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王国の盾~特異なる者。其れなりの物語~  作者: 白髭翁
第六章 王国の盾は双翼の楯
151/204

四~鎮魂は悲しみと怒りを綴る~

投稿のペース遅くなります。宜しくお願いします。

※後半部分に蔑視と思われる表現があるかも知れません。展開上の意図として御理解願います。


 クローゼの感じなど関係無く、他方に目を向ければ、当然物語は進んでいる。

 ランヘル攻略から、勇者と魔王の戦いを経てアリエテルに続いた流れに沿って、もう一つの局面の動きを遡ってみる。


 ランヘル攻略が終局を迎える中、魔都ユーベンを望む南部方面の連合軍の動きだった。

 全軍で、南方方面最北端の城塞都市エールベンを発し、ゆっくりと北上している。

 全体的な状況が追って入る中、当初の予定通りの行軍だった。


 その縦隊の後方で、馬を並べるセレスタとキーナの姿が見える。

 身体の不調を見せたセレスタに、キーナが気が付き「今後の為に、セレスタ殿には担当右翼全体を見て頂きたい」と声を挙げた結果だった。

 

 その上で、想定会戦でヴァンダリア本軍の後方を担う自身の軍に置く事を、モーゼスやモリスに了承させたのである。

 あざとく、ブラッドの経験が今後のヴァンダリアに如何に有益であるかを全面にみせてだった。



 場景に並ぶ馬上で、落ち着きを戻したセレスタに、キーナは声を掛けていた。


「セレスタ。気分はどうだ、大丈夫か」

「落ち着きました」

「心当たりはあるのだろう」

「ええ」

 

 キーナの何か理解した様な声に、セレスタは不安気な雰囲気と意味ありげな様子を見せる。それに、キーナは言葉が続いていた。


「正直、腰の龍極剣がなければ、ヴァリアントに送り返している所だ」

「申し訳ありません」

「謝る事ではないと思うが」


 キーナの不満な選択肢に、セレスタは謝意を見せ、自らの鞘に手を掛けていた。


 最終的なユーベン奪回に向ける為。各国の勇士が集まる中、守護者不在の龍極剣エスターを戦力とする方策に「扱得る者」の選定が行われた。


 その流れで、キーナが名指しした「龍極剣エスター」は、今はセレスタの腰にある。

 ただ、セレスタは不本意な顔を見せて、キーナは怪訝の表情を作っていた。


「申し訳無いのは、私が極剣の守護者に選ばれた事です」……色々な意味で、彼女は言葉を続けていた。

 それに当たり前な反論が乗ってくる。


「最年少で近衛の騎士を破ったセレスタが、龍極剣に選ばれたのを私はおかしいとは思わない。共鳴したのもセレスタだけだ。それにミラナ殿のお墨付きがある。まあ、その事はいい」


 聖導騎士を筆頭に、相当数が握った「龍極剣エスター」が、明確に意志「らしき」を示したのは、ミラナの促しで試したセレスタだけだった。


 黙り込むセレスタに、前方に視線を戻したキーナが、然り気無く頷きを見せる。


「そちらの事を黙っているのは『そのつもり』なのだな。なら、知らなかった事にする。……しかし、私だけが何かを知っているのは不公平だな。セレスタ、一つ教えておく。これが片付いたら私はマクスフィールなる」


 騎乗姿勢と視線を変えぬまま、キーナはセレスタにだけ届く声を出した。

 一瞬の時間がセレスタの思考に流れる。理解が追い付くまで、必要な時間だった。


「あっ、えっ。それは……」

「聞こえ無かったか?」

「いえ、でも、どういう。……いつの間に?」


 動揺が抜けるセレスタの顔を、キーナの微笑みが捉えていた。


「言われたのは、ここに立つ時だ。昔の馴染みなのはセレスタ知っているだろう。その感情があったかは別にしてもな」

「そんな素振りひとつも」

「レイナードとロレッタのもどかしさに、全く気付かぬ男だ。言われた私が一番驚いている」


 キーナの表情が自然に笑顔になっていた。セレスタの催促を見せる雰囲気にキーナため息を見せてそれに答えていた。


「まあ、執務室に突然現れて、『俺の子を産んでくれ』と言われた。たまたま一人だったから良かったが、絶句したぞ」


 ダーレンは、アロギャンとの初めてやり合った時、あの状況で死を覚悟した。

 そして、蘇生し唐突に意識を戻した感覚になった。

 その感覚で「キーナの顔が一番に浮かんだ」と言う経緯を彼女に告げていた。


「まあ、愛しているどころか、好きとも言われていない。それでも、何故か受け入れた。……可笑しなものだな」

「それでも、一言もないのは……」


「恐らく、あの男から、その台詞は出ては来ないだろう。何せ、部下が一番大事な男だから。それゆえ、モリス殿に『クローゼ・ベルグにつける様』頼んだのだから。それに……いや――」


