後書きと妄想のあれ
『王国の盾』終劇につき本編とは関係なく、筆者の覚え書きになります。
エピローグがプロローグの感じに、「それなりに続きがあるだろう」位の勢いですが、最終話に書いた通りそれは別の話になります。
ですので、改めて最後まで到達して頂いた方には感謝致します。誠にありがとうございました。
兎に角自分でも、初投稿で『まだ続けられそう』な妄想に手を出す時点でもう痛いです。
気分的にはこんな感じに……以後妄想。
「先ず十回は読み返して出直して来い」
と宮中伯が言った。その声で筆者は彼に向き、驚愕の表情で言い訳を絞り出す。
「はっ、初、投稿だから、仕方ないでしょう」
「確かにそうだが、『無駄に回りくい』と指摘されていながら最後まで回りくどいとは……まあ、お前らしいのか」
「筆者は、周りから嫌われたくないタイプだから、無駄な説明が多いんだよね。大体、読者の方がレベル高いのに。でも、流動見たら納得だけどね」
「それ以前の問題だろ」
筆者について話す、ワンピース姿な魔導師の彼に、王国最強剣士の男が否定的な声を出した。
確かに、誤字脱字が当然に散りばめられており、文脈の可笑しさも目立つ。剣士の男が言う「それ以前の問題」の通り、何が言いたいのか分からない文章すらある。
「まあ、確かにそうだけど。取り敢えず、終わらせないと駄目だから」
「取り敢えずってなんだ?」
「いや、見直す時間が取れるなら、先ずは書ききるのが先かなと」
「締め切り何て無かったろ」
筆者とは、始めからの付き合いになる男は、『書き殴る』位ならの意味合いを筆者に向けていた。
「それは分かるけど……」
そう筆者は頭をかきながら、自身が作り出したキャラクター達が並ぶ場を眺め、ため息をついた。
目立つのは、煌めく白金の髪色と美しい銀髪に透明感のある黒髪と続く端麗な女性達。後は、やはり彼女達の前に立つ栗色の髪の男、主人公の彼だろう。
「殆んど、思い付きと勢いで文章を書いてる様にしか見えないからな」
「……お前には言われたくないよ」
「自分でキャラ立てしておいてよく言うな。大体、山ほどある俺の異名だけでも、思い付きで書いてるのがよく分かるからな」
筆者は主人公の彼に痛いところをつかれて、困った表情をした。その後、暫く考えた風を装って、結局煮え切らない雰囲気をみせる。
「色々あるんだよ。と言うかどうしたら良い?」
「他の作者様の作品を読めば良いのです」
「父上の言われる通りだと思いますよ」
「兎に角、頑張れば良いんだよ。あっ、でも頑張る方向が重要だからね」
彼女達三人から柔らかい表情を向けられて、筆者は益々困った感じになっていた。
「所詮、素人なのだがら学べば良いのでは?」
さらりと口にした、王国最強騎士の緋色な瞳に見つめられ、筆者は若干固まる様子を追加する。
そこに、無くなった手足が当然にある、あの副長が呆れた雰囲気を向けていた。
「お前は強迫観念に捕らわれ過ぎだ。確かに公開情報だが所詮は妄想で選ぶのは読者だ。好きに書けばいい。駄目なら何れでも駄目だ。それに、どちらにしても続きは書くのだろう。ならば、『どうしたら良いか』でも無いと思うがな。ただ、死んでしまった俺が言うのおかしいか」
「まあ、書くと思うけど。ただ、君を死なせたのは少し後悔してる」
筆者は、緋色の瞳に愛想笑いを向け、副長の彼には心残りを見せていた。
ただ、周りの雰囲気は「そこでは無いのでは」になっている。
「まあ、どっちにしても、読める文章にしてからだろ。兎に角、先ずは俺のキャラ固めてくれよ」
「お前のキャラはそれで良いと私は思うぞ。魔王風に固定されたら、我々が面倒だ」
主人公の主たる王が彼の認識に言葉を掛けた。それに振り返り彼は即答の勢いを見せる。
