理奈の告白
病院から帰った康人は自分のベッドに寝転「」って悠佳にとった態度を思い出していた。理奈も唖然としていたしちょっとやりすぎたのではないかと思った。康人はもう寝たい気分だった。
気づけば朝になっていた。できれば学校に行きたくない康人だったが仕方なく登校した。理奈も何も話しかけてこないし1人でぼーっとしていると
「よっ!」
空気の読めない奴がいた。その空気の読めない奴こと一弥は
「どうした?朝から顔色悪いぞ?」
と1人でいたいのに話しかけてくるので
「ああ、ちょっと体調が悪いみたい。保健室行ってくるから先生に伝えておいてくれ」
そう一弥に頼むと一弥は冗談でいったつもりだったんだろう頭の中が?でいっぱいみたいな顔をした。
保健室で寝ていて一時間目が終わったとき理奈が保健室に入ってきた。別に理奈は体調が悪い様子はなかったが隣のベッドで横になった。そこで保健室の先生はちょっと出張があるからと出かけていった。そのタイミングで理奈が話しかけてきた。
「あんた昨日は本当は用事とかじゃなくて悠佳に怒っていたから帰ったんでしょ?」
さすが理奈だと康人は思った。
「なんで怒ったのかわからないけど何かあるならわたしが相談してあげるわよ…」
ちょっと照れながら言ってきた。しかし理奈は一弥と違って信頼できるのであの10年前の約束を話してやることにした。あの鉛筆のことや悠佳の過去について、しかしなぜか話が進むにつれ理奈がちょっと嫉妬していた。
「そうだ、なんでお前が悠佳の事を知ってるんだ?」
康人はそのことがずっと引っかかっていた。なぜ理奈が悠佳の事を知っていたのか。
「あの子転校してきたのよ…私が小学校2年生の時に私の住んでいた地域に専門の先生がいたから。でもあの子が今のこの地域にまた引っ越してきたのは私のいた学校でいじめられていたからよ」
その言葉に康人はショックを受けていた。なんで悠佳がいじめられないといけないのかと思った。
「私がいた小学校ね、最初は悠佳にも優しく接していたの、でも悠佳が病気にかかっていると知った頃急に悠佳に対するみんなの態度が変わった…私は必死に悠佳を守った。もちろん私と一緒に悠佳を守っていた人もいたけど結局はみんな裏切って悠佳と私
をいじめたの」
その事を聞いた康人は理奈の事を素直に凄いと思った。みんなが裏切る中理奈だけは悠佳を守っていたから
「それでね、悠佳は精神状態が崩壊してとても学校なんかいけなかった。私も不登校になった。そこで悠佳が少しだけ住んでいた町に戻ると聞いて私もそこの近くにある学校に転校したの。そこでは極力友達を作らないようにとおもった。だってまた悠佳みたいな関係になっていじめられるのが嫌だもん。でもね、その時あなただけは私に優しくしてくれた。だからあなただけは素直な私が出せるの」
康人は黙って聞いていた。
「悠佳に聞いたら前の学校では好きな人がいたって昔聞いたけどそれってあなたの事だったんだよね。私も転校当初の不安をすべて消してくれたのはあなただった」
そこで理奈は少し黙って大きく息をすって
「もうこんなに私を出せる人はこの地球上のどこにもいない。だからね、私あなたの事好きだよ」