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臆病

 結城愛実はEVER MOREのオーディションに合格した。


 そして、EVER MOREはいきなりデビューシングルの「DAISUKI」が週間オリコン一位を獲得し、たちまち人気グループになった。


 「DAISUKI」のセンターは愛実だった。


 愛実はたった三ヶ月ほどで変わってしまっていた。事務所の意向だろう、肩まで垂れていた髪をばっさりと切り、ショートヘアになり、キリッとしたキツネ顔がメイクによって、あどけない感じに変えられてしまった。最初の方は、まだ「クール」さが残っていたが、彼女はどんどん「キュート」系にされ、しまいには「こんにちは。あなたのハートに狙い撃ち。恋のスナイパーこと結城愛実です!!」なるキャッチフレーズが生まれてしまった。


 愛実のよさを打ち消されてしまっているようで、俺は何だか哀しくなった。


 愛実はこれでよかったと思っているのだろうか。


 俺はLINEで愛実に「元気か?」、「大丈夫か?」の一言でもいいので送りたかった。


 だが、送れなかった。


 俺はもう彼氏ではないのだという思いや、ただの自己満足の愛実にとって迷惑なおせっかいだという思いが俺の中にあったのだ。


 もしかすると、こういうところが俺の「臆病」なところなのかもしれない。


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