 キーナは、女性らしい雰囲気を見せていた。

 セレスタの驚きの表情で、更に話が続いて行く。


「程度の問題はあるが、主君が女性を大切にしてそれを隠さぬのは良いことだ。特に、クローゼ・ベルグは適度でいい。あの陛下すら、その気になっていたからな。私に相談されても困る所だが、王国にとっては良い。御二人とも、わざとやっている様にしか見えないからな」


 アーヴェントとオーウェンの事が、キーナの口から出てセレスタは鉄の国でのアーヴェントの事を考えていた。単純に、彼と同室する様に言われた事を思い出してた。


「確かにそうですね。カレンもシオン殿も大変かもしれないですね」

「もどかしいな、と言う事だ。話のついでだ。ロレッタは喜んでいたぞ、むしろ、泣き出していた」

「そうなんですか?」


 キーナはセレスタの問いかけに、含み笑いを見せて更に凄い事を『さらっと』言葉にする。


「グレアムは、ドリーン殿と婚儀をするぞ。まあ、全ては終わってからだな」


 驚きの重ね掛けな表情がセレスタ見えて、前方から敵である「魔物と魔獣の出現」の報が届いてきた。


 それに、瞬時に切り替わるキーナの様子が見える。


「敵だぞ。想定通り本軍に合わせて陣を展開する。馬車を出せ。斬り合うだけが(いくさ)では無い。我らもヴァンダリアであると示せ!」


 続けざまに指示を飛ばし、キーナはセレスタに視線を落としていた。

 みつめられたセレスタには、凛とした美しい女性の姿が見えていた……。


 想定で進んだ局面の本線は――『引き離す』前提で応変な戦略――守勢だった。


 基本線を守り、大量発生的な魔物と魔獣中心の魔王の軍と南部方面の各軍は、以降断続的な戦闘を続けて行く事になる。

 その最中にセレスタは、自身の口から告げた、事柄によって「残された者」の初めて見せた一瞬に立ち会う事になった。


 それは、クローゼが帝都アリエテルで、怒りを伏せて、至極冷静な雰囲気を繕っていた「刻」辺りの事だった……




 ……帝都アリエテルでは、黒餓(プレーター)の掃討戦が、彼の強襲部隊も参加して行われていた。


 連鎖は止まったものの、相当数の数と囲いで四散しない状況に、相応の時間が必要に思われた。


 その合間に「凄いっすね」と「まあ、強襲部隊ですから」の会話を引き出す、剣弓斧と竜装弾の競演があった。

 それは終演が確実に見える程、競い合う強者が揃っていた場景になる。


 その競演を、クローゼはドーム結界から戻り、冷静を装い腕を組み城壁の上から見ていた。


 一通り状況を眺める彼は、斜め後ろにあるノエリアにそのままの視線で声を掛けていく。


「後は、こちらの軍で足りますね」

「あ、ああ、そうだ。問題ないと思う」


 突然に、ノエリアは顔動かし声の主であるクローゼの背中に答えを返していた。

 既に、彼女にとっては驚き以外の感情は向けられていなかった。

 ――物質を頼んだ筈だ。すがる気持ちもあったかもしれない。これ程の助力を受けて、不甲斐ないとも思った。それでこの現状……。


「不甲斐ない所をお見せした。竜伯爵、感謝する」


 思ったままをノエリアは口にして、クローゼの視線を自身に呼び込んでいた。


「私に感謝など不要に。それに、物質を運ばせたのは陛下ですから。後、貴女が不甲斐ないなど、この場の誰も思っていませんよ。貴女のお力が成した結界です。自信を持ってください」


