設定【暴】領地の筈が
ファンタジー小説ですから、物語に現実性が有ろうが無かろうが然して問題ない、筈。当然、ストーリーやキャラクターの魅力に勝るもの無し。
既に小説ですらないですが、後書きなので。と、筆者の性格の問題で面倒くさく設定の話を出しただけです。ただ、妄想を文章にして伝えるのが難しいのに気が付くと言う「今さらか!」の状況で右往左往。
「もう、物語風でも無いよね」
「兎に角聞いてやろうではないか。今さらにして、我も興味が出てきた。勿論、どうまとめるかにな」
あらかたの魔導師の心情を代弁した彼に、淫靡なる夢獄の容姿で筆者の分身を威圧的に見る彼女が追従した。
その彼女に乗って、半ば呆れる雰囲気な魔導師らが『どうぞご自由に話して下さい』の雰囲気を見せていく。
「アレックス君ありがとう。助かるよ」
「あー、『助かるよ』とか意味が分からないよね。でも、クローゼ君の性格があれなのは何と無く分かった。と言うか続けるんだよね?」
ワイトベアは大きく頷き、エルマに微笑みを貰っていた。
もちろん続けます。本題が見えなくなるのは、筆者得意の部類なので……。では、都市区分の投げ付……いえ、投稿したので、次は領地についての話をしたいと思います。
先ずは、前提条件の投下。人口別外征(遠征)可能『実兵力』の参考値を含む、イグラルード王国の人口等。
イグラルード王国、人口――九三八万。
①人口【九〇〇万】【大国設定】
②騎士相当【九万名】③衛兵・守備兵【二七万】
④支援動員数【九万】
⑤実兵力【三六万/内騎兵 七万二〇〇〇】
見た感じは相変わらずですが、前記の数字は領地として話す場合、母体であるイグラルード王国の参考数値です。簡単に説明するなら次通りです。
①国民の人口。世界観としては大国の設定。
②『騎士・騎乗戦士』とほぼ同義ですが、貴族を含む騎士相当の人数。(まあ、騎士以上のです)
③国民/領民から徴兵(徴募)による衛兵等。
④支援動員数=補給物質輸送や後方支援等に召集される、軍属的従事者や領民の数。
⑤外征(遠征)可能な兵力の数。要するに会戦が出来る兵の数。
※③~⑤は封建制度的な『設定』で、人口に対しての最大値。(物語に影響がない前提でそのまま使っています。勿論、脳内設定で)
表記の説明な感じはおいて、『中世欧州擬き』に物語の設定を寄せるなら、王に従う領主――諸侯――とその臣下である騎士(設定上の騎乗戦士含む)の契約にもとずいた主従関係基盤である『領地』が必要です。
『王国の盾』の物語でそれは、大小の集落であり、城塞都市と言う事になります。
イグラルード王国の設定としてその区分の数を言うなら、大都市が四つと中核都市が三二に、都市が二〇八。準都市が一〇〇〇~一二〇〇で、町村落以下が九〇〇〇~一万が平均の感じになります。
もう少し言えば、中核都市は人口三万人が【六】に二万万人の都市が【一〇】と残り【一六】が一万の都市としています。
――簡易表記――
【比 率】【参考数値】
【 三%】【 四】大都市
【 七%】【 三二】中核 [六/一〇/一六]
【一五%】【 二〇八】都市
【二五%】【一二〇〇】準都
【五〇%】【九〇〇〇】町村
【参考値一万〇四四四】
【比 率】【参考人口】
【 三%】【 二七万】大都
【 七%】【 六三万】中核
【一五%】【一三五万】都市
【二五%】【二二五万】準都
【五〇%】【四五〇万】町村
【人 口】【九〇〇万】王国
――中世欧州擬きに近付けるなら、こんな感じになります。他人事ですが、設定はそうですね。
少し付け補足すると、兵力や貴族に騎士等などは国民や領民の 『別にある設定』ですが、守備兵や衛兵は国民や領民からの徴募――強制ではない――です。
一応ですが、町村落以下には衛兵等はいない――実兵力が担当する――設定で、衛兵・守備兵を含めた兵と見なす総数の人口割合は約七%、外征(遠征)出来る兵力は約四%程。
※衛兵は軍隊と言うより警察の認識でいます。――オーウェンは衛兵を引き連れて戦場にいきましたが、それはそれで。
※傭兵等は除きますが、設定では人口比率で一%ほど(冒険者含む設定の場合は二%)いるので衛兵等の人口比率はそれなりに。
※実兵力は諸侯(領主)全体の兵力なので、王国軍を設定するなら、実兵力の三割~四割弱が実際の軍と呼べるものだと思います。(他人事ですがそう書いてあるつもりです)
その上で、都市区分別数の算出基準ですが、『調べた知識』に比べて中核都市――人口一万人以上――は若干多めで、基準は次の通りで分けています。
●凡そ真ん中辺りの国々の都市区分標準設定。
【比 率】区分【都市区分個数算出基準人口】
【 三%】大都―首都の規模による。
【 七%】中核【/二万】
【一五%】都市 【/六五〇〇】
【二五%】準都【/二〇〇〇】
【五〇%】町村【/五〇〇】
計算例 イグラルード王国国民九〇〇万人。町村落以下五〇%の場合。
【四五〇万÷町村の平均人口五〇〇=九〇〇〇】
