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6話 異変

 うちの学校の見学の前に、なんとか不思議そうな顔をするアユちゃんを説得して学校に来たときに自分に対してあまり話しかけないようにさせることに成功した。


 こうしておけば当日意味のないトラブルが起きることもないだろう。



 そして当日。



「はい、今日は事前に話していた通り近所の小学生達が学校見学にやってきます。」


「せんせー、ほんとに俺らが小学生達を案内すんの?」


「ええそうですが、何か問題がありましたか?」



 朝のHRで話す担任に一人の生徒がけだるそうに質問をする。

 余談だが、俺のイジメ(笑)の事を我らが担任はご存じない。 本当に余談だが。



「だってかったるいじゃん子供の相手すんの。」


「もうっ、そんな事言わないできちんと相手してあげて?」



 担任はそいつの言葉を冗談だと受け取ったみたいだが実際はどうだろうな?


 なにせ今発言したのは俺をイジメてるクラスメイトのリーダー格だからな。

 イジメをするやつなんてどうしようもないクズだろ?




 そんな一幕はあったがいつも通りつつがなくHRは終わり担任は小学生を迎えに教室を出ていった。



「ったく、なんで俺がガキの相手なんかしなきゃなんねぇんだよ。」


「ホントダリィな。暇つぶしに雑魚で遊んでようぜ。」


「くくっ、そうだな。」



 さっき発言したやつが仲間を連れて俺の席までやってくる。

 ま、案の定クズだったな。



「おい雑魚ちゃんさっさと立てよ。」


「そうそう、俺らの暇つぶしに付き合わせてやるよ。」


「ひっ、な、何するの?」


「簡単簡単、俺らにボコられてれば良いの。」



 まぁその後はいつも通り殴られ蹴られたが割愛する。

 いくらなんとも無くても人が暴力を振るわれている様子と言うのは気分が良く無いからな。



「はいはい、みんな席に着いてー?」


「やべっ、戻んなきゃ。」


「よかったな終わって。」



 担任が戻るのと同時に奴らも席に戻って行く。


 全く、制服に埃がつくから程々にしてもらいたいもんだ。



「でわっ!小学生の皆さんに入ってきてもらいますよー。」


『はーい。』


「皆さんは一人につき一人一緒に行動してもらいます。どんな子と行動するかはこの後決めましょう。」



 その言葉と共に担任は教師のドアを開く。



『おにーさん!おねーさん!よろしくおねがいしますっ!』



 大きな挨拶をしながら小学生達が入ってくる。

 その中にはやはり歩ちゃんがいた。



「はーい、それでは順番におにーさんおねーさんの所に行ってくださいね。」


『はーい!』



 小学校の先生らしき女性が声をかけると小学生達はそれぞれクラスの連中の横につく。

 どうやら事前に決めていた順番で一人ずつペアが作られるらしい。



「で、ペアになっちゃった訳か。」


「うん!」



 わぁいい返事。


 この会話でお察しの通り、俺のペアは歩ちゃんだった。



「これなら話しかけても大丈夫だよねカイトお兄ちゃん?」


「うん、まぁそうだね。」


 俺が微妙な顔をしていると耳元で歩ちゃんは言う。

 どうやら俺の交渉に納得していなかったようだ。


「もしかして狙った?」


「うん、お姉ちゃんがたまに学校の話をするから。」


「ああ、席の場所聞いてたのか。」


「ううん?……ああ、違うよお兄ちゃん。」


「?…鈴に席順聞いて狙ったんじゃ無いのか?」


「そんなの聞かなくても会話からのだんぺんてきなじょーほーからなんとなくわかるよ?」


「………」



 ちょっと怖いかな。






「皆さんはミニゲームをしながら学校をまわってもらいまーす。」


 ちょっと歩ちゃんに恐怖していると担任から声がかかった。


 ミニゲームをしながらスタンプを集めつつ学校の施設を案内するらしい。



「まぁ、うん。行こうか歩ちゃん。」


「うんっ!」


 気を取り直して俺は歩ちゃんの手を引いて教室を後にした。





 ***



 数時間後






「へー、鈴の妹ちゃんなんだー。」


「うん!小金井歩ですっ!」


「やーんかわいいー!」


「あはは。」



 ミニゲームを終わった後歩ちゃんは鈴の友達の女子に囲まれて可愛がられていた。

 もちろん俺は無視だ。………別に気にして無いけど。



「あれ?他のみんなは?」


「あれそういえばどこ行ったのかな?」


「あっ、みんな外に集まってる!」


「本当だ、アユ早く行きなさい。」


「うん!おねーちゃん達ありがとう!」



 教室から見えるグラウンドに小学生達が集まっているのが見え、慌てて歩ちゃんが教室から出ていこうとしている。


 全く、構いすぎなんだよ。




 そんな風に呆れていると突然教室の床が青白く輝き出した。



「っ…………!」



 瞬間俺を始め、カエデ、鈴、歩ちゃんは咄嗟に構えをとる。


 どんな攻撃か来てもすぐに反応が出来るよう、一切の隙無く構えていた。


 そんな俺達の警戒を嘲笑う様に光は強まると俺の視界はあっけなく白に染められてしまった。










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