第3話
「ぬぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
叫び声と共にはっと目を覚ますと、最初に目に飛び込んできたのは恐らく私の叫び声のせいで床にへたりこんでしまった可愛いらしいメイドさんの姿。
…えっメイド?
えっどうい…?コスプレ…?
人は驚きすぎると冷静になるらしい。
あたりを見回してみると、自分の部屋の五倍以上はありそうなだだっ広い部屋にあるひらひらが沢山付いたキングサイズの豪華なベッドに私は座っていることがわかった。
漫画やら私のやっていたゲームやらでしか見たことの無いような貴族のベッドみたいだ。
というかまって、私が最後に見たのはあの暗闇だけど?
一体全体なにをどうしたらこうなる?
床にへたりこみつつ目をかっ開いてこちらを呆然と見ているメイドさんに助けを求めるようにじっと見つめ返してみる。
夢にしてもドッキリにしてもあまりにも意識がはっきりしすぎているし疑問しかないけどとりあえず一言。
「ここどこ?」
「旦那様奥様目を覚まされたお嬢様がご乱心ですぅぅぅ!!!!!」
なにやら叫び声を撒き散らしながらドアから飛び出して行ったメイドさんの声のせいで、冷静だった頭がメイドさんに釣られて慌て始める。
本当にここはどこ?お嬢様って何?
何かを思い出そうとするように脳ががんがんと痛み始めた。
先程の会話(?)らしきもので幾分か覚醒した痛みを訴える頭を両手でおさえながら改めて周りを見てみると何だか見覚えが気がする。
なんだっけなんだっけ‥と酷くなる頭痛を耐えながら思い出そうとするけどあと一歩で届きそうなのに思い出せない。
ふと横を見てみるとベッドの近くに鏡があることに気づき、近づいて見てみた。
そこには緋色の髪と瞳の超絶美少女が映っていた。
「え…」
その少女を見た瞬間、津波のような情報量が頭の中に流れ込んできた。呼吸もできないほどの激しい頭痛に耐えきれず、私は豪華なベッドに倒れ込み再び意識を手放したのだった。