○農耕比重型――例――実際にはこんな感じ。
【比 率】区分【都市区分個数算出基準人口】
【 三%】大都市――首都の規模による。
【 四%】中核【/二万】
【 九%】都市 【/六五〇〇】
【一四%】準都【/二〇〇〇】
【八〇%】町村【/五〇〇】
計算例 イグラルード王国国民九〇〇万人。町村落以下八〇%の場合。
【七二〇万÷町村の平均人口五〇〇=一万四四〇】
※人口幅で区分を割っているので、例はおおよその数になりますが、書く必要がある場合はそれぞれの人口で計算します。
また、●と○の感じは筆者の選択なので、補足すると●の場合は生産者の割合が三割で、○の場合は生産者の割合が四割強の差で農耕比重と言っています。
あとは、生産性について●の設定で、生産者の生活水準を維持したまま、健全な国家運営を出来る生産性を有するとしています。石高換算なら、人口の二~四倍の生産性を想定してます。※魔法がある前提です。
実際には脳内設定なので、大まかに町村落以下を半分ほどにバランスよく『一、十、百、千、万』とピラミッドを作っただけとも言えますが、冒険者の設定なら村や町といったものが多い方が、物語を作りやすいのでこんな感じに。※実際にも、塀や柵に囲まれた農村が多数だった様です。(筆者調べ)
当然、城塞都市だけの国等の設定もありますし、政治的な形態の設定を考えれば色々出来ます。
ただ、城塞都市に衛星集落の風景が、中世欧州擬きの世界な気がしませんか? と。
それはおいて、イグラルードにはワイトベア伯爵の様な貴族がどれくらいいるのか? で領地について続けます。
この物語の中世欧州擬きな世界設定で、そもそも封建的な貴族――伯爵など――とは『何かと言えば』王や王権、また主君から領主権を与えられた諸侯や騎士からなる大小の領主です。
領主とは、一定の領地に封建的な支配権を有する諸侯で、諸侯とは、主君の権威の範囲内で一定の領域に領主権を与えられた、臣下である貴族の事です。それで、領主とは諸侯で貴族。なら貴族は……と『調べた知識』では些か? 展開に。
――まあ、『貴族って支配層な特権階級ですよね』な認識の筆者ですが、それは解釈の問題ですね。
あと、余談ですが町村落以下の設定から、教会の影響力が強いのが分かって頂けると思います。イグラルードでもその存在を無視出来ません。ただ、権力的な支配では無く、領主や領民――神従者――との良好な関係性でその存在が続いています。
設定上は、極神 正義を司る純潔の・の六体にふれた極の眷属なアウロラが、永劫の中で作った教会なので権力支配に行き着かなかったと解釈して頂ければと。
ですから、この世界では支配階層であるのは王族や貴族です。
一般的には領主以上が貴族と言うのだと思いますが、ここでは爵位を持つ者を世襲出来る出来ない関わらず爵位階級として見ているので、騎士爵や士爵に、臣従の誓い――臣従儀礼的な――をした騎乗戦士――後付けでも、まあ騎士ですね――。も、領地を持てば封建領主なので、貴族階級と認識しています。
――ただ一般的に騎士は貴族では無いですね――
なので、上位な伯爵以上小領主ではなく、大都市を除く二四〇ある中核都市と都市を所領するものとして考えてます。
また、男爵なら騎士爵を含めて準都市規模を所領するとして、一二〇〇前後の数はいる筈なので、爵位を持つ領主を併せて、一五〇〇程と第一に想定。
その上で、爵位を持つ町村落以下の小領主や代官も含めるのを第二の想定とするなら、領地なしの者も入れて、イグラルード王国では一万人程度の領主的な貴族階級があるとします。
――家名までの爵位階級的な意味合いも含む――
その上で、補佐役の子爵――直轄領や王族系公爵の代官や側近など、領地では無く位録で爵位を持つ――や伯爵以上の子弟に、分家で子爵や男爵に騎士爵の爵位持つ者がいると考えるので、宮廷内の爵位もありますが、凡そ人口の一%弱が貴族――爵位階級――としています。
その部分を含んだ、②騎士相当【九万名】の意味合い。※配偶者や親族に縁者も括りは貴族ですが、騎士相当でなければ入っていませんので、厳密には一%を越えると思います。
その点を見て、⑤実兵力【三六万/内騎兵 七万二〇〇〇】では、軍役の義務をこなす爵位相当の数が凡そ六割~七割をなしていると考えています。
「何か話の方向がずれていませんか?」
呆れ顔の促しから『領地』の話だったのが、何故か貴族の話に行きかけているのに、ユーインは『たまらず』が出ていた。
「勢いなので」
「はっ。結局『勢い』宣言か。そやつの行き着く先は何処だ?筆者の分身」
真顔で宣言した独り言を呟く様相が、掛けられた声で何と無く『自分はウォルダー・ワイトベア』だとの主張に変わった。
「脈絡も不安も無い訳では無さそうですが、ここは
一旦小休止したいそうです」
「お前が代わりに話せばいいだけだろう」
ベイカーの不満げな雰囲気を筆者は取り敢えず、横においておいた。




