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設定の話【惨】もうあれな感じに

「魔装術なら、当然僕の出番だと思うのですよ」


 ユーインは当然の顔をして、見るからに『話したい』の雰囲気を周りに向けていた。


「先ずは、(わたくし)達が当たり前に思っているこの世界の様式を説明して頂きましょう。腕輪に竜水晶をはめ込んで術式を刻む。それが当たり前。そう、それが何故『腕輪』なのか。また、腕輪が何故有るのか。いいえ、そもそも魔法がある『中世欧州擬き』の世界というのには興味があります」


 ユーインの表情を無視したマーリアには、ワイトベアからの共有で筆者の知識が入っていた。

 その上で、彼女の世界は中世欧州(もど)きである。ただ、創造主である筆者の世界はマーリアの常識とは違っており、彼女の知識欲を刺激するには十分だった。


「彼の妄想(ファンタジー)の世界だからです。物語として定番を越えられない彼の才能ですね」

「そこからですか?」


 ワイトベアのキャラクター的な言葉の後に、ずれたユーインの声が被る。ベイカーの「茶番だな」が再び聞こえて、マーリアは軽く首を揺らした。


「彼とは貴方ではなく筆者殿ですか?」

「私は、ウォルダー・ワイトベアです。彼ではありません。大体のところ主人公の彼が……」


 そうワイトベアは、クローゼの言葉に話を繋げる。


 ――そんな流れで、中世ヨーロッパ風の街。そんなイメージの王都ロンドベルグを離れ、この世界での家に向かって街道を進んでいた。街道だけを見れば、ローマ帝国な感じがする。俺の「脳内変換」になるのだが……である――


「ですから、勢いなのでしょう。私なら、もう少しきちんとしたいところです。言ってしまえば、中世ヨーロッパの世界も千年からの期間があるのですから……。あ、代われと……」


 と唐突に彼は無表情になった……



 ……伝統的な西洋史の時代区分における中世は、中世前期、中世盛期、中世後期と五世紀から十五世紀に至る……。と、検索知識のみで難しい事は分からない為止めておきます。


  ――恐らく、私は馬鹿(うましか)なので――


 兎に角、専門外ですし、脳内設定はそれなりに調べてますが、「なりで」と言う感じになります。

 取り敢えずオブ(of)とかフォン(von)等の前置詞(ぜんちし)で、貴族と平民を簡単に区別出来るに、主人公の名前をつけた段階で眼中になく……。凡そ真ん中辺りの国では、「そんな物はない」と決め込んで、貴族の夫人や令息に令嬢は? となり「そっちは有り」と、書き続けるところなんて「もう、あれです」と。


 ――いい加減、自虐キャラも鬱陶しかと思いますが、性格なので流して頂けると助かります。


 では本題の魔装術に入る前に、王国の盾の世界観について。

 なろうでのハイファンタジーは『舞台が異世界である』と言う事で、ローファンタジーと区別されると説明があります。


 一般的には架空――存在しない想像の物――の世界なので、同じ様な事ですね。と言うより同じ? な筆者は、異世界で展開する物語と考えて、真っ先に王道な剣と魔法の世界に。

 ベタな部分で中世ヨーロッパ。そのまま「この世界は中世の雰囲気で」と言えば、西洋の鎧を着た騎士が剣をかざす……「エクスカリバーァァァ――」な場所を。まあ、始めは勢いです。今より酷かったです。


 主人公のあれなんかは、戦闘車両用のAPS――アクティブ防護システム――の派生? からAWS(イージス武器システム)に続く、パ○り……ではなく参考にしました……と。


 それはおいて、ファンタジーならば『魔法だと』に行き着き、始まりの天なる()から、天極と天獄の間の世界(ドラゴニアード)のを作り、物語を(つづ)る場所として設定しました。

 要するに、異世界です。ドラゴン押しですが、微妙に放置なのは察して頂きたく。――忘れていたのかとは聞かないで下さい。


 更に魔法と言えば、『四元素』火・風・水・土の4つの元素から構成される物質は必須。なので、この概念でこの世界を妄想しました。


 ――若芽色の緑と木々の地色の調和ある大地。自然として人智の手が入っていない、山河に大地が連なる景色が見える、と。――


 ありふれた創作物の自然な世界。世界の景色はそんな感じになります。

 物語の舞台が『剣と魔法に人と魔の世界』になったのは成り行きです。……では無くて、魔法を中心とした世界でどこまで物質的な発展を入れるかというのは確かにあります。


 設定上、この世界は魔力で具現化した物ですが、その上で人は魔力を作れません。という事で物質的には人力になります。ただ、魔法と言う便利な物があるのに文明がそれをおいて発展するか? あたりで自分を納得させました。


