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10年前の約束  作者: マカロン
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康人の気持ち

理奈の突然の告白に康人は戸惑った。理奈の顔は真っ赤に赤面している。理奈は恥ずかしがりながら

「どうなの?私と付き合うの?」

強気で攻めてくる理奈の目を見て康人は答えた。

「ごめん、理奈とは付き合えない」

康人はそれだけ答えてうつ伏せになった。理奈の顔を怖くて見ることができない。

「そう、まあいいわ。私の想いをあんたにちゃんと伝えられたし、悠佳の事もあるもんね?私もこんな状況でごめんね」

といつもの理奈ならここで突っかかってくるはずが今回は静かだった。

康人が理奈とは付き合えなかった理由が2つある。

まず1つは悠佳の事だ。康人は今でも悠佳の事を思い出すと胸が熱くなる。それに悠佳の余命はあと2カ月。只でさえ今、喧嘩中なのにそこで理奈と付き合ったなんて言ったら尚更混乱する。そして2カ月の間に悠佳への想いを伝えたいと思ったからだ。

そして2つめは理奈には康人よりも気の合う男が必ずいると思ったからだ。確かに康人と理奈は仲が良くお互いに会話も上手くいくが、もっと理奈の良いところを引き出せる男が絶対にいると思ったからだ。

しかし康人はもしかしたら理奈でも良かったかもしれない、と少し後悔している面もあった。康人にとっても理奈よりも気の合う女はなかなか見つからないかもしれない。でも康人は決めた、悠佳が生きている間にあの時の事を話そう、そして謝ろうと。


1日が終わるのも早いもので学校も終わり、康人も下校しようとした。あれから康人と理奈は授業に復帰したが何も会話がなかった。理奈としてはフラれてショックのはずなのに授業にでれるメンタルがあるのはさすがだ。しかし、この時間帯に理奈はいつも話しかけてくるのに今日はさっさと帰った。

康人も帰宅をし、自分の部屋のベッドに寝転がっていると一通のメッセージが来た。理奈からだ。

「悠佳の状態が急変したの!すぐに病院に来て!」

「え?」

康人はまた頭が混乱した。

「ちょっと待てよ!余命2カ月だったんじゃないのか!?」

すぐに出る支度をした。親が何か話しかけてきたが今は無視だ。とにかく病院にいかないと。

康人は無心で自転車をこいだ。

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