「陛下、『面倒だ』って、それは――」
「王の言う通りだ。また戦場で対峙するのは面倒だな。無論、お前がやると言うのなら余の帝国も全力を持って相手をしてやるぞ」
「皇帝陛下まで……」
振り返った先でもう一人の主君に言葉を遮られ、返す言葉を探す主人公に、並ぶ亜人の王らの表情も入ってくる。当然「我らも約定ゆえ」の雰囲気だった。
それが、続けざまに主人公の表情を困惑に誘い、助けを求める感じで彼は女王に向く。ただ、『大丈夫』の仕草の女王の横から、女傑たる女帝がそのままな雰囲気を魅せる。
「卿には少なからず恩義はあるが、六国同盟に七つ目の国として参加した我が帝国も、約定にそって存在を示さねばならない。それゆえ、卿は相変わらず『だな』の方がいい。それに、その筆者殿の筆先一つなのだから、考えるまでもないと思うのだが」
主人公が感じた頃よりも、一段とらしさを見せる女帝に、彼も言葉の向け先を苦慮する様子なった。ただ、最終的に行き着く者に言葉が向く事になる。
「おい、筆者! 俺はそんな展開望んでないからな」
「そんな気は無いけど、『殆んど、思い付きと勢いで文章を書いてる』らしいから、何とも言えないな」
「はあぁ?」の勢いで、主人公の覇気があがる。そのままの感じで言葉に怒気が乗る前に、別の方から低く響く声が筆者を襲う。
「筆者とやら、中々の自筆自演だな」
様相は魔王然な魔族の男と妖艶な女性が、並ぶキャラから進み出ていた。勿論、男の纏う魔力は領域の覇気か闘気である。
向けられた声に、筆者の意識は二人に引き寄せられていく。そこには、復活の魔王とその正妃たる起因の吸血鬼の彼女がいた。
「そちが筆者か? ならば、妾から一言ある。魔王様の最後の描写を省くとは、どういう事か? 無礼にも程があるぞ」
「いえ、あ、あ、あれです」
妖艶さに怒気が乗る紫の眼光に、筆者はどもる様子を見せる。それが、自身の立ち位置を理解していないのをあらわにする。
「やめよ。お前の怒った顔も嫌いではないが、怒気は似合わぬ。それにこれも『勢い』で書いているのだろう。……筆者とやら、そろそろ茶番はやめにせぬか、周りも呆れているぞ」
「そうだ、お前は俺か? ノープランも程があるぞ。落ちはなんだよ、言ってみろ」
魔王がたしなめに入ったのを主人公は踏み越えていった。更に呆れる雰囲気が流れて、筆者もなし崩しに応戦に入る。
「だから、お前に言われたくないって聞いて無かったのか。性格矯正するぞ」
「やれるものならやってみろ。そんな文才お前に無いだろ」
ある意味、領域に踏み込んだ主人公の言葉に、筆者は真顔で真っ赤になる。
「ク◯野郎!」
「はあぁっ? そのセリフお前の性格かよ」
「おっ、俺が、さっ、作者で、ひっ、筆者だぞ」
「色々図星で動揺か。作者で筆者って重ねるとか意味不明だな――」
「――閣下!お止めください。 筆者殿も止めた方が宜しいかと思います。大分見苦しいかと……」
臨時で代行だった彼が見かねて声を出した。明らかに、周囲もその感じに二人を見ている。
突然に気付かされた二人。二の句と返しを飲み込むのが二人を通っていった。
「『見苦しい』まあ、そうだな。お前が書いてるんだから、自筆自演か……馬鹿らしくないか?」
「確かに、意味不明だ。でも、書いた物は仕方ない。反省はするけど、後悔はしない」
「何か良いこと言った風に……」
「わかったから止めて。……兎に角、今後の為に設定的なのを上げて置くよ。一回データ飛ばしたし」
「好きにすれば良いさ。結局、選ぶのは読者だからな」
自身が作った主人公に、勝手にすればと言われて些か我に帰る筆者……。
――と言う事で、相変わらず回りくどい展開で申し訳ありませんが、暫く設定などを上げて行く予定です。
宜しくお願い致します。




