヤンデレよりも割とあっさりめのヤンデレを選ぶけど、こんなにも綺麗な人に愛されるならなんだっていいや…と思ってしまう。
二次元と三次元はもちろん分けてるし同じだなんて思ってないし、こんな平凡を極めてる私だからありえないけど、彼みたいに自分だけを一途に愛してくれる人が現れてくれないかなぁなんてリアムを見る度に思っていた。
といっても、そんな思いという名の願いが平凡に16年生きてきて突然叶えられるだなんて思ってもみなかったけど。




