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2つの世界  作者: オポロ
2章夏出 ミキ呪われた運命が動きだす
8/9

未来のために俺は……

あの日、灰色の世界に、飲み込まれたあの日から、2日後、俺は、また全く同時刻の通過電車が通るこの時間、俺は、目をつぶった。やはりというべきか、灰色の俺が、目の前に立っていたそして、後ろを、振り向くと灰色の世界が俺を飲み込んだ。

だが今回は、意識は飛ばなかった。おそらく自我をちゃんと保つように、意識したからだろう。一昨日のあの時は、混乱するばかりだったが、今回は、冷静にこの現象を、客観的に把握できた。ただ灰色の世界、この色無世界に飲み込まれた前の俺なら、二度とここに来ないという、選択をしただろう。だが色無世界から帰ってきてから、俺は、よく頭がまわるようになり、冷静でいられるようになり、そして行動力ができた。なぜか俺の中に、2人の俺がいるような、そんな感覚だったが、今は1人になりつつある、もう少し正確に表現するならば、融合しているような感じだ。そしてあの定期的にくる頭痛は、激しさを少しずつだが増してきている。それに比例して、頭に流れ込んでくる、映像や音の量は増し、さらに鮮明になっている。だがとりあえずこの、頭痛は、我慢できるレベルで、まだ日常生活には、問題はない。しかし、これから痛みは、増していくのは、ほぼ間違いないだろう。だから俺は、今ここにきた。この頭痛をなおして、また普通の日常を、取り戻すために……

2

俺は、昨日もあの通過電車がとおる時いたのだが、耳をふさぐだけにしてみた結果、色無世界には行けなかった。そして、次の通過電車の時に、目をつぶり耳もふさいだが、色無世界には行けなかった。結論からすれば、色無世界にいくには、あの6時前の通過電車が通る時に、目をつぶる。この行動がキーだったのだ。そして、この色無世界には、駅にいるときの俺の持っているもの、身に付けているもの、全て持ってこれる。だからまだ仮定だが、もしかしたら、人と手を握った状態で、あの通過電車が通る時に、目をつぶれば、その手を握った人も一緒に、この色無世界に連れてこれる、かもしれない。だが、この実験は、絶対されないだろう。たとえば友達と手を握る?気持ち悪い無理だ。なら他人、痴漢に間違われるだけだ。もう残るは、ミキだけだ、だがこの選択肢が1番ダメだ、理由は、いくつかあるが、その中でも大きいのがこの実験は、あまりにも危険だからだ、これは全ての選択肢にも影響する。もしも俺の推測が間違っていて、俺以外は、色無世界にいけないだが、俺が無理やり連れてこようとすれば、世界が、拒絶反応を起こす可能性だってあるのだ。よくマンガや小説などで、世界が壊れていく、そのようなことが普通にありえる。そしてもう1つミキを連れてきたくない理由がある。それは、ミキを捲き込みたくない、これがある。俺は最低な人間だから、友達は捲き込みたくないという気持ちは、少しばかりある。だが他人なら別だ、おそらく捲き込んでもなんとも思わない。だって普通の世界に戻れば忘れられるから、だがやはり他人という選択肢はない、先にいった通り、世界が壊れる可能性がはらんでるいじょう、無茶はできない。

長々と話したが何が言いたかったと言うと、俺はこの今抱えている問題を、1人で解決しなければならない。孤独とは、こんなにつらいものなのかと、痛感する。俺はヒーローでも、スーパーマンでもない。だが俺は解決して、あの普通の日常に戻ると決心したのだ。だから弱音をはいていてはダメだ。

3

今回色無世界にきた目的は、この世界の俺に会うことと、この色無世界から普通の世界に、戻る方法を確定させることだ。俺の予想では、戻る方法はおそらく意識をなくすことだと思うが、これが正しいか確かめる。色無世界の俺に会う理由は、この流れ込んでくる記憶は、この世界の俺のものなのは間違いない。だからもしも俺に故意でやっているなら、説得して止める。しかし故意ではなく、勝手に流れているなら、この世界の俺と協力してこの頭痛を止める。そしてもう1つ、色無世界の俺に、聞かなくてはならないことがある、それはあの記憶、ミキが目の前で死ぬあの記憶だ。あれはなんなのか、聞く。そして、もしも普通の世界にいるあのミキにも同じような、運命が用意されているならば、俺がその運命を断ち切る。そのために、この色無世界にきた。正直怖い、だが俺は前に進む、未来のために

4

今俺は、色無世界の、普通の世界でいつも使っている駅のホームにいる。ここでは、普通の世界 同様俺が持っている、定期券で、電車に乗れるので移動は、問題ない。

しかし不安なこともある。この世界は、明かるさが分からない。今はスマホがあり、時間が分かるが、もしもスマホの電池がなくなった時はどうやっても、今が夜なのか昼なのかわからない。

しかしこれはいらぬ心配かもしれない。だがもう1つの不安だ。

この世界には色がない。これは恐ろしい事態だ。世界が灰色で、人も灰色だ。正直、人がどこにいるか、結構近くにいかないと分からないし、これは車とか自転車もだ。

まぁ俺の家の付近は、人通りがほとんどないため、前にこの世界に来てしまった時も、引かれなかったが、今回はそんな、運があるか分からない。このまま意識失って、帰りたいという衝動が沸き上がるが、それを押さえて俺は電車に乗り込む。

俺はなんとか、無事にこの世界の俺の家についた。

そして俺は、この世界の俺の家のインターホンを押すが反応は、ない。少し困ったことになった。このまま俺が持っている鍵で、不法侵入はできそうだが、しかしそれはだめだ。理由は1つ不法侵入だからだ。もしもこの、頭痛のことを全く知らなかった場合、自分にそっくりな、男が家にいるのだ。俺なら通報する。だからこの世界の俺も、おそらく通報する。

「これは困った」

とつぶやく。

それから、 門の前で10分くらいだろうか悩んだすえ、とうとう不法侵入すると決意した瞬間、背後から聞き慣れた声で

「お待ちしていましたよ色有世界の、俺」

俺は振り向くと、そこには不適な笑みを浮かべる俺がいた。

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