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異世界に転移した俺、なぜかAIも一緒に来てました。

最新エピソード掲載日:2026/02/05
ブラック企業で心身を少しずつ削り取られていた、二十七歳のSE、田所祐二。
四十時間連続勤務という限界の縁で、彼はパワハラ上司からの無機質な電話を受け、自分の価値を数値のように切り捨てられていた。

夜の交差点。
信号を無視して突っ込んできたのは、黒く艶めく高級ミニバンだった。
衝撃、浮遊、そして路上。

跳ね飛ばされた祐二を置き去りに、加害者の若者たちは車を囲み、
「買ったばかりの新車が汚れた」
「修理代が……」
と、命よりも塗装を気にかける言葉だけを残し、闇へと逃げていく。

冷たいアスファルトの上で、祐二は悟る。
守られるべきものは、自分ではなかったのだと。

そうして彼は、絶望を吐息に変え、静かに息を引き取った。

死後の世界で祐二を迎えたのは、期間限定イベントの周回に没入し、彼を「ゴミ」と呼ぶことにも躊躇のない女神だった。
ノルマ達成を最優先とする彼女は、説明も責任も放棄したまま、祐二を異世界へ送り出すと決める。
生前、彼が手放さなかった仕事道具――懐中電灯とスマホは、気まぐれに
『聖なる導きの杖』
『万能の預言書』
と名付けられ、意味も用途も告げられぬまま手渡された。

次の瞬間、光は断たれ、祐二は深い森の闇へと落ちていく。
女神の視線はすでに画面の向こう。彼の運命など、周回効率の外だった。
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