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34品目 燃える舟盛り

「何故フードファイターの力を求める?」

「それは………」

才牙からの真正面の問いにバーナードは言葉に詰まる。


「まぁそんなとこだろうな。」

沈黙するバーナードを才牙は嘲笑う。


「あいにく席は埋まってる。F.F.Fは参加人数1000人と決まっててな。混乱を避けるためそこは厳守してるんだ。そこの根幹をくずすとなると……」

才牙は椅子から立ち上がるとゆっくりと掛の横を通り過ぎる。


「それ相応の物を観客もプレイヤーも求めるつもりだ。」

そう言いながら何かを床に放り投げた。


バーナードは落下物の方向に目を向けるとそこには

「は……!」

フィディッシュブレスと一枚のフィディッシュチケットが落ちていた。


「もちろん、オレも求める。それだけの覚悟と気概がお前にあるか?メンドを倒すなんて単純な復讐などから誰も興味なぞ持たん事は頭に刻んでおくんだな。」

厳しい見解を述べながら部屋を後にする。


(才牙さん、随分と厳しいと同時に……)

グトンはパソコンの画面を一瞥する。

(なんて白々しい………)

そこには『強化イベント第4弾!豪炎の戦士を倒せ』というイベントの内容が載っていたのだった。


一方その頃

「わぁおいしそ〜!」

「…………うん。」

2人はカフェに向かっていた。


冷房の行き届いた店内で2人は暑い夏にぴったりなスイーツを堪能していた。

「このストロベリーとマスカットのフラッペ、一回食べてみたかったんだよね!裕太ありがとう!」

デリッシュは満面の笑みでストローに吸い付く。


「いや、別に……」

裕太はメロンの果皮を器に使った果肉入りかき氷を口に運ぶ。


(はぁ………いい絵顔で食べるなぁ。)

裕太の心はデリッシュを壊したくない一心であった。

(でも……言ったら……)

それを口にした瞬間、この表情を跡形もなく壊してしまうのではないか。

裕太は恐怖に苛まれていた。


「全くどうなってんだろうな!所長はいきなり変わるし、爆発事故は起きるし、イベントが畳かかるし、ここん所色々起きすぎだよなぁ?」

突然大きな声でポケットの中からメンドが言い出す。

「え?何どうしたの……」


メンドの声にデリッシュもストローをかき混ぜながら反応する。

「わたしもニュースで見たよあの爆発事故!裕太大丈夫だった?高校の近くだったんでしょ?」


「いや、大丈夫だよ………」

裕太は嘘をつく。


「ふうん………」

デリッシュは神妙な顔で裕太の口元を覗き込む。


「事故現場の近くでラーメンの麺とスープが落ちてたって報道されてたんだけど?」

「えぇ?」

「はぁ?オレ知らねぇし!!別に体育館に行ってねぇし……ハッ!」

メンドは慌てて口走ってしまう。


「裕太……」

「いやデリッシュ違うんだよ!それは……」

裕太は弁明しようとすると口を摘まれる。


「罰として、フラッペもう一杯奢って。あとそのかき氷も一口ちょうだいね。」

眉を上げて細い目になりながらデリッシュは言う。

「ひゃ、ひゃい……」

(は、はい……)

裕太は従うしかなかった。


「いやカップルやん………」

「おいノンデリ、そんなのジロジロ見るな。」

その姿を偶然と同じ店に来ていた掛と舞味は目撃していた。

掛の頭を舞味は鷲掴みにして無理矢理視線を逸らさせた。


「え?2人とも、生きてたんスか?」

「い、意外と無事そうだな……?」

目の前に2人がいる事に裕太は目が点になる。

「ロクな事がねぇんだろ。コレ食った後でいいから全部教えやがれ。」

メンドは語気を荒くして訴える。


「い、いやそれは良いんだけどさ……」

掛は苦笑いをしてしまう。

「何ですか?」

「その姿、完全にカップルじゃん………」


掛の目の前には自身のスプーンでかき氷を差し出す裕太とそのかき氷の乗ったスプーンを咥えるデリッシュの姿があった。


「いやいやいや!そんなんじゃ無いですよ!!」

裕太とデリッシュは顔を赤くしてすぐさまスプーンを遠ざける。


「いやでも私は嬉しい。そもそも年頃の男女が付き添っててこうならない方がおかしいと思うから。」

「お前人のこと言えねぇじゃねえか。」

キリッとした面持ちで舞味が呟き掛が思わずツッコミを入れる。


「それ言ったら、年頃の男女って2人も当てはまるんじゃ無いんですか?」

裕太は思わず反撃に出る。

「「絶対無理」」

2人は全く同じタイミングで言い張るのだった。


「でしょ。そもそもオレは地球人だし、デリッシュは女王様なんだからさぁ、ホント冗談キツいですよ……ねえデリッシュ?」

「う、うん。そうね………」

デリッシュも裕太の言葉に概ね賛成だった。


(そう、裕太の言ってる通りなのに……なのに……)

デリッシュは再びかき氷を食べ始める裕太の顔を見る。

彼は自身の口の入ったスプーンを平然と使用していた。


(え?何この感覚…………)

僅かに。極々僅かであったがデリッシュは裕太の顔を直視出来なくなっていた。


それから2日後

「ヤベェ、コイツ前より強くなって」

「オイオイ口よりも手を動かせよ!!」

「どあああっ!!」

ミソフォームのメンドはとある敵に劣勢を強いられていた。


「フレイ•リキッド盛り合わせ!」

相手のフードファイターは炎と水を両手から出し、巨大な船造りの形のエネルギー弾をぶつける。


「ミソビックバン!ぐあああ!!」

メンドは必殺技で応戦するかなす術なく押し潰されてしまい変身解除する。


「なんて強さなんだ……」

「そもそも、なんでお前がフードファイターなってんだよ!バーナード!」

地面に倒れる先にいた船造りのフードファイターはチケットを引き抜く。


「別に。ただイベントのために船盛りのフードファイター、サシミモリをやってるだけだが?まぁ、お前は色々あったから少し本気を出したかもな?」

フードファイターとなった彼の目は座っており覚悟が伺えた。


「うぅ………」

裕太は起き上がりながらコガシショウユフォームのチケットを構えた。





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