40品目 裏側の裏側
菓子折邸──
英二と完人が掛によって緊急召集されていた。
「なんだって〜!!」
「声がデカい!」
英二は完人に首を絞められ黙り込む。
「まぁ………お前がそうなる理由もわかるぞ、英二。掛、今の……………戯言ではすまんぞ。」
完人の視線は目の前にいる掛を離さんとばかりに見つめる。
「もちろん本当だ。舞味が………いつの間にか消えて………た。」
掛は唇を振るわせながら定まらない視線で挙動不審気味に答える。
「すまない、オレのせいで…………」
掛はその場に崩れ落ちる。
「過ぎた事を悔やむな。とにかく急いで探そう。」
完人は項垂れる掛の肩に手を置く。
「完人さん痛過ぎ…………うん?」
英二のスマホに通知が来る。
「完人さん、所長さん………」
通知はF.F.Fアプリからのものだった。
早速ブレスに携帯をかざしアプリを起動する。
「明日16時に重大発表?」
運営からの報告はそれだけだった。
「才牙………人の心を失っちまったってのに、告知あるある『告知の告知』を使いこなすなんて…………」
「どこに引っかかってんスか!?これってヤバい奴ですよね?」
「あぁ……やはり事務所に殴り込むしかないぞ。覚悟は出来てるか?掛、英二。」
英二は即座に頷くが掛は微動だにしなかった。
「所長さん………まって今度は凍真から電話…」
英二は凍真からの通話に出る。
「もしもし?」
「こちら冷凍集団フローズン。宇宙人を生け取りにしました。」
「………は?」
あまりの事に英二は理解が追いつかなかった。
頭が真っ白になっている隙に完人に携帯をひったくられる。
「どういう意味だ。詳しく説明しろ。」
「氷漬けッスよアニキ!」
不意にキーンアイの声が響く。
「氷漬け?」
「えぇ、ことの始まりは怪物化したフードファイターがうじゃうじゃいる所にフローズン全員で向かった時です。」
「小ちゃい女の子二人組がいたんだよねー?」
「そそ!で、オレたちを見るなら成長し出して!」
「なんかすごい、テレビで見るような、ハンドパワーみたいなし始めた凄かったよねぇ〜!」
「うっうん…………」
完人は中身のない会話ばかりするフローズンに次第に苛立ち始める。
「そして!オレが『コイツら氷漬けにして洗いざらい知ってる事吐かせればいいんじゃね?』って提案したんですよ。まさか、こんなあっさり成功するとは思いませんでしたけどね。」
空気を読んだ凍真──コールホールは無理やり携帯を取り上げるとシルムとハルラを閉じ込める分厚い氷塊を叩きながら呟く。
「なるほどな………では、掛のいう通りの場所のその宇宙人を運べ。分かったな。」
完人は通話を切った。
その頃
「あぁあぁすいませんすいません………あとすこーしだけ待ってもらえます?あぁハイ、ハイ、もちろん仰る通りでございます。ではすいません……ハイ。」
グトンは何度も頭を下げながら何者かとの通話を行っていた。
「ふぃ〜怖い怖い。」
グトンはため息混じり呟きながらアイスコーヒーを流し込む。
「ぷは〜!!この星の夏はこれがないとやってられねぇわ!」
グトンはアイスコーヒーの魅力に取り憑かれていた。
「さてと………そろそろ才牙さんもクライマックスなんで……準備しなきゃなーっと。」
そう言いながらグトンは手をかざすと彼の目の前の空気が歪み虚空に穴が出現する。
グトンが穴をくぐると即座に穴は消え、辺りは何事なかったかのように変わらぬ時間が流れた。
「なんだアレ……ランザン星人があんな事出来たか?」
バーナードはグトンの不可解な行動に首をかしげた。




