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35品目 波に乗っているバーナード

裕太はコガシショウユフォームのチケットを構えたが

「ああっ!!」

すぐ右腕を抱えてその場にうずくまる。


「もうやめろ!今のお前は戦える状況じゃねぇ!次覚えてろよ!ぜってぇオレ達が、あっさりたおしやっからな!」

「行くんなら行け。さっさとオレを倒そうとフードファイター達がオレをひっきりなしに呼び出してて忙しいんだ。」

わざとらしくため息を吐きながらバーナードはその場を後にする。


「ちきしょう………」

メンド達は悠々と歩くバーナードの姿を黙って見ることしかできなかった。


(まだ殺しはしない………首を洗って待ってるんだな。)

バーナードの脳内には燃やし尽くされた裕太の首を砕く自分の腕が浮かび上がっていた。


「10人同時で!?」

「アンタ、本当に大丈夫か?冗談抜きで死ぬぞ!」

バーナードを囲む10人のフードファイター達は彼の発言にざわめき出す。


「まだオレを待ち侘びてるフードファイターがごまんといてな。1人1人やってたらキリが無いから全員一気にかかって来いって言ってるんだ。」

バーナードは手を仰ぐ。


「コレって全員でやったら裁定はどうなるんだ?」

「確かに!これ確かサシミモリを倒したフードファイターは問答無用でマスターランクに行けるルールでしたよね………」

その瞬間、彼らの携帯にF.F.Fアプリに通知が来る。


「プレイヤーの皆様へ

日々Food Fighter Fearlessをプレイ頂きありがとうございます。

現在開催中のイベント『豪円の戦士を倒せ』についてですが、複数人でサシミモリとの戦闘を行う場合サシミモリを倒した時点でサシミモリにダメージを与えたフードファイター全員をマスターランクに昇格する事と致しました。

今後ともFood Fighter Fearlessをよろしくお願い致します。」

その場の全員が顔を見合わせる。


そして

「オーダー!」

「オーダー!」

次々とフードファイターに変身してバーナードに向かっていった。


「……………」

バーナードは変身することなく彼らの攻撃をそつなくかわしていった。

「なんだコイツ!?」

「変身してないのに………」

戸惑うフードファイター達をよそに手から炎を出し体を回転させる。


その瞬間バーナードを始めとした10人のフードファイター達は壁のように立ち昇り弧を描く炎に囲まれる。


そしてバーナードは炎のリンクの中で

「オーダー」

と呟く。


そして数分後。

炎による円陣は大量の放水によって一瞬で消失する。

煙の中からは無傷のサシミモリは力無く倒れるフードファイター達を避けて歩き次の目的地へと淡々と歩みだした。


翌日──

「インフェルノコーク!」

「トッピング魔法!シュガーパウダートリック!」

「ウゥゥーーガアア!!!」

ピッザァーとパルフェクトの2人は今日もチケットと液体から作り出したフードファイターの怪人を対峙していた。


「この辺にいたのは全部やりましたよね。」

「うん。そうだと思うよ。」

(いつの間にか英二とパルフェクト、随分と距離が近くなったな。)

「そうですかね?」

英二達が笑い合っていると


(おい、構えろ。異様な気配を感じる。)

完人が突如として声を顰める。

「完人さんが言うなら、間違いないッスね……」

ピッザァーとパルフェクトは背中合わせに警戒体制をとる。


「十分このフードファイターの力も使いこなせた。そろそろメンドを殺りにいくか……」

完人達の元にはバーナードが近づいていた。


「アイツらは……確か。」

バーナードは才牙に電話をかける。

そして遠目に映るフードファイターの情報を伝えた。


「アイツらは実際の順位で言えばどれくらいの強さなんだ。」

「パルフェクトは50位くらいの強豪だ。その上2つのフォームチェンジを扱う。ピッザァーの方もそうでも無かったが、最近はパルフェクトに引っ張られてから150位……くらいの強さは持っているだろう。」


「なるほど。倒して良いのか?」

その問いに才牙は少し間を置いて

「あぁ、存分にやってやれ。」

はにかみながら答えた。

(掛、お前の懐刀がいかに脆いかどうか。現実を突きつけてやる……)

才牙は剃刀のような歯を見せてニヤリと微笑んだ。

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