10話 はじまりの夜 前編
未改稿。拙い文章です。
それは、子どもの頃の物語────────────
あの日の夜からオレの人生観が180度変わった。
オレの名前はしきりだ シゲもり、小学四年生です。
オレは『あの人』のようなヒーローになるため日々とっくんしている。
まあ、3日目なんだけど。
でも、だれもこまった人はおらず、いつもの平和な日じょうだ。まあ、それが一番なんだけどね。
でも、オレには1人の心強い仲間がいる。
さかまきのジジイっていう人で、その人は元大まじゅつしらしく、オレが小さい頃からの付き合い。
ずっと大まじゅつしなんてウソだって思ってたけど、あの日以来少しずつ信じはじめた。
さかまきは、はじめてオレを見たとき「これは地球誕生以来の存在だ!」なんか言ったらしい。おもしろいジジイだよね。
まあ、こんな話はさておいて、今はさかまきからよび出されたんだった。
「緊急事態じゃー」って休みじかんにオレのところにかけよってきて、けいびいんのオジサンにつまみ出されていた。
もう、はじをかいたのはオレだったんだからね。
とにかく、オレは今さかまきと待ち合わせをしている天月神社に向かっている。
神社が見えてきた。
めんせきこそは小さいが、けっこう立ぱな建物だなぁっていつも思う。
「おーい、さかまきのジーさんー」
「おお!来たか」
さかまきは鳥居の横で立っていた。
オレに気づくと、すぐにかけよってきた。
「それで、緊急事態ってなに??」
「君の仲間がすぐ近くにいたのじゃ!!」
「え、どういうこと?」
さかまきは指をピン立てて言ったが、オレには全く理かいできない。
「君は、50人いる能力者のうちの1人ってことは知ってるよな?」
「うん、50人だけすごい力を持ってるんだよね」
「残りの49人はワシ以外は分からないよな?」
「うん、そうだよ」
「でも、見つけたんじゃ!
この目で、2人の能力者を!!」
「なんでわかるの?」
「魔術師たるものそのくらいはわかる。」
なんかむずかしそうな話だけど······
「つまり······どういうこと?」
「おいぃぃぃ!!!」
さかまきはズッコケてそこからため息をついてから
「つまり、君の近くに2人の能力者がいるってことじゃ」
「あー、なるほどね!」
何となく分かった。
なんか同じことをずっと聞いてるような感じがするけど、なんか今度はちゃんと理かいできた。
「だから、君にはその2人と仲間になってほしいんじゃ」
「なんで、なかま?」
「だって、仲間が多いと心強いじゃろ?」
「そっか! てきを48人から46人にへらせるってことか!」
「まぁ、そういうことじゃ!」
「それで、それはだれなの?」
「それはな──────」
そんなシゲ盛と坂巻の会話を、陰で楽しそうに見ている少年がいた。
「······いいねぇ」
その少年の周りには、たくさんの花が咲いている。
風が吹いた。
その風からは甘い花の香りがした。
その少年の姿はまさに優雅といえる。
まるで花園に咲いている花の如く。
「なんだよ!知らないとか!!」
オレは怒っている。
あんなにもったいぶって『名前が分からない』って、『だからがんばれ、君ならできる!』っておかしいだろ!
プンスカプンスカ。
「じゃあ、陣田くん。ここのところ読んでくれる?」
プンスカプンスカ。
「おーい、陣田くーん」
プンスカプンスカ。
「おーい、意識あるかなー?」
プンスカプンスカ
1時間後······
まあ、怒っていたってしょうがない。
近くということは、学こうの人か、
とりあえず辺りを見わたす。今はお昼休み、みんな元気に遊んでいる。オレはいつもはあそんでいるけど、今日はガマンしている。
うーん、いないなぁ。
10分くらいたってもそんな人はいない。
本当にさかまきのジーちゃんは見たのか?
でも、あのようすだと見たようだしな······
あっ、もしかして
経けんが豊富なさかまきのジーちゃんには分かってオレには分からないってやつ?
