表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/18

闇落ち

地味~~に更新。

「闇に飲まれかけていた?……私が?」

「そう。幸い完全に闇に染まっていなかったからこうして普通に話せるようになった訳だけど。実際に今ならカイルを見ても倒そうなんて思わないだろう?」

「あ……うん」

 魔物の少年が話しているのは所謂(いわゆる)「闇落ち」と呼ばれるものだ。この世界に存在している様々な『魔力の源』(マナ)のうち、『闇のマナ』に取り込まれてしまう現象が稀に存在する。すると、知らず知らずにそれは精神を蝕み、破壊や殺戮を好むようになり、やがてはひたすらに血を求める狂戦士(バーサーカー)や異形の怪物へと変化すると言われている。

 それに自分が陥っていた━━?

 ライムは思わず自分の身体を強く抱きしめていた。まさに背筋が凍る思いとはこの事だろう。

「━━ライム?おい、ライム!」

 肩を揺すられて、ライムは我に返った。気がつけば真剣な目でこちらを見ている少年の顔が目の前にあった。

「━━━━あ……」

「お前さんはもう大丈夫だよ。だからそんな顔をしなくてもいいんだ」

 そこから一転して優しい声を掛けられ、ライムはようやく身体の強張りが解けた。

「そうか……」

 と、安堵したところへ。

「何しろ俺が昨夜しっかり叩き出してやったからね」

「ぶふぉぉぉ━━っ!!」

 落ち着こうと口に含んだお茶をライムは盛大に吹いた。

「わ、汚ないなおい」

「な・な・な…………にゃにおぅ?」

 真っ赤になって口許を袖で拭うライムに少年はしれっと言った。

「いやだから、昨夜の百叩き━━」

「にぎゃ━━っ!!」

 ライムのそれなりに生きてきた人生でもワースト3に入る思い出したくない部類の出来事を蒸し返され、彼女は吠えた。

「どうした?まさかまた闇に━━」

「違うわ!」

「だよねぇ」

 とりあえず、万が一にも再び闇に取り込まれたならば、真っ先にこの少年(まもの)をぶち殺そう━━と、ライムは心に固く誓った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