 と言う訳で、この世界に描いた人々は、設定をぼかす程の興亡を繰り返して今の物語に至ります。そして、彼らのある場所は。


 ――僅かに人の手が掛かる城壁とは名ばかりの木目の壁で囲まれた街――


 と言う感じに、ファンタジーの世界と言えば、ダンジョンと『城塞都市』です。関係無いのを先に出しのは思ったまま書いたので、城塞都市=ファンタジーは個人的感想です。

 ですが、冒険者の町等を考えると的外れでもないのではと。ただ、城塞都市を基準にすると『中華』のイメージが強い気もしますが、全身鎧(フルプート)にエクスカリバーとはかけ離れるので、無しで。

 ――それはそれで面白いと思います。……と、相変わらず、話がそれる癖が治りません。と。


 一応に、城塞都市と魔装具の描写に使った物、また、剣に鎧に至る技術力を『魔法』を基準に考えると、どこでも設定なら同じですね。

 そう、魔法があれば何でも出来る。――ならばビジュアル優先で。金髪に銀髪に栗色の髪、時々黒髪な西洋の世界。


 そして、中世欧州擬きな剣と魔法の世界になりました。――わき出る無理矢理感――


 ただ、そんな感じで整合性を取りながら書き始めたので、書き出しがあんな風に。出だしの出来事から、移動する描写が必要なのか? くらいの勢いな、

 城塞都市ヴァリアント。そう、城塞都市です。


 大きな門に居住区と商業区があり、大きな屋敷には吹き抜けの階段にシャンデリア。魔動器の街灯が路地をてらして、当然に窓ガラスがある都市。


 そんな、城塞都市ヴァリアント。人口は約七万。


 二重の城壁に囲まれた、凡そ真ん中辺りの国々でも有数な城塞都市。第―城壁は地上高 一〇メートルに届き、壁内に軍港と交易港に漁港を持ち、全長一〇キロメートルの長さに防護術式を施した城壁を誇る。また、内側の第二城壁も同様な防護術式を施した、全長四キロメートル程で中核都市並の規模だった。


 当然に、魔力を動力源に上下水道を完備し整美された街並みで、非合法や困窮が目につく事無く、安定した都市になる。 正に、ヴァンダリアに相応だった。


 また、壁外にある灌漑(かんがい)した広大な農耕地で、通常の職種区分とは別に二万人の生産者が農耕や水産に従事する『大規模集約生産』を行う特異な場所でもある。

 ヴァンダリア侯爵領――領民数、凡そ 六四万――の中心都市としても申し分なく、領内にある、大小数百の衛星集落(サテライト)の拠点であり模範であった。


 そして、城塞都市ヴァリアントの別の面は、王国の盾たる彼らが侯爵領として、王国直轄領との対比一割を越える諸侯。その当主がある場所と言う事になる。また、影響力を持つ南部諸侯や、一連でその影響下に入った東南部の諸侯を加えれば、王国に対しても二割を越える勢力の中心都市であった。


 異質なまでの堅固さを見せる城壁は、建国当初の『魔王降臨終息』の動乱から拡張され、取り残された魔物や魔族に魔獣から、ヴァンダリアを守り育んだ。

 そして、第二城壁が今の規模になった折と現状の様相に落ち着いた時に、城壁は魔力を受け鋭利な金属の冷たさを刻む。王に対する反逆、その内乱の過程で城壁は存在を示し、後の賢王に秀王の王権を実現した。


 その刻みを経て、王にとってヴァンダリアは絶対の盾になる……




「ヴァリアントの歴史的な綴りは、承知しております。それゆえ……」

「無理矢理やりきった感がありありだよね」

「魔装術の話はまだですか? 何なら僕が変わりますよ」


 三人に言葉に続き、ベイカーの呆れた雰囲気。


「もしかして、城塞都市の物語でも書きたかったのか?」

「そやつは、取り戻したデータとやらにご執心なのだ。既に何も見えておらんぞ」

「何かもう行き先不明じゃない?」


 続く三人に、ウォルダー・ワイトベアに表情が戻る。


「一応、作り直したのを保存しておきたいそうです。……なので、魔装術の話は少し先延ばしと言う事になるそうです」


 ――と言う事に。



ありがとうございます。

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