Episode 2
ふわっ…と花びらが舞った…
気がした。
僕の目には本当に花びらが見えた。
女の子が振り向いた瞬間の出来事だった。
んーー。かわいい。
ロリコンじゃない自信はある。ほんとに。
それでも、僕は女の子が天使のように可愛いと思う。
彼女はくりくりとした目で、僕をじーーーーーっ。
と見る。
そして一言。
「さっきの……聞いてた……?」
わぁっ!天使がフルート吹いてるみたいな声!
……なんでもないなんでもないよ!
質問に答えよう!
さっきのって…お経のやつか!
「大丈夫だよ、ところどころしか聞いてない。」
そう言うと、女の子はほっと胸をなでおろして、
「よかったぁぁぁぁ………。」
と息をつく。
溜息ながっ!!
肺活量あるなぁ…やっぱり天使のフルート吹きか?!と妄想する。
あれ????
何か忘れてる気がするんだけど…?
「あの……実は私、道に迷ってしまって」
女の子がそう言ってから、僕は本題をやっと思い出す。
「うん。実は僕も道に迷ってね…」
まままっ!まさかの二人揃って迷子!
笑えるね、はははははー。
…笑えないよ。ちっとも。
ふと彼女の襟のバッヂに目を落とす。
あれ?僕と同じクラスじゃないか!
しかも……
「桜井……さん?」
あの謎の子じゃん。
「あ……はい、桜井春花といいます。」
ぽへーっ。名前と顔が合うなぁ。
いやいや。今はとりあえず、教室へ行かないと。
「教室の場所…わからないんだよね?」
「あ、はいっ。実は高校くるの初めてで…」
そりゃわからないよ。せんせーい!なんで桜井さんについてかなかったんですかぁー?
まあまあそこは置いとこうよ、いやでも待ってどうするのぉぉぉぉーー
この後通りかかった教師に無事教室の場所を教えてもらいました。