 向けらた言葉に、ノエリアは僅かに目を伏せて、別の方向からの声を聞く。


「そうだ。その女人は凄いのだぞ」

「ロベルト、下は良いのか?」

「『さん』だ」

「あー、 分かった。ロベルト『殿』掃討の方はよろしいのか?」


「5つに一つの休みだ」と満面の笑みで戦場臭い感じを見せていた。単純に、年上と言うのもあるが腕比べ――腕相撲――での格付けが彼らとはあった。


 ロベルトは、続けて、掃討に参加していないヘルミーネと、ノエリアの後ろに立つカルデ=エリスにも同じ事を言っていた。


 それを横目に、クローゼはノエリアに今後の話をする。

「ロベルト殿の余裕を見ると、私は必要無さそうなのでこれで。情報が掴みきれておりませんが、まだ後退した魔族の軍あちらに、それは予定通り、ノエリア様にと」


 わざとらしい間をクローゼは作った。周囲に視線を回して、僅かに口元を緩めていた。


「私は、魔王の所在を確かめに、ランヘルへ向かいます。それでノエリア殿、少しよろしいか?」

「何か?」


 周囲にも分かるクローゼのあの表情。向けられたノエリアの声が上ずって見えた。

 レニエやユーリも、それに気付いて身構える。


「取り敢えず、魔王如何に関わらず偶発的にでもランヘルを私が陥落させたなら。ノエリア様の名で、私にランヘル一帯をください」


 クローゼの周囲は、絶句の雰囲気だった。


「クローゼ言が過ぎます。お止めなさい」


 ウルジェラの懸念には、レニエも心砕いていた。しかし、飛び出したそれは、想像とは違って別の方向に走っていた。

 クローゼがレニエの声で彼女に向いた時、ノエリアの凛とした雰囲気がその間に入ってくる。


「竜伯爵。いや、クローゼ・ベルグ殿。その言は全てが終わって私が皇帝になった場合にのみ、卿らの主君である各々の王と話す事。ゆえに、ノエリア・パルデギアード・デ・テルセーラ個人の名で何ら卿に確約など出来ぬ。……それで、宜しいか」


 覇気ではないが、女傑の名に相応しいノエリアの姿勢に、周囲も空気感を変えていた。

 クローゼは、何かに通じる感じを受けた様であった。

「貴女も凄い。……失礼した。レニエもありがとう、反省する。ノエリア様申し訳ありません」


 反省するの言葉にレニエは安堵をみせ、ノエリアは掴み所の無い様子に困惑を覗かせていた。


 ただ、クローゼは全て無しにする勢いを見せる。


「という事でレニエ、ちょっと行って来る。ユーリ帰りの指揮は頼んだ。ヴィニーはレニエを頼む」


 言うが早いか、クローゼは衝撃の反発力で真上飛び上がり、空中で静止して魅せる。

 風にはためくコートがその雰囲気を更に増していた。


 無論、飛んでいる訳でも、新しい術式を組み込んだ訳でもない。発想と成熟を応用した、反発と硬化による「飛びたい」の具現だった。

 場の驚愕に、クローゼは中空で魔方陣を展開しその光に包まれていく。


 そこには、微かに――飛んでるのとは違うけどな……とクローゼの思考が乗っていた。

 置き去りにした表情は、多種多様の彩りを作っていく……



 ……獄の入りに向かう中で、クローゼは城塞都市ランヘルの城壁をあの場から見上げていた。背にする場景は、勇者と魔王の戦いで壮絶を刻んでいる。


 彼は全体を認識して、軽く息を吐き呟きを出していた。

「次元が違うのか。……俺にも出来るか?」

 

