思い出したあの頃
「お~い、康人またその鉛筆眺めてんのか?」
康人が、ぼーっとしているとその声が聞こえた。その声の主は友達の一弥。「お前最近ずっとその鉛筆眺めてるけどその鉛筆眺めてても10年前の約束の人
なんか見つかんねーよ」
その言葉に康人はイラッとしたが今はそんな事にイラついている場合じゃない。
10年前の約束あれは確か小学校二年生の時だった。ある日転校生がやってきた。その転校生は女の子で当時小学生の康人もかわいいと思うくらい美人だった。その女の子は偶然にも康人の隣の席が開いていたので隣同士の席になった。最初は康人は緊張でなにも話しかけられなかったがその女の子は積極的に話しかけてくれた。ある日康人は筆箱を忘れてしまった。しかしその女の子は笑いながら鉛筆を貸してくれた。康人は嬉しかった。しかしその女の子が転校してから2ヶ月が過ぎようとする頃、その女の子は突然休みがちになり3ヶ月目に入る頃には完全に学校に来なくなってしまった。康人は心配で先生に聞くと「実は病気だったのよ」と言われた。康人はショックだった。そして「実は明日転校するのよ」と追い討ちまでされた。しかし、最後に会いたいとその女の子の家に行き別れを告げて帰ろうとしたとき「私、康人くんのことが好き!だからいつか結婚しよう。」と言われ、あの時貸してくれた鉛筆を私のことを忘れないようにと貰った。
その約束を高校生になってたまたま筆箱に入っていた鉛筆を見て思い出した。しかし10年前のことなど覚えているはずがない。顔も名前も声も覚えていなかった。でも康人はその女の子に会いたいと思った。あの時の約束は忘れられないものだから。
僕が作った初めての作品です。よかったらご朗読下さい。今回は10年前の約束というほとんどの人は覚えてもいないどころか10年後になってそんな約束したことがないという方もいると思います。でもそれが一生忘れられない約束だったら?好きな人からの告白や仲のよい友達との再開だったり何年前の昔の話でも一生忘れることは出来ないというものはあるはずです。
今作品は主人公の康人が好きだった女の子に会いたいという作品です。まだなにも動いてはいませんがこれから康人がどうするのか楽しみです。