48品目 スッキリしたね………
「とりあえず話は後だ、アイツからなるべく離れるぞ!」
メンドはできるだけ才牙から距離を取ろうと距離をとろうと高速移動を駆使し住宅の屋根を飛び移っていく。
「………うん?」
そんな中、メンドは足に違和感を覚える。
「なんだよコレ……足が、もたつく……」
メンドは自身の足がどんどん動かなくなる感覚に陥る。
「まさか、裕太の体力が………」
恐る恐るデリッシュが呟く。
「マジか!?大丈夫かよ裕太!?」
メンドは体内の裕太に問いかける。
(オレの事は……気にしなくて、いいからさぁ………)
「お前、ヤバいなら早く言え!」
(言えるわけないじゃん……デリッシュに伝えなきゃ。)
「お前が伸びたら元も子もねぇよ!」
裕太とメンドの問答をデリッシュは怪訝な目で聞く。
「さっきから一体なんの話をしてんの?」
2人は固まるがデリッシュにとっては当然の疑問であった。
すると突然
「全員まとめて死ね!」
首根っこを掴まれていたサシミモリか暴れ出す。
「コイツ、ヤケになりやがった!」
メンドは背中を蹴りサシミモリを空中に落とす。
「コレを喰らえ!」
空中に落ちながらサシミモリは自身の手で熱したイクラを投げつける。
イクラはメンドの体にぶつかり熱い汁が弾ける。
「きゃっ!」
手足を露出していたデリッシュの肌は汁を守るものがなくまともに熱湯を被ってしまう。
(バーナード……!)
「ハハハハ………もうこうなった以上、やったモンガチだ…!ハハハハ!ハハハ!!」
精神的に追い詰められ逆に我に帰ったサシミモリは壊れたレコードのように笑い続ける。
「コイツ……いい加減にしろ!アディショナル!」
怒りが頂点に達したメンドはゲキカラフォームにチェンジし着地する。
「………ハハハ!ハッハッハッハ!」
地面に受け身もとらず落ちたサシミモリは体を痛みから震わせ痙攣しながらも笑う事を続ける。
「コイツめ!デリッシュ、ここにいろよ。」
「一体何が何やら……」
デリッシュはただ状況に混乱していた。
「うぅ!」
そして即座に自身の太ももや二の腕に反射的に手を当てる。
彼女の白い肌は熱されたイクラの汁によって赤く腫れ上がっていた。
メンドは近寄るとサシミモリの左腕を掴む。
「オラァ!」
そして彼の手からフィディッシュブレスを剥ぎ取った。
フィディッシュブレスが取り外され、サシミモリは変身解除しバーナードの姿を表す。
「……うん?」
熱さに苦しみながらもデリッシュは相手の顔を見ようと顔を近づけるがメンドがかぶさりよく見えなかった。
「ハハハハ!アハハハ!」
変身解除されながらもバーナードは笑い続けていた。
「待って……この声どこかで…………」
デリッシュは目の前の顔の見えない相手の声に酷く懐かしさを感じる。
「目ぇさませ!」メンドは胸ぐらを掴み上げると辛味成分の粉をバーナードの口に突っ込む。
「ハハハゴホォ!ぐほぇ!がは、ごへ!!」
笑い続けていたバーナードも応えたのか喉を抑え苦しみ出す。
(メンド、もうダメみたい………)
「分かった、しばらくひっこんどく。」
裕太から直接体の限界を告げられたメンドは自ら変身解除する。
「ぐああっ!!」
裕太は疲労からその場に崩れ落ちるがすぐ様バーナードに寄りそう。
「コレ、口に含んで……」
ベンディングに渡されたスポーツドリンクをバーナードに飲ませる。
「そのまま口の中をゆすいで吐き出して。少しはラクになると思うから………」
そして何度も口をゆすがせ背中をさすってあげた。
裕太は自身が彼以上に満身創痍でありながらも彼を介抱する。
「げほぉ!!………ハァ……ハァ……何故助けた?」
バーナードは正気を取り戻し立ち上がると視線の先には
「ボノケーノ…………?」
瞼がはち切れんばかりに目を見開きこちらを見る姉の姿が飛び込む。
「なんで……ハッ!」
その瞬間、バーナードは自身の腕にブレスがない事に気づく。
「デリッシュ……言うの…遅くなって…ごめ……ん」
裕太はおぼつかない足取りでデリッシュの元に近づく。
「今のフードファイターは………侵略宇宙人で………デリッシュのおと……うとで……」
デリッシュの目からは理屈を超えて涙が溢れ出す。
「惑星ショークが……なくなったのは……彼が情報を横流ししたからで……」
裕太は声が掠れ息が絶え絶えなりながらも自分の言葉で事実を伝えていく。
「………………」
裕太の懐からメンドは黙って顛末を見守っていた。
「ホントは、もっと前から知ってて………言うつもりだったんだ……けど」
そして裕太はデリッシュの目の前に立つ。
「………ごめん」
裕太は頭を下げてそのまま倒れる地面に頭を打つ。
「………なさい…」
裕太が気を失った瞬間、デリッシュは大粒の涙と共に嘆いたのだった。