 徐に剣を抜き城壁に剣先を向けて、言葉に力を込めて「起動」を唱える。

 放たれた竜硬弾が衝撃と魔力を伴い壁面に着弾し、 爆裂の音共に崩壊を起こす。……強者が纏う魔力魔量の障壁など無い、刻みすら持たぬ城壁は思いの外簡単に崩れさった。


 撃ち込んだ彼自身が、引く程の光景がその目を捉えていた。


「凄いなこれ」


 自身の力と言うよりも、与えられた黒い弾がその光景を作りだしていた。

 ――まあ、やったものは仕方ない、適度に暴れるか。魔王がいたら、それはそれで。


 魔力と体力の回復で筒を使い、クローゼは歩きだした。魔王は魔解にあるとサバルに聞いた。ミールレスも魔解にいたとライラが漏らしていた。


 現状クローゼの眼中にあるのは、ヴォルグに操られたあの時の光景だけになる。


 クローゼの歩み先に、逃げ込んだミールレスとインパルスの配下の魔族が音と光景に集まってくる。

 上がる口角は仮面の中で、明確な意思を見せていた。


「死にたい奴から掛かってこい」


 大軍に向かうのは初めてではない。同様に、黒の六楯(クロージュ)の黄色の薔薇がその存在を主張していた。


 一瞬の静寂の後、襲い来る魔族の群れを高速の斬擊が切り裂いて行く。

 高みに立つ剣士然とした、勇傑なり者の剣舞。その太刀筋が山の積み重ねを作っていく。


 時を刻み装備を消費して、クローゼの剣舞が行き着いた先の場景は壮絶だった。

 二度目を含む喪失と恐怖を目に、彼を取り巻く魔族の輪が出来ている。

 それには部衆の絶望が重なり、クローゼの眼下には魔解六刃将ガシューが、折れた剣を支えに膝を着く姿があった。


「その程度か。で、次に死にたい奴は誰だ?」


 ガシューも魔解六刃将の一振り。持つ刃をは違えどこの場では最高峰であった。その状況が、クローゼの言葉に沈黙を返している。


 強者として立ち、青色の鮮血で黒の六楯(クロージュ)に深みと、落ち行く光に反射をみせるクローゼの成した事だった。


 向き上がるガシューの表情は、次の斬擊を諦めたそれだった。


「俺に勝った位で奢るな。魔解六刃が最強の男がまだいる。剣士としてはお前はそれに及ばない」

「お前魔解六刃将か? お前ら六本腕(アスラ)に、剣奪われたんだろ。それで何が最強だ?」


「奴は奪われてなどいない。剣を置いたのだ。奴が剣を握れば、お前ごときで剣士足元にも――」

「俺が剣士? ふっ、勘違いするな俺は『魔術師擬き』だ。この感じでも、街中だから剣を振っただけだ」


 一瞬、表情が固まるガシューのそれにクローゼの思考が起こっていた。

 ――まあ、俺の中にはやばい剣士いるけどな。


 言葉の出ないガシューの意思をクローゼは置き去りにして、自身の懸念を声にする。


「まあ良い。取り敢えず、領民は何処だ?」


 視界に収めた辺りから、街並みは半壊の様相だった。

 強襲からの恐怖で、四散した者を除いても周りには千を越える魔族が、街並みに併せてその様子を見ている。

 それを踏まえて、問い掛けを向けていた。


家畜(ヒト)など、生かして置く筈もない。まあ、その辺りの建物に女型の家畜はいるだろ。使い古しで良け――がふっ」


 思い切り、クローゼは――普通に――蹴りをいれた。表情は仮面でガシューに伝わらないが、怒りがそれにでていた。


 ――色々やり過ぎだろ。まあ、見た目人と大差無いし、普通の話ならそうかも、だ・け・ど・な!


「お前ら全員くたばれ――双翼神乃楯(イージス)」……クローゼは怒りに任せて、双翼神乃楯(イージス)を発動する。


 双翼の盾の具現化が起こり、クローゼが冷やかなし瞳で周囲を感じていく。

 静寂か?の様子に、ガシューの困惑の表情が向けられていた。


 幾ばくかの刻み……それで空白が破れ、クローゼの纏う魔力が膨大な広がりを感じさせた。

 それは、ランヘル全体を覆うかの様相であった。


 起こり行く現象は「禁断の領域」に足を踏み入れていた。


 ――「全員」と認識する、魔族らの魔力を探知索敵し、正確に判断捕捉して心臓(コア)を拘束して……停止させた――


 刹那の刻みだった。


 ……衝動的な三回目の双翼神乃楯(イージス)

 二度の発動で膨大な魔力を使い、以前なら深い眠りにつくほどの「振りも戻し」を経ていた。


 彼自身が「ある」と自覚する魔王の魔力。それに、喰われる感覚で、「冷静」だと装い口に出さなければ、自身が冷静なのかがクローゼには分からなくなって来ていた……。


 断末魔の連鎖。仮面を外し、その光景を見つめる。……恐らくは、万を越える魔族の叫びであった。

 抗う者は、目の前のガシューのみ。それが、胸を掴み断末魔の様相をあらわにする。


「はぁぐう、うぐ、な、何を、した?」

心臓(コア)を握り潰した。余裕があればこんな物だ。死ぬと分かってたら死力尽くしたか?」

「ふぅっぐ、ば、化け物……か――」


 もがく肢体に崩れるガシューを冷酷な目で、クローゼは見据えていた。


 ――本来は、身体の動きと密接な魔体流動に干渉して対象を拘束する楯。肢体の動きを止める能力(ちから)の具現――


 それをクローゼは、発想の転換と妄想(イメージ)で、「心臓(コア)を巻く流動を止めて、心臓(コア)を停止させた。……言葉通りに心臓(コア)だけを握り潰した。


 彼を高揚感と衝動が襲い、抑え切れない感情の高まり。『もっと力を……』とクローゼの頭の中を声が回っていた。


 ――ふざけるな!


 思考に続いて、魔力の膨張で「切り離し渡される」消失が起こる。

 彼を虚脱感が襲い、抗う気持ちが削がれかけ、内向きにのみ込まれる感覚が出た時……。


「クローゼ!」とレニエの声と手が掛かってきた。


 戻り行くクローゼの意識と視界には、ダーレンに預けていた、竜擊機動歩兵が展開し警戒を周りに向けていた。


 そして、見知った顔が幾つも並んでいる。誰も声を出せない光景に唐突に言葉が出てきた。


「これが今んとこ、一番凄いっすね。勇者とか魔王とか来たっす……ですか?」


 クローゼはレニエに支えられながら、それに声を返していた。


「ヴィニー、お前は普通でいい。まだ出て無いよ、大丈夫だ。それより……」


 クローゼは衝動の原因となった事をその場に預けて、微かに寝息を立てて行く。


 そんな一幕であった。



ありがとうございます。

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