表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に転移した俺、なぜかAIも一緒に来てました。  作者: 限界まで足掻いた人生


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/16

第7話:「ゴミ」への視線

「許してください!何でも……何でもしますから! 俺が、俺が全部悪いんです。命で償えと言われたらそれまでですが、ど、どうか…どうか..…!」


祐二は鼻先が地面に埋まるほど、深く、激しく額を擦り付けた。 9年間の社畜生活で培った、言葉の隙間を一切作らない「謝罪の弾幕」。言い訳という名の脆弱性を一切排除し、ただひたすらに自分の無価値さを強調する。それが祐二の知る、唯一の生存戦略だった。


しかし、その至近距離には、先ほどまで斬り合おうとしていたラナの、濡れたままの白い肢体がある。


(……あ)


不意に、視界の端に「毒」が混じった。 透き通るような肌の質感、火照った体から立ち上がる湯気、そして重力に従う無防備な曲線。 脳が、本能が、主人の意志を無視して火を吹いた。


『警告:マスターの心拍数および血流量が急上昇。海綿体への血液流入を確認。……マスター、この状況で「興奮」ステータスを生成するのは、生存戦略上、致命的なエラーです』


(分かってる、分かってるけど、無理だろこんなの……!)


祐二は必死に理性を稼働させようとするが、こぼれ落ちる汗が、皮肉にも彼の「生理的な反応」を加速させていく。


「……アンタ」


冷え切った、それでいて熱を帯びた声が上から降ってきた。 ラナがようやく、自分が「一糸まとわぬ姿」で剣を振るっていた事実に、そして祐二の視線の先に何があるかに気づいたのだ。


「っ、この…………けだものがッ!!」


カッと頬を赤く染めたラナが、片腕で胸元を隠し、もう片方の手で剣を握り直す。 彼女の瞳から先ほどの戦慄は消え失せ、代わりに、底冷えするような「嫌悪」が祐二を貫いた。


「…………ッ」


祐二が顔を上げると、そこにはゴミ捨て場の産業廃棄物を見るような、あるいは靴の裏に付いた汚物を見るような、徹底的な軽蔑の眼差しがあった。


「謝れば済むと思ってんの? その……汚らしい格好で、地面に這いつくばって、そんな……卑しい目を向けて。アンタ、人間ですらないわね」


対象ラナからの好感度が測定不能なレベルまで下落。代わりに、「不浄物認定」が 99% を超えました。……おめでとうございます、これである意味、警戒対象(脅威)からは外れました。単なる「不快なゴミ」として』


「……ギフトさん、フォローになってないから」


地面に額を付けたまま、祐二は絶望した。 死ぬほど申し訳ないという誠意と、抗えない生理現象。その矛盾が、異世界での彼の評価を「得体の知れない暗殺者」から「救いようのない変態」へと、一気に書き換えてしまったのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