つまり、年のカン
さかまきは68年いきてるから分かることだけど、オレはまだ10年しか生きてないから分からないってことか、
じゃあどうすりゃいいんだよ。
さかまきのジーちゃんはそこら辺のツメが甘いなぁ。もっと人の気持ちになって考えてほしいもんだよ。
まったく、いい年してんだからしっかりしてよ!
10歳の少年に指摘される68歳の男とは一体······
「はくしょん!!──────ちょっと風邪気味じゃのう······」
そして放か後、一応あたりを見わたす。
すると、だれかが走ってきた。
「おーーい、シゲもり!!今日あそばねーか?」
友だちの凛島くん。名前の漢字がとてもむずかしい。
「ごめん、今日もダメだわ」
りんじまはいっしゅん残ねんそうな顔をして、
「さいきんどーしたんだ?」
とオレに聞く。
「ちょっと忙しくて」
オレはあやふやに返す。
りんじまは
「そうか、そんじゃあまた明日」と言い、走り去った。
元々オレはけっこうあそぶタイプでみんなが言うには『ようきゃ』ってやつだったけどあの日以来ずっとあそばずにかんさつとかをしている。
それは心ぱいするよな。でも、今はあそべない。すまない!りんじま。
言及すらもしなかった凛島に感謝するシゲ盛であった。
だが、それが『今は』ではなく『ずっと』になることはまだシゲ盛は知らなかった。
すると、オレはある光景が目に入った。
3人のヤツに1人の子が囲まれている。
そして、何かをされていた。
その子はとてもいやがっているが反こうできない。
「またあいつらか······」
この光景はよく目にする。
真坂、中田、吉村の3人がその子をいじめているのだ。その子は確か······沖俵くんだったっけ、いつも3人にいじめをされている。
「くっ······」
オレはやるせなさを感じる。
おきだわらくんはいつものきょう室で本をよんでいる大人しい子だ。一方あの3人は、オレですらコワイくて何もできないほどのヤツらである。
弱いものいじめってやつかな。
もちろんおきだわらくんは反抗できない。
オレはずっと見ているだけ。
1歩がふみ出せない。
こぶしを固くにぎりしめる。
こんなところで勇気が出ないなんて······
ヒーローなんか言えたもんじゃない。
そして、3人が引き上げる。
オレは結局何もできなかった。
また『いつもどおり』だ。
3人は笑いながらどこかへ行き、のこされたおきだわらくんはなみだをふいてかおを洗いに行く。
もう見てられない。さっさと帰ろう。
だが、帰れなかった。
今日は『いつもどうり』とはちがったんだ。
それはたった一言。
でも、それはとても大きなもの。
「もう······やめて······ください……」
おきだわらくんはそう言ったのだ。
なくことをガマンし、必死に言葉をつむいで、
その一言のためにどれだけの勇気をふりしぼったのか、それは計り知れない。
それは、オレでも分かった。
オレが持っていたカバンは地面にいきおいよく落ちた。
空いた口がふさがらない。
「すごい······」
とても小さな声の一言だったけど、オレの心には大きくひびいた。
そして、なんとなくだが感じたことがあった。
この子は、のうりょくしゃなのか。
だが、げんじつはうまくいかない。
3人はその一言をバカにして笑い、そして去っていった。
おきだわらくんはいつもより大きななみだをふいていた。
オレはただ立ち尽くすことしかできなかった。
ただ、おきだわらくんをすごいと思った。
なんというか、すごくて、かっこよくて、
感どうした。
気づいたら、空はオレンジ色になっていて、カラスが鳴いていた。
オレはおきだわらくんが手あらい場に行ったことをかくにんしてお家にかえった。
それから3日くらいがすぎた。
のうりょくしゃは見当たらない。
みんないつもどうり生活している。
まあ、それが一番なんだけど。
だが、その夜のことであった。
オレはさかまきのジーちゃんと会って色々おはなしをしていた。
気付くとすっかり夜になっており、オレは急いでお家に帰っていた。
