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第2話
『~駅、~駅』
「ん‥」
『~駅、終点です』
「えっ?」
終点?私の家のある駅は終点じゃないのにどういうこと?
『~駅です。最後までご利用頂きありがとうございました。この電車はーーー』
「え?!?!」
初めて聞く駅名を聞いて脳が一気に覚醒する。
目を開けるとあんなに明るかった外が薄暗くなっていた。
慌てて周りを見回しても乗った時と同じように人がいない。アナウンス以外のなんの物音もしないし外が薄暗いせいで乗った時には感じなかった不気味さを感じて一気に鳥肌が立った。
非日常を渇望しているとはいえ、こういう系の非日常は断然ノーサンキューだ。
「とりあえず降りよう!」
急いで立ち上がって電車の外に出ようと片足を出したら、
そこには地面がなかった。
「え、」
慌てて足を引っ込めようとしたけど、急に体が動かなくなって、そして、
後ろからどん、っと背中を押されて、私は、
「ひぇぇぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
女子らしさの欠けらも無い何とも情けない奇声を上げて電車の外に全身を投げ出し、一気に視界が真っ暗に染まってーーーーー