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大丈夫、もう好きじゃないから。

作者: 相間 暖人

実話?手紙?妄想?そのあたりを想像して読んでいただけると嬉しです。

また、男性視点、女性視点からでも楽しめると思います。

あれは僕が20歳の頃だったろうか。

高校生の時に話しかけられなかった君と女友達の協力を得てデートできる事になったのは。

勿論、嬉しかった。デート当日までドキドキして幸福を感じていたよ。

けれど、君とのデートはお世辞にも楽しかったとは言えないね。

僕のやる事なす事に「なんで?」と言う君に僕はどんどんと言葉を失った。

待ち合わせ場所に二人きりで会って向かった映画館、君は「なんで?」と言う。

見たい映画で楽しそうだから一緒に見ようと誘ったけど、その後の会話も盛り上がらなかったね。

映画を見た後ならお互いに感想を言い合うのが楽しみだと思っていた、けど君は僕の感想に「なんで?」と聞いてきたんだよ。

その後にはご飯を食べに行ったね、どこのお店で食べようか色んなお店がある所に行ったけど、僕が選んだラーメン屋に「なんで?」と君は言った。

ご飯を食べてたら普通に「美味しい。」「味が濃い」など二人でいたら感想を言うのが当たり前だと思っていた。

けれど僕の「おいしいね。」という言葉に君が返したのは「なんで?」。

正直もうこの頃には語彙力のない僕はお手上げだったのかもしれない。

けれど、君の可愛い横顔、学校で見せていた笑顔が好きだったんだ。

そのまま盛り上がらずにお昼ご飯を食べてからもう帰る事になってしまったね。

高校出てからどうしてる?という話題でさえ「なんで?」と聞いてきた君。

もう家の前につく頃に必死の思いで次のデートに誘おうと思い、次空いてる日を確認する僕に君が言ったのは「なんで?」だったね。

僕はその言葉に何も返す事ができなかった。


結局、それ以来二人が合う事はなかった。仲介してくれた女友達とも話す機会はなくなってしまったよ。

正直、あれからは友達に愚痴ったり、「なんで?」ってこっちがなんで?だよと考えが滅茶苦茶になってトラウマになってしまったね。

でも、歳月が流れていく中で僕も他の女性とデートしたりお付き合いもする事があって、ふと君の事を思い出すんだ。

あの「なんで?」の裏には「好き」と言ってほしいという気持ちが隠れていたのかも。

けれど、僕の事が好きじゃないから、わざと「なんで?」という言葉で僕を困らせて遠ざけようとしたという考えもできるよね。

答えはあの空間にいた二人にしかわからないんだろうけど、当の本人の僕にもわからないんだ。

このモヤモヤとした感情はね、40歳を迎える僕の心に今でも染みついている。

大人になってからはお酒を飲む事も覚えてその状態だったら君の事も忘れられた。

就職をしてからは、お客さんの事を考える事を学んで、相手がどう思っているのかまでを考えるようになった。

そうだね、あのデートの日は僕は自分本位で動いて話して、君の気持ちを考えれてなかった。

でも、許してくれよ。

あれが僕の人生で初めてのデートだったんだ。というか女性とも殆ど話さない学生生活だったから何をどうすればわからなかったんだよ。

未熟な僕もいろんな事を学んで活かしてきたつもりさ、でもまだ振られてる事の方が多いんだけどね。

ただ、恋愛の事になるといつも君を思いだしてしまう。

たまに、本当たまにだけど今の君に会って、成長した僕と一緒にデートに行ってもらいたいと思う事もあるんだよ。恐れ知らずなのかな?

楽しくなるはずだった君とのデートが破綻していったのは何故だろうと考える。

結婚はまだだけど、おそらく結婚してからも誰かを楽しませようとする度に君の事を思いだすんだろうね。



でも、大丈夫、もう好きじゃないから。

それが20年の歳月で出した僕の一方的な答え。「なんで?」の言葉には自信を持ってお答えできるよ。

未熟な男女と歳月がたったあとの男女の関係を書きました。

ずっと思い続ける恋愛ってあるんですよ、例えそれが幸せあ思い出じゃなくても。

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