そんな時────
1人の女の子を見かけた。
そこは、しずかな住宅がい。
その子は何かをまわしていた。
バレエでもないし、新たいそうでもなさそうだ。
でも、その動きはきれいでキラキラしている。
オレはついついみとれてしまった。
やがて、その子の動きは止まった。
オレに気づいたのかオレのところに来たのである。
「しげもりくん······?」
「······!」
なんでオレの名前を知っているのか、とその子の顔を見たしゅんかん、びっくりした。
それは、
同じクラスの明智さんだったんだよ。
その人が。
いつも学校では大人しく、ずっと本をよんでいる。大人しい子。
明智さんはオレのことをじっと見ている。
そのじゅんすいな青い目にはずっとオレがうつっている。
明智さんは顔立ちがとてもととのっていて、すごくかわいい。
こう、ずっと見ていると、やっぱり明智さんは可愛いな〜って思う。
「きれいな動きだなぁーって思っただけ」
「······!」
オレがそういうと、今度はあけちさんがおどろいた。かおが少し赤くなっている。どうしてだろうか。
「ありがとう······」
気づいたらもうお空は真っ黒になっていた。
オレは急いで家にかえったが門げんに間に合わずおこられてしまった。
それにしても、こんなにドキドキしたのはなんでだろうか。
それが、シゲ盛と明智の初対面だった。
「なるほど、その2人が能力者のいうことか」
次の日の放か後、オレとさかまきのジーちゃんは天月神社にいた。
「ちがうかもしれないけど、たぶんのうりょくしゃだと思う。」
オレは、さかまきのジーちゃんにおきだわらくんと明智さんのことをほう告していた。
「ほう······」
さかまきはうでを組んで話を聞いていたが、やがてオレのあたまをなでて言った。
「君がそう思うなら、そうじゃないのかな」
そして、さかまきのジーちゃんはカバンから何かを取り出した。
「なにこれ?」
「遂にこれを渡す時が来たか······」
そこにあったものはナイフ、細いぼう、刀。
見た目はふつうだが、オーラが何かににている。
なんだったけ、うーん·······──────
あっ、これだ!
「これってこれと同じ仲間のやつ?」
オレは杖を取り出す。あの日に拾ったものだ。
この3つのヤツにオーラがにている。
「それなら話が早い。これは、戦闘用の武器じゃ!!」
少し固かったさかまきの表情は少しゆるんだ。
「せんとーよーの、ぶき?」
さかまきのジーちゃんはテレビショッピングのように説明をはじめる。
「この3つ、日常では全く使い物にならない。いや、使えないようにした道具。
ですが、戦闘になると真価を発揮するのです!!これらがあればどんな敵でも一刀両断。しかも汚れがつきにくい!!お電話は······」
「もういい!! とにかくすごいやつなんだね」
さかまきのジーちゃんはこういうことになると話が朝まで続く。今のうちに止めないと家に帰れない。
「まあ、そういうことじゃ」
さかまきのジーちゃんは少しざんねんそうな顔をしていた。
「でも、オレ4つも持てないよ?」
「これは君たち3人のものじゃ。この3つは君が見つけた能力者達と君の武器。つまり、これで戦闘スタイルが決まるということになる」
「うーん、どうしようかな」
「まあ、それは後々決めるとして、それについてワシからお願いがあるんじゃ」
「おねがい?」
さかまきのジーちゃんはオレに3つのぶきをオレに差し出した。
「これを、2人に渡してほしいんじゃ」
「なんで自分でわたさないの?」
「君が渡した方がきっといい、たのむ」
「そこまで言うなら······」
「よし、そしたら頼むぞ!!」
それが、オレたちの戦いの始まりだった。
ここから、全ては始まる───────────
「能力者か······」
その少年はまた木の裏にたくさんの花を咲かせていた。
黄昏の空には少し雲が差し掛かっていた。
読んでくださりありがとうございました。
読みにくくてすみません。
次も長くなります。




