第二章プロローグ 創世の玉座
今更ですが二章をより楽しむためにプロローグ作りました。伏線バリバリあります。
とある玉座にて、頬杖をつきながら地上界を見下ろすひとりの女神。
そんな女神のもとへ、白髪の、これまた女神がやって来た。
「あなた、冥界の仕事はどうしたの?」
トン、トンと部屋に靴音が響き渡る。白髪の女神は優しく微笑んだ。
「大丈夫よ。あの魂たちはちゃんとしてるから。それより、下の方はどう?」
透明の床から見える、人々の喧騒。そんな中に、1人で歩く黒髪の少年が映っている。
「今期はまだあまり分からないけど、いつもより激戦になるような気がするわ」
「それにしても――」
白髪の女神は、やれやれといった表情で腕を組み、下を眺めた。
「あの男はどこにいったんでしょうね。琴提樹のあれもこれも、全部持っていっちゃって」
「そうね――」
女神は頬杖をつきながら、どこか上の空のようだ。
それを見た白髪の女神は腕を解き、1回大きくけのびをした。
「じゃあ私そろそろ冥界に戻るね。シルちゃんも、しっかり仕事しなさいよー」
女神は小さく手を振り、遠ざかる背中を見届けた。その背中に生える、6枚の大きな翼を羽ばたかせた背中を。
誰もいなくなった玉座で、女神は再び下を見下ろし、そして小さく呟いた。
「天性眼……ね」
女神たちが見守る中、能力者たちの物語は加速していく――
さて、これからどうなっていくんでしょうかね──




