45品目 冷たい尋問の結果
「どう?尋問は進んでるかい?」
F.F.Fを復旧させた掛達一向は菓子折邸のとある部屋のドアを開ける。
「ああっ!アレは!?」
裕太は目の前の光景に目を見開く。
「ちょっと落ち着いてもろて!落ち着いてもろてギャアア!!」
「ホラ?かき氷食べません?夏にピッタリグホオオ!!」
そこにはフローズン達を超能力で手玉のように転がしているハルムとシルラの姿があった。
「はーちゃん見て!アイツ!」
そんな中シルラが裕太の存在に気づく。
「メンド……アンタだけは許さない!」
「アンタを見ると決まってシルラの虫の居所が悪くなるんだ、変えてもらう!」
2人はフローズン達を放置し裕太の元へ飛び掛かる。
「「「オーダー!」」」
裕太、完人、英二の3人は即座に変身し応戦する。
「所長さんは逃げて!うわあ!」
掛に呼びかけたピッザァー達3人は共々壁を突き破り吹き飛ばされてしまう。
「大丈夫か!?」
「うう…………」
掛は壁の穴に近づこうとするが後ろからフローズン達の呻き声が聞こえ即座に方向転換した。
「お前達も大丈夫か!?」
「なんとかこの通り……ヘッチャラッスよ。」
「へのカッパっすよ………」
「おお……なんか本当に大丈夫そうだな……?」
あまりにも軽い返事が返ってきた事に掛は幾分か拍子抜けしてしまう。
(いや、でも立ち上がれてない時点で相当キツかったんだろうな…………)
彼らはやせ我慢をしている事は彼らがその場から一歩たりとも動いていなかった事が物語っていた。
そんな中
「尋問もある程度はやりましたよ…」
コールホールのみはまだ立ち上がる気力が残っていた。
普段よりおぼつかないながらも自分の足で歩き掛の元に近寄る。
「それはありがたい!どんな事が聞けた!」
「まず奴らの目的から……あの2人組は、超能力を扱えます。そしてその超能力で建物の中の人間達全てを拉致し、あの……緑色の液体の原材料にしていたんですよ。」
「そりゃ本当か?人間が原材料?」
「色々な星の宇宙人の生体エキス抽出して作ってたみたいですよ。で、オレや英二みたいな幽霊の存在は抽出された生体エキスが霊体の体に反応してめちゃくちゃアツいというね……」
掛は足の力が抜けたのかその場に膝をついてしまう。
「…………なんだって?て事は…たまに人が……消えるとかナントカ言ってた怪事件って………」
次第に言葉がしどろもどろになっていく。
「彼らがF.F.Fで売り捌いていた違法アイテムの材料が足りなくなったから…地球人で補おうという話になったらしくて。」
真相を知った掛はあまりの非道さに言葉がしばらく浮かばなかった。
コールホールは掛の心情を察してか。
特に聞かれずとも話を続ける。
「そして、朗報もあります。拉致された人間達はまだ生き残ってると。今の所は材料として保管されてる段階みたいですね、ただタイムリミットは話を聞いてる限りは今日の夜の10時まで。今午前の11時半なんで残りあと11時間……」
「その人間はどこにいるんだ!!」
掛はコールホールの肩を掴み叫びながら尋ねる。
「それも含めてアレやコレや今聞き出そうとして……結果みんなボロボロに……」
「……そうなのか。」
掛は再び落ち着きを取り戻す。
「人命救助にそんな躍起になるとは思いませんでしたよ。失礼かもしれないですけど……あの新所長の事で頭いっぱいだと思ってましたから。」
「まぁ間違ってはない。でも………オレはF.F.Fを取り戻したい。楽しいゲームを取り戻したい。そのためには、関係ない人間が知らない間に死んでるような状況じゃダメって思うんだよ。」
(こんな真面目モード見たことねぇ………)
コールホールは険しい表情で語る掛の姿に内心驚くと同時に感心していた。
「まぁ、オレもF.F.Fを取り戻したいってか取り戻す。願いを叶えられないとかありえないから。」
「つまり救出作戦に協力してくれるって事か?」
「まぁ、そういう事になりますね。幽霊の手でいいならですけど。」
掛の顔がぱぁっと明るくなった。
(千春………少し寄り道になるけどごめん。でも待ってて。オレはお前の事を忘れないから。)
クリームが頬についた横顔を思い浮かべながら、コールホール──凍真は決心した。




